旧忠海町遊廓(広島県竹原市忠海中町) 2008.12.13

忠海の遊廓跡を探索。漁港近くの旅館が集まる場所とアタリを付けていたけど、念のためと古老を見つけてヒアリングをすると、小生の予想とは全く違っていた。

さっき歩いていた旧竹原町遊廓と同じで、眼前が海という道に沿って8軒ほどの妓楼が立ち並んでいた。船上から遊廓の紅灯を眺めるとそれは幻想的だったらしい。

余り期待せずに訪れたけど半数の旧妓楼が残っていた。特に旧朝日楼は完璧な形で転業旅館として残っている。庭木も丹念に整備されている。一見して普通の旅館と異なるのは、瓦を載せた立派な門のすぐ正面に巨岩が置かれ、すぐ後方の玄関に向けた視界を遮っていることだ。

今日の宿泊をここに変更すべく突入する。必死で折衝するが一見客は御断りだという。長期の工事関係者や馴染みの客を相手にしているようだ。一見客御断りだなんて遊廓みたいだなと思ってしまう。残念だけど、この玄関に立てたことは良かった。外観よりもかなり凝った造りだ。そして、普通の和風旅館に比べ、実用に反するくらいに床が高い位置にあった。異界へ昇るという演出なのかも知れない。


通りの左側は海だった。現在は埋め立てられている。


門の外から中は窺えない構造になっている。