差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2010年1月10日日曜日 11:07
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 大正湯(愛媛県八幡浜市大正町)

ナカムラです。

今日(12/23)は、「大正湯(愛媛県八幡浜市大正町)」に行ってきました。 八幡浜駅(予讃本線)から、0.7キロ、8分くらいです。

別府港から大型のフェリーで西予の八幡浜へ渡る。九州・四国間の物流における重要な路線ら しいけど、貨物をはじめとする自動車の搭載は少なく閑散とた雰囲気だった。しかし、3時間 弱、大型のフェリーで寝ころんでいるのは快適だ。長距離フェリーのように風呂場があれば完 璧なんだが。。。

八幡浜港に入る手前、向灘の斜面に蜜柑が実っている。「日の丸」というブランド品で、町の各 所で集果作業を行っていた。さらに、シャッター通りとなった商店街の街灯飾りも蜜柑。食べ てみると、甘さとコクがある美味しいもので、スーパーで買う蜜柑との格差に驚かされた。

港の近くに清水湯という印象的な銭湯があった。建物だけでも残っていないか探索するものの、 蜜柑屋に聞くと、廃業して駐車場になっているとのことだった。白浜温泉は、枯れて干からび た感じのモルタル造。開店前だったものの営業が続いている感じ。

さて、大正湯。大正時代にひらかれたという大正町にある。同湯は、ここにやって来るまで営 業しているのかどうか最後まで分からなかった銭湯の1つだ。15:00の開店の少し前にやって きたものの扉は閉ざされ、叩いても応答がない。煙突からの煙も確認できない。ダメだったか。。。 胸の鼓動が感じられるほど緊張する。

八幡浜では、鮨をもくろんでいたものの、鮨どころか付近に開いている食堂すら見つからない。 やっとのことでカツカレーで遅い昼食を取った後、再訪する。すると女湯の扉を開けて婆が入 って行った。東京から八幡浜の銭湯は遠い。アホとは感じながら、つくづくほっとした。

町の中心に近いものの通りは寂れている。そんなロケーションの洋風下見の2階建て。ライト ブルーのペンキはボロボロで、2階の窓に付けられた幌はガタガタ。「大」「正」「湯」と刻印さ れた屋号を示す鉄板は赤錆ている。

硝子戸を開け、年代物の暖簾をかき分ければ、コンクリのタタキと番台がある。その向こうに は、いきなり、幅3間、奥行4間ほど脱衣所空間が広がる。典型的な地方銭湯の造り。連れが 女湯側から2人分の風呂銭を払う。愛媛県の銭湯料金は360円だ。

男女境、番台の眼前に小さなおしどり錠の小ロッカーがある。下足入れとしては小さかったの と、あまり現役感がなかったので使わなかった。貴重品庫か。何だったのだろうか。

ロッカーは外壁側におしどり錠のオール木製ロッカー。漢数字から算用数字に書き換えたとい う。その他、初めて遭遇する九州計器のアナログ体重計、ベンチ、天井扇があるくらい。タタ キの横には2階への急な階段がある。必要最小限のものだけがある。

床は古い板の間だけど、壁や番台はグレー木目プリントの昭和中期的な新建材。天板も初めか らグレーなのかくすんでそうなったのか、ともかくそんな色をしている。

浴室は、幅3間、奥行4間ほどと意外に広い。天井は四角錘型で、さらに四角の湯気抜きがあ る。外観と同様のライトグリーンのペンキが塗られているものの、やはりボロボロ。周囲は腰 高まで大判の白タイルが張られている。男女境はその上が樹脂の波板。本来の造作が壊れたか らだろうけど、かなり殺伐感がある。その脱衣所側には、石鹸の受け渡し用か開閉式の小窓が ある。本所・外手湯(廃業)あるいは、与野本町・鈴の湯の石鹸を落とす方式とは明らかに異 なるもの。開ければ向こう側が見えそうなので、触れるのはやめにした。

カランは男女境側に6のみ。関西風に桶を載せる台がある。黄土色の人研ぎに近い素材。銭湯 で接するのは初めてだ。外壁側には、鏡と立った位置で使う湯道具の台のみがある。

浴槽は、中央に楕円形の主浴槽と奥壁に接する形でそれぞれが少し離れてた副浴槽が2つある。 小生が口開きの客。とても人間が入れる温度ではなかった。しかし、埋め過ぎて42度くらいに なってしまった。副浴槽の一方は極浅の薬湯。もう一方は打たせ湯的な設備があるものの空に なっている。

ビジュアルはない。かなり殺風景で殺伐感が強い。相客がなく口開きということもあって、湯 気が籠もっていないせいだと感じた。

入れ替わりで相客が入ってきた。番台の女将と何処かの風呂がぬるくて、風邪を引いたような ことを話ている。間違いなく火傷するようなお湯だったけど、漁師町の銭湯を少しばかり普通 の温度にしてしまったのが居心地を悪くした。

別府のタクシー運転手が、八幡浜と言えば「じゃこ天」食べない手はないと話していた。連れ はしっかりと同湯至近の製造会社で調達していた。歯触りはつみれ、姿は小判揚げのよう なもので美味しいものだった。タクシーの運ちゃんによれば、揚げたては堪えられないような 美味しさらしい。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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八幡浜・白浜温泉