差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2009年9月4日金曜日 23:29
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 水神湯(板橋区仲宿)

ナカムラです。

今日(7/23)は、「水神湯(板橋区仲宿)」に行ってきました。 板橋本町駅(都営三田線)から、0.5キロ、6分くらいです。

同湯は、石神井川に架かる「板橋」の袂に位置する。この橋の名が中仙道六十九次の「板橋宿 (上宿・仲宿・平尾宿)」の名となり、現在の板橋区という区名につながっている。由緒ある一 角だ。

さすが五街道由来の旧道。今は無粋な看板やテントに隠れがちだけど、歴史ある黒ずんだ商家 建物が点在する。酒屋や茶葉屋など、一見して業歴を感じる店々が並んでいる。

同湯も業歴は長いようだ。戦争で罹災して暫くした後、昭和20年代に再建されたのが現在の レトロな建物だ。黒瓦が見事な平入の脱衣所建物に黒瓦千鳥破風のエントランスがある。

ただ、エントランスの両サイドがコインランドリーと鯛焼き屋で、それぞれに大きなテントが 架かっている。紺地に「ゆ」と小さく屋号を記したオリジナル暖簾の入口が少し窮屈に見える。

この裏ぶれた「三條」という鯛焼き屋は、その筋では有名な店らしい。鯛焼きに求道する方に 伺った。最近は鯛焼きがささやかなブームのようだけど、銭湯に負けず劣らずかなりニッチな 分野。ただ、手前味噌だけど趣味としては銭湯の方が健康的かな。甘い小豆ばかりを食べてい ては身体に悪そう。それはラーメンにも言える。。。

さて、水神湯。煤煙防止のキャップを被せられたコンクリ煙突を後方に眺めながら古風な暖簾 をくぐる。正面に傘を付き差す式の傘入れ。左右に松竹錠の下足箱。番台裏や脱衣所へ通じる ガラス戸の周りが古めかしい造り。

戸を開ければ昭和中期的なグレー木目プリントの新建材の番台。前面がカーブしたものだ。見 渡せば古色蒼然とした空間。広さは3間四方くらいか。天井は格子がやや細身の平格天井。高 窓の桟がすべて木製なのが内外どちらから見てなかなかだ。さらに、男女境上の高い位置に木 製ではないもののレトロな天井扇が化石化している。

島ロッカーが縦置きに1つ。あまり使われている様子はないものの脱衣かごも数個積まれてい る。その他、いくつもの銘柄のビールを揃えている古いアイスクリームケースのような冷蔵庫、 HOKUTOWのアナログ体重計などがある。

かつてあっただろう前庭は、くだんの鯛焼き屋とコインランドリーに成り代わっている。外壁 側は透明なガラス戸になっていて、多少の植栽があるささやかな庭になっている。ガラス戸が 磨き込まれているのが印象的だった。

浴室は、幅3間、奥行4間ほど。天井は2段型で白とブルーのペンキにくすみはない。奥壁に 中島師の富士川(?)のペンキ絵もある正統的な銭湯風景が広がっている。

島カランは1列で、カラン数はセンターから8・6・6・5。浴槽は奥壁に浅い主槽とセンタ ー寄りに円形の渦巻き浴槽がある。温度はいずれも42度くらい。その他に外壁に突き出しの ように薬湯槽があって、43度くらい。

日曜日の夕方の17:30から18:00に滞在。客は多く、相客は10数人といったところ。旧街道 のランドマークの1つとして面目は立っている。

上がりはキリン一番搾り250円。先週は、日曜日に大船・観音食堂に行ったらお盆休みだった。 すでに、飲み頃の時刻。しかし、ここからは遠い。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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