差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2009年11月18日水曜日 22:56
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 竹の湯(板橋区本町)

ナカムラです。

今日(11/17)は、「竹の湯(板橋区本町)」に行ってきました。 板橋本町駅(都営三田線)から、0.3キロ、3分くらいです。

板橋区本町。国道17号線(中山道)の上には中央環状線が通る。環七がその間を立体で交差 する。何とも潤いのない風景がある。その傍らに、空が広い、旧中山道が通る。日本橋から来 ての初宿・板橋宿の上宿辺りか、縁切り榎から少し入った所に同湯はある。

学童が減って付近の小学校の廃校が進んでいる。廃校建物を転用した板橋区公文書館の向かい。 何回かここを通っている。しかし、同湯をビル銭湯と思って疑わなかった。ビル銭の探索順位 は劣後する。最初は、駅北側の「稲荷湯」に行ったけど、臨時休業だったので冷たい雨の中を 引き返してやって来たセカンド目的地だった。

一見ビルに見えるものの、よく見れば階段の取り付けなど曲芸的に過ぎる構造だ。そして、後 方には伝統的なコンクリ煙突。浴場棟は窓から2段型天井の木造天井が見える。。。

どうやら、エントランスがある建物は、高い天井を有する脱衣所建物の屋根を外して、上屋を 増築したもののようだ。かなり不自然、やや不気味な建物でもある。

「竹の湯」と記された幟型の看板。暖簾の上にもやはり屋号が記されている。下足箱は木札横 差しの新しいタイプの松竹錠。自動ドアで脱衣所へ進めば、番台を180度後方へ回転したよ うな小さなフロントボックスがある。大将によれば、創業60年くらいだという。この建物は、 その頃の建物だろう。

脱衣所は、幅3間半、奥行4間ほど。折上部分は白く塗り込まれているものの天井は折上格天 井。本当に広い空間がある。ロッカーは中央に島ロッカーが1つと、外壁側に縦長のロッカー がある。その他、ボクシングの階級が示されるアナログ体重計、コイン式の洗濯機×2などが ある。広いだけでなく、シンプルで清潔だ。

浴室の広さは、幅3間半、奥行5間ほどの大型。床はレトロな3センチ角の白タイル。浴槽は 男女境に接するかたちで、幅1間、長さ5間弱の大きな浴槽が縦に置かれている。島カランは 長いものが1つで、カラン数はセンターから0・8・8・11。

大きな浴槽は、縁に茶色の小タイルを用いている曲線使いが多いレトロなもの。手前の浅浴槽 はバイブラ(稼働していない)、3穴ジェット×3、深槽は何の仕掛けもないもの。そこに清澄 なたくさんの湯が満たされている。温度は43度と44度くらい。案外に熱い湯の銭湯だ。

ビジュアルは、大きく空いたスペースとなっている奥壁に中島師の富士山。長い男女境に絵付 けのタイル絵。長大で迫力があるのだけれど、絵柄が洋館・河・高峰・再度の洋館と大味なの が少し残念。

レトロなタイル遣い。立ちシャワーさえ無いシンプルさ。敢えて、バイブラさえも止めている のではないかと感じてしまう程の潔い空間。明るく清潔でもある。

上がりはサッポロ黒ラベル260円。一番搾りも冷やされていた。

冷たい雨が降る火曜日の20:30から21:15に滞在。相客は5人くらい。明らかに大き な空間を持て余す寂しい客の入りだった。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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