差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年5月2日日曜日 22:03
宛先: 銭湯ML
件名: 富の湯(横須賀市三春町)

ナカムラです。

今日(5/1)は、「富の湯(横須賀市三春町)」に行ってきました。
堀ノ内駅(京浜急行)から0.2キロ、3分程度です。

同湯の前に、「宮本温泉(大津駅)」と「松の湯(馬堀海岸駅)」を回ってきました。

宮本温泉は、モルタルのファッサードに、家紋、オリジナル暖簾の銭湯。人参実母散の露天風呂やサウナもあるようだった。

松の湯は、最近、建物が建て替えられた感じだった。同じ建物の1階の隣に飲み屋を併設。2回は住宅。銭湯部分はかなり小規模な印象。建物は新しいけど入口脇に立派な掛り松。屋号の関係から丁寧に維持されている。

松の木と同様、煙突も年季が入ったもの。その傍らで高齢の老人が廃材を割っていた。いつ建て替えたのか、老人に尋ねたが「わからない」と。高齢で既に回答能力がないようだった。

松の湯が、今日の第1候補だった。しかし、鄙びたイメージと変ってしまっていたのでパス。事前に電話をかけた時に休みを尋ねたら、女性の声で「うちは休みはないの」との答えだった。月3回程度の「不定休」というのは多いけど、休まないというのも珍しい。

さて、「富の湯」。三春町は小泉首相の実家がある町。近く春日神社の玉垣の、それもいい位置に、「小泉純也」と首相の父名があった。隣は村瀬某、恐らく横須賀の米穀商の村瀬だと思う。駅から同湯の間に「村瀬」の表札を掲げた豪邸もあった。

煙突は、油井型の銀色のもの。正面は青みがかったグレーのトタンというチープないでたち。青のアクリル板で「富」「乃」「湯」と書いてある。

エントランスなんぞはなく、男女別々にかかる銭湯浪漫の暖簾をくぐると、直ぐコンクリの三和土があって脱衣所。番台の親爺に400円払って、室内反対側の下足箱(おしどり錠)に靴を入れる。典型的な小銭湯の構造。三和土に立つ番台は、全面がカーブした番台で、模様がないグレーの合板が張られている。入口に向かって、大きな招き猫が飾られている。

脱衣所の広さは幅3間、奥行3間。天井は低く、浴室の天井に張るようなプラ板が張ってある。床はビニールのタイルカーペット。やや、風情に欠ける。

ロッカーは、外壁側と男女境の鏡の下にある。錠はおしどりの板鍵でロータリー式の古いもの。ロッカーの扉が、2段ずつ赤・白・青に塗り分けられている。下足箱ではよく見るけど、脱衣ロッカーでは初めての遭遇かも知れない。その他、マッサージ機、ヤマトのアナログ体重計、冷蔵庫、テーブルにベンチ、家庭用扇風機が2台といったものがある。

浴室は3間四方。天井は2段型で、ウィング部は幅1間、全体的に直線で構成されている。薄いブルーのプラ板が張られていて、多少味気ない。照明は、男女境と外壁側に蛍光灯がある他、脱衣所側の上に大きな透明のガラス球の中に水銀灯が入っているものが据えられている。

島カランは1列で、カラン数は5・4・4・2と少ない。カランは角型の日の丸扇に茶色の取っ手(8角形)のもの。すべてにシャワーがついている。新しい感じのシャワーだけど、シャワー口が円錐形、管が曲線を描く旧来型だった。タイルは、新しいものに改修されている。床が3センチ角のグレーのもの。

浴槽は1槽。外壁側の方が全面に大きく張り出している。だから、外壁側のカランが2つと少ない。1槽をパイプで仕切って、外壁側が2穴ジェット、センター側がバイブラバスになっている。焚き出し口には小さいながらも岩を配している。湯は薄い黄色をしていて、灯油のような匂いのする経験のない入浴剤だった。

ビジュアルは、男女境と浴槽上にモザイクタイル絵。浴槽上が池に鯉、男女境が洋館、湖、白鳥、舟という図柄のもの。恐らく、以前はペンキ絵があった場所には、ベージュ色の建材が張られていた。

同湯の場所は以前から銭湯で、先代が経営を引き継いでこの建物を建ててからも50年。以前は100メートル先が、砂浜の海岸で、海パンのまま泳ぎに行ったと。

大型連休中の土曜日の17:15から18:00。相客は5人でいずれも顔見知りのようで、世間話をしていた。付近のいろんな銭湯の名前が出てきたけど、地元でもない人間がすべて理解できてしまうのは!?

帰りは、夕刻の旧カフェー街の安浦の町を抜けて、県立大学前まで歩いた。相変わらず、安浦の日の出湯はいい味を出している。県立大学前駅の松の湯は新しいビル銭。もう何回も前を通っているけど、訪れるのはまだ先になりそう・・・。

そう、この4月に「京急安浦駅」から「県立大学前」に駅名が改称された。昭和62年に東武が「玉の井」が「東向島」に改称したように、旧遊郭のイメージを払拭するためと思われる。安浦の町は、建て替えが進み既に普通の住宅地に戻っている感じがするけど、イメージは消えないのかも知れない。横須賀は感じたことはないけど、かなり閉鎖的な土地柄と聞く。









旧カフェー街 安浦


旧カフェー街 安浦