常盤湯（船橋市本町）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2008年10月5日日曜日 20:21
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 常盤湯（船橋市本町）

ナカムラです。

今日（10/4）は、「常盤湯（船橋市本町）」に行ってきました。船橋駅（JR総武線線）から、0.9キロ、10分くらいです。

黒湯オーソリティのぐっちゃんをはじめ、各方面から、船橋・常盤湯の黒湯温泉はただもの物ではないとの評判が聞こえてくる。最近、週休３日になってしまったということもあって気になっていた。

先ずは、船橋遊廓跡を再訪。見事な妓楼建築は空家にはなっているものの健在だった。そして、紅梅湯、多丸湯、湊湯、松の湯と銭湯のつなぎ歩き。昭和３１か３２年の建築と言っていた多丸湯のレトロな外観が良かった。また、船溜まりの傍らという湊湯のロケーション、常盤湯と１００メートルも離れていない外観がボロボロの松の湯も気になった。

さて、本町の常盤湯。本町というくらいだから昔は栄えていたんだろう。歴史ありそうな商店がならぶ通りの中心にある。三代目というご主人に伺えば、大正７、８年の創業で、建物は当時のものを、手を入れながら使っている。船橋市１９軒の銭湯の中で、最も長い歴史を有している。

町屋風の２階が載って、後方にはコンクリの煙突が見える。小さいながらも表に直方体のフロントスペースが増築されているのは、フロント式への改装の定石通り。向って左側に暖簾が掛かり、入れば小さな靴脱ぎスペースと旧型「さくら」錠の下足箱が並んでいる。

中に進むとテレビ、冷蔵庫、ソファが並ぶ休憩スペースと小さなカウンターがある。テレビも１４型だし、すべてがコンパクトな中に収まっている感じだ。

脱衣所の広さは３間四方。天井は平格天井ながら２階が載っているのでさほどの高さはない。旧型の天井扇があって、３枚羽根の回転が見えるくらい、スローに回っている。こんな間近な天井扇は初めてだ。籐敷きの万能台で新聞を読みながら入浴前の一休み。いい風が降りてくる。

ロッカーは外壁側と入口方の壁側にあって、ＳａｋｕｒａⅡ錠の鍵がアルミの板のもの。そのほか、フジの旧型マッサージ機、ヘルスメーターなどが置いてある。ドアで仕切られているものの２階への階段が男湯側にある。

常連の桶がそここに並んでいる。「人のシャンプー、石けんは持って行かないで下さい」と当たり前の張り紙があったりする。都心から遠くない漁師町の銭湯。でも、少し咽んでしまうような、そんな郷愁が同湯にはある。黒湯に入る前に、すでに感情が昂ぶってしまった。

浴室は幅３間、奥行４間ほど。島カランは１列。外観からしてもう少し小さな銭湯をイメージしていたけど、中小型の銭湯ではない。天井は２段型。ペンキ塗りの板張り天井。歴史を感じさせるものだ。構造が少し変わっていて、ウィングの幅が男女でかなり異なっている。男湯側は２間強あって、女湯は１間ほどか。そのため高天井部分が男女境よりもかなり女湯側に寄っている。大黒柱も女湯側にある。

浴槽は深浅２槽。浅槽に６点座ジェット×２、２点ジェット×２。深槽は気泡すら立ち上っていないシンプル浴槽。そして両方の浴槽には名高い黒湯が満たされている。

麦茶程度の黒湯。黒色度は高くない。しかし、強烈な浴感がある。肌はすべすべ、多少の粘性を持つ湯だ。黒湯独特の香りはなく極浅い硫黄臭がある。そして天然の超軟水のようだ。石鹸の泡立ちが格段に違う。評判に違わぬ、特徴と凄さ。この黒湯が、浴槽だけでなく、カラン、シャワーとすべてに使われている。

ビジュアルも手抜かりはなく、奥壁には丸山師の野尻湖（16.4.27）。男女境に、湖・洋館・高嶺のモザイクタイル絵がある。

土曜日の17：15から18：15に滞在。相客は３人。うち二人は漁業関係者だった。魚価の話やら、アサリ、イワシの話など世話話とは違った、真剣な情報交換が行われていた。ひと網９０トンがどれくらいの規模感かは分からないけど、一番儲かるというイワシが豊漁のようだ。

上がりは、「金麦（発泡酒）」１５０円で喉を潤した後、去年稲荷湯に入りに来た時に気になっていた、飲み屋が集積する小路「仲通り」へ。

一軒目は、船橋港で上がった地物だけを供する「三番瀬」。菊水、出羽桜に、すずきの刺身をぽん酢に紅葉おろしとあさつきで頂く。鯵の開きを頼んだら、大きいからとイワシを勧められた。塩を振って「ちょっと汗かかせて」から焼いたもののようだ。臭みの多いイワシはそれほど好きではない。しかし、イワシの見方が大きく変わる美味しさだった。新鮮この上ないからだろう。丸ごと齧る中型のイワシ。こんなにも美味しいものだとは・・・。

今日は漁がないから魚の種類が少ないと話していた。平日はもっと凄い物が食べられるのか・・・。 3400円ほど。総合力はともかくとして、明らかに大船・観音食堂の上を行っている。恐るべし船橋。

軽く飲んで２軒目と思ったが、既に十分に飲んでしまっている。しかし、この前から気になっている大衆居酒屋「一平」へ。つまみは２００円から。生レモンサワー、煮込みに豆腐をオプション、ちくわ揚げで1060円。お上品さとは対極の店だけど、客層はバラエティーに富んでいる。各層に支持されている証だろう。いい居酒屋だった。

今週は少し飲み過ぎました。
少し、節制しないと。。。
来週は人間ドック。あぁ。

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湊湯	多丸湯
湊湯	松の湯
玉川
「美松」の一軒奥が「三番瀬」	「一平」