差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2013年5月23日木曜日 23:02
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 天神湯(江東区亀戸)
ナカムラです。

今日(5/2)は、「天神湯(江東区亀戸)」に行ってきました。
亀戸駅(総武本線)から、1.2キロ、15分くらいです。

今年のゴールデン・ウィークは、前半3連休、3日置いて4連休という日並び。今日は明日からの4連休を控えた解放感を抱きながら亀戸天神裏の天神湯へ。数年前に訪れた時は、たまたま変更された定休日に当たって、入ることが出来なかった。そのうちに、定休日が月・水・土と3日に増え、営業時間も21:00までと短くなり、気になっていた。

亀戸天神では「藤祭り」で、見頃の藤棚がライトアップされている。そこを抜けると、天神様の裏手にあたる”天神裏”。天神裏というのは、昔から悪場所の代名詞のようなものだ。

ここ亀戸にも旧花街と、そのさらに後方に”遊園地”と名付けられた赤線地帯が広がっていた。同湯は旧検番の斜め向かい。花街と赤線を分けていた通りに面する。

戦前からの銭湯らしい。昭和24年に現在の経営者一族が引き継ぎ、赤線が廃止された10年後の昭和43年に現在の建物に改築されている。

ファッサードは、円弧に近いむくり破風が2つ重なる。さらに平入りの脱衣所棟の左右の破風もむくり破風。都合三方が、特徴的な円弧に近いむくり破風という、伝統的木造銭湯ながら希有なデザインになっている。コンクリ煙突は、先の方1/3くらいが細いパイプに替わっている。

のれんを潜れば、正面に差し入れる方式の傘ロッカー、左右には松竹錠の下足箱。昨日は定休日。夕飯を終えた時間で客の出入りは多い。そして、ご常連がみな一様に傘ロッカーの張り紙をしげしげと眺めて行く。もしや、廃業の告知か・・・。ドキッとしたけど、連休中の休業日のお知らせだった。休みの日を気にしなければいけないほど休業日が多いのだろう。

番台への扉を開ければ、高さが無く極端に視界を遮った番台に細面の女将さんが詰めている。相方が2人の湯銭を払い、小生はスタンプ帳を差し出す。看板にサウナの表示は残っているものの、サウナ室の扉は縄で縛られている。

脱衣所の広さは、幅3間強、奥行3間ほど。元々は格天井だったんだろうけど、アールの部分は直線的な材で塞がれ、天井は長方形が並ぶ感じで、木目プリントの新建材が張られている。

ロッカーの配置が変わっている。片側だけの島ロッカーをL字型に置き、番台に向かったL字の開いた部分にテーブルと椅子を配している。島ロッカーをパーティションのように使っている。ロッカーは松竹シリンダー式のもの。島ロッカーの他に、入口方の壁にもある。

その他に、旧型マッサージ機、Hokutowのアナログ体重計。ガラス戸の外には小さな庭があり、これから咲かんとする紫陽花と楓などが無造作に伸びている。

浴室の広さは、幅3間強、奥行4間ほど。天井は木板にペンキ塗りの2段型。島カランは2列で、カラン数はセンターから6・6・6・6・3・0。床のタイルは、微かに青みがかった灰白色の星形模様のもの。

浴槽は、奥壁に沿って3槽。外側から冷却された水枕付き寝湯(非稼働)×2で43度。次に、焚出し口だけがあるシンプルな主浴槽42.5度。さらに、特段の仕掛けがない深槽で44度強。案外に熱い湯のラインナップ。誰も入っていない深槽に入ってみると、ちょっと入っただけで全身がピンク色になり足の甲がヒリヒリする。久し振りに、身体に差し障りがあるほどの高温の風呂だ。。。

ビジュアルは、奥壁に中島さんの手による、石川県珠洲市の軍艦島と通称される見附島。平成19年のものらしく、色褪せが目立って、少々平板な絵になってしまっている。中島さんは珠洲市の観光大使に就いている。ただ、兄弟子の丸山さんの軍艦島の方が、堂々としていて、小生は好きかな。

マップにある週休3日から、水・土が定休の週休2日に、営業日が1日増えていた。しかし、変則的な休業もあるのかな、冷蔵庫の飲料の品揃えは寂しかった。

金曜日の19:15から20:00に滞在。相客は10人ほど。天神裏の歴史ある旧花街と”遊園地”と呼ばれた旧赤線地帯の銭湯。15:30から21:00と営業時間は短い。気になっていた銭湯だけど、週休2日へと少し回復していた。客の多さからして、無くなっては困るということを銭湯側もよく分かっているんだろう。

上がりの一杯は、亀戸駅前の飲食店ビルの4階に入る「おごじょ家」。3階の魚系居酒屋をパスして入った釜飯を売りにしている居酒屋。しかし、パスした3階の居酒屋と同系列のどう見ても魚系の「魚家グループ」という会社だった。焼鳥を食べに入ったのに、お通しとして立派なアジの開きが2つ出てきて驚いた。驚きはしたけど、あまり嬉しくはなかったかな。締めの塩炊きの鳥釜飯も凡庸な味だった。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp  
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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                    煙突の右に東京スカイツリーの先端部が顔を出している。この道の奥が”遊園地”。




                                亀戸天神藤まつり



                             
                      花街の旧検番。道の左手が花街、右手が”遊園地”だった。





                          ”遊園地”エリアに残る往時の建物









            灯りが点いていない料亭の建物とともに、規模を縮小した料亭の末裔が残る。
            暖簾には”贔屓より”の文字があった。




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