差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2008年9月28日日曜日 7:22
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 昭和湯（舞鶴市倉梯町）

ナカムラです。

今日（9/13）は、「昭和湯（舞鶴市倉梯町）」に行ってきました。東舞鶴駅（ＪＲ舞鶴線）から、0.4キロ、4分くらいです。

東舞鶴の最後の一軒。西舞鶴が古くからの城下町であったのに対し、東舞鶴は旧海軍の軍港が築かれて以降に発展した。現在は赤レンガ倉庫の街として売り出している。

以前の東舞鶴駅は、構内に何本もの引き込み線がある大きな駅だった。現在は、高架になり島式のホームが２面だけ。「駅」という情緒がある場所ではなくなってしまった。ＪＲの主要駅では高架化が進んでいるけど、これについてはどう評価されるのだろうか。少なくとも、「駅」をモチーフにした詩の連作を試みる者として、情感豊かだった東舞鶴駅が普通の駅に成り下がってしまったことが残念だ。

駅の海側は、歴史ある商店街が広がっていて、ちょっとした薬局が創業１００年近かったりする。同湯はその反対側にある。東舞鶴駅で降りるのは３回目だけど、乙姫橋を渡って行く竜宮町の遊廓跡も海側なので、駅裏を歩いたことはない。駅を出ると大きなビジネスホテルや大きなショッピングモールがあって、舞鶴の街の印象と異なる風景が広がっている。

同湯はそのショッピングモールの裏にある。昭和１８年の開業なので、モールの裏というのは失礼だけど、奥に広がる住宅地の入口という感じの場所だ。

太くてやや短い、京都や名古屋銭湯と共通するコンクリ煙突。浴室はコンクリ造。脱衣所棟は瓦葺きの切妻屋根に平入りでの入口がある。入口に掛る木製の扁額には、右書きで「湯和昭」と記されている。右書きということからして戦前のものだろう。さらに、片方だけになってしまったけど石張りの門柱があったりと、なかなかの風格がある。男湯の前庭が駐車場になっているけど、そうなる前は門柱は一対だったんだと思う。

暖簾を潜るとコンクリのタタキに番台。その反対側には棚があってご常連の湯道具が少し雑然と収納されている。横長のＫｉｎｇ錠がついた下足箱は２段ほど階段を昇ったその奥にある。

籐敷きの脱衣所の広さは、幅３間、タタキの部分を入れて奥行３間半ほど。男女境には簡素な欄間のようなものが鏡の上にあって、向こうとは完全に分離されている珍しい構造だ。

ロッカーは外壁側にあって、錠は折り鶴。個々のロッカーの扉が、白とブルーの交互になっていて、市松模様を構成している。籐編みの丸い脱衣籠も現役で活躍している。

天井は屋根の高さからして高くはないけど、立派な平格天井になっている。四隅の天板には、幾何学模様的な切り欠きがあるのが珍しく、初めての遭遇だ。換気孔としての機能もあるのだろうか。

浴室との間には幅１間ほどのタイル張りの緩衝スペースがある。北陸ではあまり見られなかったもの。舞鶴は京都府だし、経済・文化とも京都圏に入る。銭湯も北陸的なるものよりも、より京都仕様になっている。

浴室は幅３間、奥行き３間半ほど。四角錘の天井で、男女境の上に２つの湯気抜きが並んでいる。タイルに古いものはない。床はブルーと白が混ざった模様のもの。壁は大判の白いタイルが使われている。

浴槽は、センターに長方形のものが１つで、深浅２つに区分されている。湯温は４２度と少し温いかなという温度。同湯は、３世代の家族がクルマで一緒に乗り付けたりと、案外に客が多い。そして、漁師町というほどではないけど、みんな入ってから出るまでの滞在時間が短い。浴室には１５分も居ないのではないか。

上がってからアナログ体重計に乗る。ややハードな旅行だったので減量を期待していたけど、毎日飲んだくれていては、それもままならない。体重計の針はあまり変わり映えしない値を指している。

宿を取っているのは西舞鶴。電車の時刻があるので、最後にトイレを借りて急いで駅に向かう。大小の部屋が連なる立派だけど非水洗のトイレだった。今回訪れた銭湯の全部でトイレを借りたわけではないけど、非水洗は同湯だけだった。たまたま大船の常楽湯が非水洗だけど、地方に行っても、ほとんど非水洗のトイレに遭遇することがなくなった。

西舞鶴に戻って、朝代遊廓跡近くで一杯やろうとしていたけど足裏のマメが疼く。日和って駅前の寿司・天ぷら・割烹とある「一○張」という店に入った。レモン杯と上寿司の握り、干瓢巻きとツマミ一品を頂く。勘定が予想していたものと大きくかい離していた。明らかに一見の旅行者という感じで寿司屋に入るのはリスクが大きいのか。少し後味が悪かった。

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ナカムラ　（Masayuki Nakamura）
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ （風呂屋の煙突）
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