差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2008年2月10日日曜日 11:09
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 隅田湯(墨田区墨田)

ナカムラです。

今日(2/9)は、「隅田湯(墨田区墨田)」に行ってきました。 東向島駅(東武伊勢崎線)から、0.7キロ、7分くらいです。

国土地理院のサイトで各時代の航空写真を見ることができる。戦後直ぐの写真は米軍が撮影し たもの。今日も、この写真で戦災・非焼失地域を探して、古い街並みや建物を撮影して歩く。

今週は「東上野」。写真で見ると、現在の東上野3丁目、4丁目、5丁目、元浅草2丁目の一部 が非焼失地域。そのエリアが案外と「充実」していたせいで、東上野3丁目、元浅草2丁目と 東上野4丁目の旧同潤会上野下アパートを撮影したところで、予定の2時間を使い切ってしま った。

日没前の1時間は「玉の井」を撮影する予定。稲荷町駅から浅草経由で旧カフェー街へ向かう。 今日の天気予報は雪。雪が舞う玉の井の風景もいいかなと考えていた。玉の井は4年半振りと 久し振り。当たり前だけど「玉ノ井いろは通り」もそれなりにマンションなどに置き換わって いて何か風景が変わっている。カフェー調の建物のいくつかも失われている。

さて、隅田湯。 4年半振りの再訪。カフェー街の奥にある銭湯。だからか、エントランス部が変わっている。 男女別々の入り口の小屋根にはカフェー調ともいえるスペイン瓦が使われている。それ以外は 昭和20年代後半あるいは30年代初頭の伝統的木造銭湯ではあるが・・・。

脱衣所は幅3間強、奥行2間半ほど。天井は渋い格天井。天井扇のポールが4本も出ている。 木組みの番台には何故か上から新建材が貼られている感じ。古いテーブルゲーム機器。何と電 源が入っている。その他、ASANOの表示板が膝の高さのアナログ体重計、旧式マッサージ 機と役者が揃っている。

浴室は、幅3間強、奥行4間ほどの大型。天井は2段型。島カランは2つ。浴槽は奥壁側に浅 槽が1つ。42度くらいのバスクリン薬湯。センター側から、バイブラ、3点座ジェット×2、 電気風呂と続く。

ビジュアルは、奥壁に切り絵調のタイル絵で絵柄は和風の入り江。緑色とブルーを主体とした 風景になっている。男女境は絵付けのタイル絵で合掌造りを含む緑豊かな田園風景が描かれて いる。

みぞれ混じりの冷たい雨が降る土曜日の17:50から18:30に滞在。相客は数人という 感じだった。寒いにしても夕食前のゴールデンタイムにしては寂しい感じがする。

上りは隣の「十一屋」。4年前も気になったが、当時は風呂から上がって居酒屋に入ることは少 なかった。今回は、玉の井カフェー街跡、隅田湯、この十一屋すべてが訪れるべき目的地。

暖簾を潜ると、直ぐに優れた居酒屋のオーラを感じる。昭和12年創業。地元では値段が安い ことで有名らしい。しかし、安いだけではない。雰囲気のいい空間が有る。カウンター越しの 板場も奥もみんなきびきびと動いている。

生レモンサワーに、生ダコのおろしポン酢、蛤の酒蒸し(6個)、生牡蠣(大きいので半分の2個にし てもらう)。そして、燗酒2合に銀ムツの照り焼き。最後にタラコのお握り。これで3000円 とちょっと。どれも美味しかったし、やはり安いと思う。

戦災で焼けた後の昭和22年再建の店内の古風な雰囲気もいい。久し振りにいい店に出会えて満足。二代目と三代目の呼吸も合っている。こんな感じで親子で仕事が出来るのが羨ましい。

今日は頭が冷えすぎてクラクラするほどの寒い日だった。店を出る頃に、遅ればせながら、みぞれが雪に変わった。再び、雪のいろは通りを往復して、かつて「玉ノ井駅」だった東向島駅 から、押上、錦糸町経由で総武線快速で戸塚駅へ帰還。

本当に寒い日だった・・・。

《前回訪問:2003.08.08》

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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十一屋





玉の井。最も当時の趣きが残る一軒。
奥行きがある建物で建物の一部に灯りが点いていた。






旧玉の井の目抜き通りの一軒



玉の井