差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2010年1月10日日曜日 9:46
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 竹瓦温泉(別府市元町)

ナカムラです。

今日(12/22)は、「竹瓦温泉(別府市元町)」に行ってきました。別府駅(日豊本線)から、0.6キロ、6分くらいです。

中津は唐揚げが有名らしい。「からあげマップ」なども入手したものの、前夜、日田で貧しい感じの唐揚げを食べた記憶が災いしてチャレンジできなかった。寒い中、美味しいホルモン焼きで勝星を戻し、さらに「ビスマン」なる地元菓子を調達して中津を後にした。

中津駅から特急ソニックに乗って別府駅へ。JR九州の車両は、他のJR各社に比べて特徴的で、いい乗り心地を備えている。

別府では、3カ所あった遊所跡の散策、別府タワーへの登楼、名物・とり天での昼食、渋い喫茶店「なつめ」などを楽しんだ後、竹瓦温泉に向かった。

別府は初めてやってきた。町中に旅館の建物や共同浴場は多いものの、それらが連続していないせいか、想像と違って温泉場の雰囲気は乏しい。竹瓦温泉のすぐ近くなどは現役の風俗街になっている。

そんな中に忽然と竹瓦温泉がある。現在の建物は昭和13年に改築されたもので登録有形文化財。見事な唐破風の入口、後ろにこれまた大きな寺社風建物がある。

建物の左側には砂風呂のスペースが、右側には共同浴場スペースが男女それぞれにある。大型の東京銭湯が2つ連なったようなイメージ。中央の休憩スペースの天井は高く、その上には、さらに元町公民館があるようだ。

共同浴場は100円。1000円で砂風呂と共同浴場の両方を使うことができる。先ずは砂風呂。大きな砂場の掘り込んだスペースに寝ころぶと、「砂かけさん」が顔を除いて砂をかけててくれる。砂が意外にも暖かくなく、少し寒い感じがする。指圧効果というけど想像を越える重さがある。生き埋めってこんななのかなと思いながら15分ばかり過ごす。

共同浴場に移動するには、砂を洗い流し、上がり湯を浴びて、さらに一旦服を着て移動しなければならない。建物中央の休憩ホールを通過しなければならないからだけど、少しばかり面倒だ。

共同浴場スペースは、幅3間、奥行4間ほど。隣にある女湯とは完全に分離した構造。手前1/3くらいが脱衣棚やロッカーが並ぶ脱衣スペースになっていて、浴槽には高さで1間ほど階段を降りて行く。源泉から自然流下で温泉を引き込むからか、古い共同浴場でこういった構造によく出会う。

それにしても、擬宝珠を冠した支柱や寺の回廊に巡らされた柵のような意匠は、異界へ赴くような独特の雰囲気を演出いている。

浴槽は奥壁に接するU字型で堀り込まれたもの。浴室にお湯のカランは無く桶による汲み湯を使う伝統的なスタイル。湯温は42度の設定とあるけど、体感的には43度くらい。見れば、多少濁りのある湯に柚子が浮かんでいる。冬だからなと漫然と考えながら浸かっていたけど、今日12/22は冬至だった。温泉番付では西の横綱、別府。その竹瓦温泉で柚子湯に浸かるのは感慨深いものがある。

タクシーの運転手は、正月までは暇だと言って安い値段で貸し切りを売り込んでくる。大きな砂風呂も小生と連れの二人だけ。共同浴場スペースには忘年会を兼ねた団体客が入ってきたものの静かな別府、静かな竹瓦温泉だった。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ (風呂屋の煙突)
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