差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年1月14日土曜日 11:40
宛先: 銭湯ML
件名: 龍の湯(川崎市川崎区四谷下町)

ナカムラです。

今日(12/30)は、「龍の湯(川崎市川崎区四谷下町)」に行ってきました。
川崎駅(東海道線)から4.2キロ。
市バス04系統で15分くらい。四谷下町バス停からは2分くらい。

今日は、仕事納め。退社が7、8時の予定だったので鎌倉・瀧乃湯あたりで1年の区切りを付けようと考えていたけど、会社を早く出ることができたので、目的地を変更。一昨年は「すみれ湯(弘明寺)」、昨年は「山下館(元町中華街)」。
仕事納めの日の銭湯は印象に残る。

龍の湯の創業は、昭和36年。建物はその時からのもの。後方に手入れの行き届いた油井型の煙突が見える。脱衣所棟は、入母屋屋根の黒瓦。エントランス部も、端正な入母屋屋根の黒瓦で懸魚も付いている。入口自動ドアの上の摺りガラスには、「龍の湯」と屋号が記されている。特に変ったところはないけど、どことなく気品を感じる佇まい。

自動ドアを入ると、下足スペース。下足箱は鍵が小さな板鍵のもの。そして、正面のかつての番台裏に、見事なタイル絵がある。

絵付け師によるタイル絵。富士山に屋号との関係で龍が描かれているけど、それが黒一色で水墨画調で描かれている。
落款も「円岳?(自信がない)」という、見たことのないもの。作者の意向か、同湯の意向か、稀有なモノトーンの作品。見事なものだ。

70歳くらいのご主人に、400円とサウナ代200円を渡し、バスタオルとサウナ証の赤いリストバンドを受け取る。

見渡すと、同湯のフロントスペースは広い。逆に言えば、オリジナル3間四方の脱衣所を、半分にカットしているので脱衣所が狭い。フロント部は、赤いカーペットを敷いて、フロント、テレビ、ソファなんかがあるけど、上を見れば、渋い茶色の折り上げ格天井が、昔のままの姿で有る。

多くは、フロン部への転用で脱衣所の1/3程度を削ることが多い。ここまで大胆に、脱衣所を削った例を知らない。でも、減少した客数からすれば、脱衣所スペースは幅3間、奥行1間半もあれば、足りるのかも知れない。それと、フロントと脱衣所の境に、クランク状の通路は無く、簡素なドアというのが特徴的。それも、左右に2つある。

脱衣所の大黒柱には、風格のある折り上げ格天井に呼応する、黒柱時計が振り子を揺らしている。その他、外壁側とフロントとの境側にロッカー、黒ビニール張りのベンチ、デジタル体重計があるくらい。

浴室は、幅3間、奥行4間。ウィング部が1と1/4間で天井高が3間半の2段型。
湯道を置く棚が付いた島カランは2列で、カラン数は5・5・5・2・0。Waguriのとっ手が茶色のもの。外側の島カランと外壁との間に、サウナ室と水風呂を増築しているので、外側の島カランは短く切られ、カラン2つと、洗い湯を流す溝だけが残されている。

サウナ室は5人くらいが入れる2段のもの。相客でサウナを使う人はいない。静寂。思わず、辛かった1年を振り返る。
サウナと水風呂を3、4往復。2人用の水風呂の温度計は12℃を指している。体感で判断不能な範囲だけど、ここまでは低くないと思う・・・。

浴槽は、奥壁側に3層。センターから、8点座ジェット×2、主浴槽で半分がバイブラ、薬湯(ラベンダー&カモミール)。主浴槽でも42℃強。
最近、熱い湯に巡り合わなくなった気がしている。

神奈川の銭湯にはタトゥーの方が多い。それに、川崎の銭湯ではユニークな客と遭遇することが多い。
今日は、薬湯に浸かりながら、歯ブラシで口を泡立てている相客がいた。でも、冷静に考えれば、小生も自宅の風呂ではたまにやる・・・。でも、やっぱり変だ。やはり、川崎では、そんなユニークな客に巡りあう。

川崎区は中島さんの営業エリアなのかな。ペンキ絵は、中島師のもの。
それと、浴室入口上には、一部摺りガラスにして池と鯉を描いた硝子絵がある。

上がりは、フロントでビール。18:15から19:30に滞在。相客は10人居なかったと思う。GPSナビで、駅近くの大衆酒場「丸大ホール」をチェックするが、会社の振る舞い酒と、上がりのビールが利いてきたので、そのまま帰館。

1年のひと区切り、入口のタイル絵が強烈な個性を発揮するいい銭湯だった。

《H17.11.23画像》