差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2010年8月25日水曜日 21:33
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 鈴乃湯(さいたま市中央区本町東)

ナカムラです。

今日(8/21)は、「鈴乃湯(さいたま市中央区本町東)」に行ってきました。 与野本町駅(埼京線)から、0.5キロ、5分くらいです。

男湯と女湯との間で1個の石鹸を融通しあうために、浴室の男女境に「石ケン渡シ」なる穴が 穿ってある。石鹸が足りなかった頃の名残。かつて本所の外手湯(廃業)に残っていたけど、 その他の例は知らない。

今年の初湯に浸かるためにやってきたけど、正月の変則的な営業時間で入ることは叶わなかっ た。現在の建物は昭和39年の築。古い町並みが残る街道や、後から開業した与野本町駅からも 近い。

正月に来た時には短いコンクリ煙突が残っていたけど、ステンレスの煙突に変わっている。井 戸水をガスで沸かしている。

脱衣所棟は黒瓦の平入り。もともとはそれに相応しいエントランスが付属していたと思われる。 現在は前庭だった部分を合わせてモルタルの構造に置き変わっている。

入口が、駅開設とともに拡幅されたと思しき通りに面しているせいか、両開きの玄関扉が閉ざ されている。暖簾も下がっていないので少し変わった雰囲気だ。

手動の玄関扉を開ければ、両サイドにSSLOCK錠の下足箱が並ぶ。もう一回両扉を開ければ、休 憩スペース併設のフロントがある。埼玉県の銭湯料金は410円。男湯は、旧番台や前庭を潰し た廊下で回り込むようにアプローチする。道路との関係で同湯の一部敷地が道路(歩道)で削 られているのかも知れない。

脱衣所は3間四方。天井は折り上げ部は白く塗られているものの格子と天板はいい材料が使わ れた格天井になっている。

屋号入りの柱時計が大黒柱に掛かっているくらいで、あまりオリジナルなものはない。ロッカ ーは入口方と外壁側にあって島ロッカーはない。その他TANAKAのアナログ体重計があるくら い。。。

浴室は、幅3間、奥行4間ほど。島カランは1列でカラン数はセンターから5・5・5・6。簾か ら夏の風が入ってくる。

浴槽は奥壁に接するかたちで、深浅2層。浅槽がジェットで深槽が7点座ジェット×2でステン レスの水枕付。ちゃんと冷却水を循環させている。

そして、「石ケン渡シ」。深槽の脇辺り、男女境に2つの穴が開いている。片方が渡し用でもう 一方が受け用。双方ともにかなり傾斜を付けているので、勿論向こう側は見えない。正確に言 えば、床の星形タイルの極一部分のみが見えるだけだ。

ビジュアルは、奥壁に中島さんの西伊豆(16.11.29.)。描いて時間が経っているせいもあって、 やや平板に感じられる絵で、トタンの継ぎ目を中心に傷みが目立ち始めている。

上がりは自販機でコーシン牛乳の110円を買い求めた。ボタンを押すと並んだ瓶から1本だけ 手前に押し出されてくる。それを扉を開いて手で取り出す方式。なかなかレトロな構造の自販 機だった。そして、大手は180ミリリットルに量目したけど200ミリリットルの昔ながらのス マートな長さの瓶。これも最近あまり見かけなくなった。。。

土曜日の20:00から20:50に滞在。駐車場もあるせいか家族連れもやって来る。相客は10数 人と、そこそこの客が入った銭湯だった。

与野本町駅周辺にはロードサイドのチェーン店の郊外型の店舗しかない。「五右衛門」というパ スタ屋で冷たいスパゲティーを頂いた。ビールを頼むと缶ビールしかないという。何か列車の ワゴン販売でビールを買うシーンを思い浮かべてしまった。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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