差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2009年3月16日月曜日 22:55
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 住吉湯(横浜市南区井土ヶ谷中町)

ナカムラです。

今日(3/15)は、「住吉湯(横浜市南区井土ヶ谷中町)」に行ってきました。 井土ヶ谷駅(京浜急行)から、0.5キロ、5分くらいです。

旧同潤会は、代官山、青山、江戸川などのアパートメントのほかに、普通住宅の賃貸や分譲事 業も行った。横浜でいえば、井土ヶ谷、大岡、滝頭および新山下の4カ所。そのうち井土ヶ谷 が最大(9065坪、408戸)だった。

現状がどうなっているのか探索し、その後はビジュアルが充実している住吉湯で休憩、弘明寺 で一杯やろうとイメージして家を出た。しかし、地元情報によれば、住吉湯の傍らには住吉神 社の参道にに開かれた花街があり、当時の建物が今も残っているという。

「井土ヶ谷上町第一町内会館」というその建物を見て驚いた。それは見番だった大きな建物。 向かいに芸者置屋の建物も残っている。見番が廃止されてからは、旧大岡警察署の独身寮を経 て、現在の姿になったという。見番建物が警察署の独身寮とはどうなのか。ある時の取締まる 方と取締まられる方との繋がりが象徴的過ぎやしないかと。いろんなものが、大らかだった時 代の話かも知れない。

昼飯に蕎麦とともに、燗酒を一杯やって図らずも寝てしまったので、家を出るのが遅くなった。 そのせいで、ここで日没となった。それと分かる特徴的な街路を有する旧同潤会の井土ヶ谷住 宅探索は、またにして、3度目の住吉湯に向かう。

花街至近の同湯は、戦前からの長い歴史を有する銭湯だ。戦後直ぐに経営を引継ぎ、現在の建 物は前の建物が火災で焼けた後、昭和36年に建て替えられたもの。

入口には章仙画の宝船の絵柄のタイル絵。浴室には中島師のペンキ絵の下には池に鯉の幅広の タイル絵。男女境にはさらに4幅のタイル絵が広がる。その4枚がなかなか秀逸で、「日本勝景  瀬戸内海 鞆浦/柏ゴウ福二(?)」、章仙画の金沢・兼六園、福二画の弁慶と牛若丸、銘がない 山間の滝の図。福二画と章仙画のタイル絵の競演。特に、落款風に銘が書かれている、福二か は自信がない鞆浦のタイル絵が秀逸だ。

後に、遊廓跡をたどるために広島県福山市の鞆ノ浦を訪れたけど、同湯に最初に訪れた時には 鞆ノ浦を知らなかった。「鞆」という字も読めなかった。

外装は干からびたモルタルの銭湯。内部のペンキもかなり黴びてきた。中島師の富士川のペン キ絵も少々草臥れている。

そして、なんといっても同湯のお湯は熱い。ここ数年で神奈川銭湯は若干ぬるくなったと感じ ている。しかし、同湯はいつも熱い。温度の低い浅槽でも入れずに躊躇っている爺もいたほど だ。44度は十分にある。深槽はそれ以上だ。

上がりは、一番搾り240円を頂いた。

日曜日の18:10から19:00に滞在。最初は相客1人だけだったけど、夕食を終えたの か上がり近くには3人ほど入ってきた。できれば鞆浦のタイル絵を撮影したかったけど、その 機会は無かった。もっとも、同湯の浴室はいつも湯気がもうもうとしている。営業中では、一 番奥にある鞆浦のタイル絵を綺麗に撮ることは難しい。

去年、神奈川県の浴場組合のHPが大幅にグレードアップしたけど、またバージョンアップする のか、2日ほど前に辻堂の製作会社の編集の方が撮影に着たという。組合50周年の企画の一 環らしいけど、どんなものになるのだろうか。楽しみだ。

夕御飯は地元出身の斉藤由貴と同級生だったという弘明寺商店街の気になる洋食屋と考えてい た。しかし、観音橋から商店街を反対方向に進んでしまい、戻るのが億劫になった。結局、旧 芦名湯の隣の人気の総菜店「あしな」でアジフライとカニクリームコロッケを、向かいの漬け 物屋でたくあん半切れを調達して帰路につく。

漬け物屋さんではビニール袋に入れた漬け物をさらに新聞紙でくるんで渡してくれた。古新聞 での包装。昔は結構あった気がするけど、最近は本当に久しぶり。なんか、とても懐かしかっ た。

《前回訪問:2006.11.11》

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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