差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2003年9月28日日曜日 10:28
宛先: 銭湯ML
件名: [sento-freak:04403] 天神湯(横浜市磯子区)

ナカムラです。

今日(9/27)は、横浜市磯子区岡村の「天神湯」に行って来ました。
保土ヶ谷から磯子行きの市営バスで20分。バス停から2分程度です。
この市営バス9系統は、横浜駅始発で、保土ヶ谷(JR)、井土ヶ谷(京急)、弘明寺(市営地下鉄)と要所で鉄道とアクセスしています。

さて、天神湯、築50年の旧来型銭湯なんだけど、かなり変った改装をしていて独特。
評価が分かれる銭湯かもしれないけど、がかなり、居心地は良かった。

外観は、壁を除き、よくある銭湯屋根に使われている赤ペンキ色を基調としている。
屋根、柱、煙突(土管を積み上げた油井型)も・・・。
壁も白ではなく、ややベンガラ色で、落ち着きさを保っている。
こんな色の建物、吹屋(岡山県成羽町)に多かったな・・・。

入口は、旧来の入口にエントランスホール的なものを増築している。
しかし、入口、下足箱、奥(元)の入口両脇のタイル。それらはそのままの位置に残されている。
まさに、フロントを設置するためではなく(この銭湯は番台)、エントランスホールの増築。

小さなエントランスホールで靴を脱ぎ、下足箱へ、天神湯という屋号が塗料で書かれた「末広錠」。扇のマークが彫られている。
見たことも聞いたこともないブランド・・・。

番台の裏側の部分には、屋号を記した宝船だったかな。鈴栄堂・章仙の銘がはいったタイル絵。
その前に鉢植えの花がしつらえられて、小奇麗。

戸を開けるとカーテン。カーテンを掻き分けて、番台(新建材が貼ってああるやつ)。高さはそれなりに高い方かな。
番台の後ろには「花には水を/人には愛を/生活には夢を」という額が飾ってあった。

中型の銭湯。天井は折上格天井。窓枠を含めて、木の部分はよく手入れがなされていて、ニスで茶色が光っている。
庭を潰して、番台後方にまで、脱衣所を増築している。
壁面ロッカーと島ロッカー。それに、木製の食卓みたいな机と椅子が置かれ、新聞が載っていた。

変っているのは窓。浴室の窓もそうだけど、ステンドグラス風のシールが貼ってある。
普通なら、悪趣味になる所だけど、不思議とこの脱衣所の空間にマッチしている。
そう、明治天皇と戦艦とか、何枚か戦争画のレプリカがかかっていた。何で、今さら戦争画・・・。

浴室も変っている。
ステンドグラス風窓、蛍光灯はボール型、窓の外のタキロン板に蛍光灯がつけられ間接照明としていたり、
また、奥は電球的な照明や、色付きの電灯を用いたり、落ち着いた空間を演出している。夜はどんな感じになるんだろう・・・。

浴槽はセンターの壁に平行して白湯・薬湯・白湯と3槽が縦長に並んでいる。浴槽の周りには自然石を置いて岩風呂風としている。
昔は天然温泉だったけど、現在はパイプが詰まって汲み上げられず、温泉ではないとのこと。《愕然・・・。》

カランは壁側に13.正面奥に3.小さな島カラン(3・3)が、縦に3つ並んでいる。
桶は黄色の無地。椅子は緑椅子。

一部の天井にタイルを貼ったりして重さが増しているからだと思うけど、装飾を施した柱(つっかえ棒)が洗い場に3本、センターの壁に1本降りている。
一部カランが使えなくなっているなど、後から補強として付けたのかな。

そんな雰囲気に合わせたのか、タイル絵は外国の水辺の風景(よこ41枚×タテ5枚)と7人の女性が水蓮が浮かぶ湖で舟遊びの図(よこ14枚×タテ5枚)。
女性の図の紺色の色合いがなかなかいい。
このタイル絵は、モザイクタイルではなく、旧来様式の絵師によるタイル絵。
今でも、旧来型のタイル絵って、制作されているのかな・・・?。(珍しい?)

無料のスチームサウナもある。
入口扉が2枚。エントランスといい、サウナの入口といい、寒い地方でもないのに、2重扉が好きな銭湯。

ドリンクは、脱衣所の増築部分に、自販機のみ。牛乳の類はなかった。

日曜日の夕方。混んでいるという程ではないけど、入れ替わりで客が入ってくる。
旧来型銭湯に、かなり変ったアレンジを施している銭湯だけど、居心地は良かった。