差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2015年4月5日日曜日 22:50
宛先: 銭湯ＭＬ (sento-freak@freeml.com)
件名: 東宝湯（新宿区新宿）
ナカムラです。
今日（12/27）は、「東宝湯（新宿区新宿7丁目）」に行ってきました。 東新宿駅（都営大江戸線・東京メトロ副都心線）から、0.5キロ、5分くらいです。新宿駅からも 1.3キロほどさほど遠くはない。
今年は金曜日だった昨日26日に仕事納めをした人も多い。新宿のデパートに正月の食材を仕入れに 出掛けたけど、正月準備の人で混雑している。
蒲鉾が好物。この季節様々な商品が出回るので楽しい一方で、普段使いの手頃な蒲鉾が見あたらな いことに毎年疑問を感じる。幾つかの正月食材や菓子を買い求め、さらにクライマックスが歌舞伎 のように美しい、高倉健、池部良の主演映画「昭和残侠伝」などのDVDを借りた後、新宿駅から徒 歩1キロ余りの抜け弁天（厳島神社）に向かった。
同湯は新宿から来ると「職安通り」を東の都心側へ進み「東新宿駅（大江戸線、副都心線）」のある 「山手通り（環状6号線）」の交差点を渡って少し進んだ辺りにある。
東京の人でも「東新宿駅」や「新宿7丁目」と聞いて、どの辺りか捉え辛いのではないだろうか。 大きく言えば新宿駅の北東。昭和53年までの「東大久保1丁目」、「2丁目」という方が分かりやす い。そして、昔からの「下町」と「山の手」の境にあたる場所だ。
付近一帯は戦災がひどかった所で、焼け跡が広がる昭和22年の航空写真から、同湯の有無を読みと ることは出来ない。しかし、昭和38年の写真では、大きな伝統的木造銭湯の姿をはっきりと見るこ とが出来る。
訪れると、抜け弁天から新宿方面に下る江戸時代に開かれた「久左右衛門坂」の途中の、大きな坂 本マンションの裏口に居候のように入る小さな銭湯だった。元々は表側の久左右衛門坂側に入口が あった瓦屋根の大型銭湯だったようだ。
マンションの裏手に回ると、現在の同湯入口にも”山の手”と”下町”を繋ぐ階段状の急坂があっ て、坂をも含む同湯の風景は、風情と郷愁に満ちていた。
自動ドアある建物の庇に、申し訳程度に暖簾が掛けられている。中に入れば畳一畳大のたたきとニ ス塗りの板の間の上がりかまち。正面にフロント。両サイドには木札を横差しで使う松竹錠の下足 箱が向かい合わせになっている。
下足札と引き替えに好きなロッカーの鍵と箱から上・中・下段好みのロッカーの鍵を選ぶことが出 来る。小生の背中には正月食材等があるので、それを見たおばちゃんが、2つある大きな縦長のロ ッカーキーを渡してくれた。
脱衣所の広さは、幅3間半、奥行3間。天井は高さ2間強で白の石膏ボード張り。内装は白で照明 は明るい。入口方壁には2つある片方のコインランドリーに通じる簾が下がるドアがある。坂の斜 面側は半地下に近く、夏は外気を取り入れる重要な役割なのだろう。
男女境のテレビからは年末のニュースが流れ、普段と変わらないだろう空間に師走の雰囲気を感じ させている。
島ロッカーは無く、ロッカーは外壁側と、男女境の下に松竹錠シリンダー式のものがある。その他、 Hokutowのアナログ体重計、新型マッサージ機、籐敷きの幅広の縁台が置かれている。
浴室の広さは、幅3間半、奥行3間。天井は高さ2間のプラ板張り。小ぢんまりした中小型の銭湯。 天井などには計8本の蛍光管が点り白を基調とした内装タイルと呼応して明るい。快適な優れた銭 湯だと直感する。
島カランは2列で、カラン数はセンターから6・4・4・3・0・2。床のタイルはユリ模様の白とグレ ーのものが井桁状に張られている。カランはあまり見かけない砲筒型のもの。
浴槽は幅広い奥壁に沿って、40度位のバイブラの温湯槽と、1穴スーパージェット、ボディマッサ ージ、バイブラをラインナップする42度強の”じっこう湯”の主浴槽。いずれも浅く、深槽はない。
ビジュアルはないものの、そこそこ相客も多く、湯気が濛々、いかにもマイナスイオンを身体に取 り込めそうなのがいい。
師走も押し迫った土曜日の18:40から19:30に滞在。相方と示し合わせた上がりの時間に遅れるこ とはほぼ無いけど、珍しく遅れた。小ぢんまりした明るく清潔な銭湯は居心地が良く、秀逸なロケ ーションと相俟ってかなり満足度の高い銭湯だった。
帰りに相方が見つけた「一本堂」という食パン専門店で定番品を一斤買い求める。聞けば、大阪か ら今年東京に進出して、既に10店舗ほどに拡大している店の1号店。大阪は昔から朝食のパン食化 が進んでいて、安くて美味しい食パンを武器に東京に乗り込んで来たという。パン屋というよりは 眼光鋭いビジネスマンという感じの方が説明してくれた。一斤250円。風味豊かで甘くない美味し い食パンで気に入った。
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ナカムラ （Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com（風呂屋の煙突）
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久左右衛門坂
