差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2011年2月28日月曜日 23:37
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件名: 宝温泉(鳥取市吉方温泉町)

ナカムラです。

今日(2/11)は、「宝温泉(鳥取市吉方温泉町)」に行ってきました。 鳥取駅(山陰本線)から、1.2キロ、15分くらいです。

米子のホテルをゆっくり出て、あの大社湯近くの「倉吉新地(越殿町)」を見る。『全国遊廓案 内』に掲載されなかった遊廓だけど、そこそこの規模があったようで、旧旭楼、旧福乃家ほか、 旧妓楼と見てとれる大きな建物が計5つほど残っていた。あまり期待していなかったものの見 応えは十分だった。

出雲大社の分院の隣のカランすらないというレトロ銭湯の極致。大社湯は営業を続けているよ うで一安心。しかし、無念にも時間の関係で再訪入浴はままならず。。。

鳥取・衆楽園遊廓(瓦町)は、鳥取駅のすぐ近く。大抵は辺鄙な場所に追いやられる遊廓だけ ど、開廓の後、近くに山陰線が通って駅前になってしまったという数奇な経緯の遊廓だ。

鳥取駅は、駅前に永楽温泉町、末広温泉町、吉方温泉町、というようように「温泉」を冠した 町名が並ぶ。駅前一帯がいきなり”温泉郷”といっていいほどに温泉に恵まれている。

鳥取の旧市街を焼き尽くした「鳥取大火(1952年)」も線路脇の銭湯が火元。街のあちこちに銭 湯があった。しかし、1960年代の約30軒をピークとして今は4軒(日乃丸温泉、元湯温泉、木島 温泉、宝温泉)にまで減っている。

朝6:00から営業している「日乃丸温泉」は、翌朝の朝風呂に回し、大正14年創業で、現在の建 物は築50年を超えるという「宝温泉」に向かう。残る4軒の温泉銭湯の中で、最も古い建物で 営業を行っている。最近まで「れんが湯」という銭湯が残っていたのだが、昨冬訪れた時には 少し遅かった。。。

宝温泉は、切妻モルタルという簡素な外観。妻面には表通りから見えるように「宝温泉」と大 書きされている。古い板張りの小さな別棟の釜場があって、そっちに細いパイプ型の煙突が立 つ。敷地が広いということも理由だろうけど、釜場が脱衣所と浴舎から完全に分離し、その横 に位置しているというのはかなり珍しい。

源泉温度は銭湯によって高低まちまち。温泉ではあるけど、各々が加温設備を持つ。同湯の源 泉温度は29度。温泉法の下限25度に近い低い温度。沸かしたうえで、さらに常時加温が必要 だ。

建物の中に入れば、コンクリ敷きのエントランススペースがあって、鑑賞魚が泳ぐ水槽、ベン チなどがある。古い木戸が残るトイレも、脱衣所ではなくこのオープンスペースからアクセス。 今日は開放されているけど、寒冷地の二重構造といっていいもので、トイレ配置などは中京圏 銭湯に似ている。

中に入ればコンクリのタタキに大きなクロス張りの番台。壁側にはSSLOCK錠の下足箱。番台に はかなりのご高齢ながら、印象に残るかわいいおばあちゃんが新聞を広げ、背中を丸めて座っ ている。

脱衣所の広さは、幅3間弱、奥行は半間幅のタタキ部分を含め3間半ほど。天井は古い石膏ボ ードで、天井高は1間と1/3くらいと低い。

ロッカーは、外壁側に木目プリントを貼ったSSLOCK錠のものと、プラスチック製の四角いの脱 衣籠の併用。その他、IUCHIのアナログ体重計やベンチがあるくらい。

男女境に、V字型のゴツいアームがついたお釜ドライヤーが据付けられている。使われている 様子はない。かつて、男湯と女湯が入れ替えられているのかも知れない。

先日降った雪もそこそこ残っている。そして、今日はかなりかなり寒い日だ。殺風景というか、 広さの割に物が少ない脱衣所。エアコンがないので裸になるとかなり寒い。。。

浴室は幅3間弱、奥行3間半。ドア式の戸を押して入る。天井は山型でプラ板張り。最高部で2 間くらいの高さ。中央部に四角の湯気抜きがある。

壁には長方形の小タイルが張られている。上部が淡いピンク色。下部は淡いモスグリーン。昭 和中期的なタイル使い。

カランは長方形のセンター浴槽を囲むように、外壁側に5機と奥壁側の5機の計10機、入口方 には立って使うタイル張りの流し。男女境には何も配置されていない。

浴槽は、長方形のものが浴室の中心にある。手前が浅くなつた深浅の浴槽ながら、事実上の単 浴槽。縁の上面が黒い石張りになっているけど、そこには黄土色の温泉成分の析出が見られる。 湯温は43度強とやや高目。かすかな白濁がある紛れもない温泉。熱いながら肌を刺す感じはな い。いいお湯だ。

金曜日のちょうど夕飯前の時間帯。新しくもないし、お湯以外にこれといったものは無いけれ ど、3人ほどの相客は汗を流すだけでなく、風呂を楽しんでいる感じだった。浸かっては出て、 また浸かってというように思い思いに温泉を楽しんでいる。温泉文化が生活の中に定着してい るのだろう。

上がりは番台の左右に小さな冷蔵庫があって、くだんのチャーミングなおばあちゃんに牛乳を 取ってもらった。

近くのスーパーに入ったら、生の松葉蟹が鮮魚の隣に並んでいる。少し茹で方にコツが要るの か、信じられないくらいに安いものの売れ行きは芳しくない感じだった。

上がりの一杯は「とっ鳥屋」。まずまずの炭火焼鳥と本格の釜飯が売りの店。少し騒々しかった けど、安くて美味しい店だった。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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木島温泉