差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年5月16日日曜日 22:51
宛先: 銭湯ML
件名: 豊島館(横浜市港南区上大岡)

ナカムラです。

今日は、「豊島館(横浜市港南区上大岡)」に行ってきました。
上大岡駅(京浜急行・横浜市営地下鉄)から0.3キロ。3分程度です。

京急が悲願のデパート進出を果たしたり、最近、駅前の再開発が完成したりと、横浜の副都心といった感じの町です。
しかし、一歩露地に入ると、横浜の下町の風情が色濃く残る町でもあります。

付近には3軒の銭湯。
桜湯(上大岡西)は赤ペンキ屋根の黒湯温泉。
第二大見湯(大久保)も伝統型の銭湯だった。
今日は、付近の銭湯を一通り眺めて、雨なので、駅に一番近い豊島館に決めた。

裏から眺めると、くすんだモルタル造の浴室棟に、やや太めの油井型の灰色の煙突。渋い・・・。
しかし、表を見ると茶色のタイルが一面に貼られた長方形のファッサード。
一瞬、ビル銭湯のように見える。

脇に「サウナ豊島」の看板と2階へ上がる外階段。
恐らく、伝統型銭湯の脱衣所の2階にサウナを増築した模様。
2階のサウナは1500円との表示があった。

同湯の入口は、箱型のエントランスに男女別々の暖簾がかかっている方式。
縦ロッカー式の傘入れはさくら錠。男女共通の下足箱にはSakuraG錠。
エントランスの天井は、かなりくたびれた格天井になっている。
表のタイル張りの外装から受ける印象と違って古い建物のようだ。

自動ドアを通り、更に暖簾をくぐると、フロント?。いや、フロントのような番台。
脱衣所と浴室を睨む構造なので番台なんだろうけど、高さがないことといい、天井付の閉鎖的な構造といい、フロント的な造りになっている。
女将に400円とサウナ代100円を払うと、真紅のフェイスタオルを渡される。サウナ客の目印が主な役目なのだろう。

脱衣所は幅5間、奥行3間。かなり幅広い構造。
天井はかなり煤けた白い天板が貼られている。昭和中期的な茶色のガラス笠がかかった照明器具が下がっている。

島ロッカーが2列(SakuraV)。脱衣籠も3つ積まれている。
Keihokuのアナログ体重計、「スイデン」の扇風機、ベッド型のマッサージ機なんかがある。
大黒柱に職方一同の黒い柱時計があるけど、動いていなかった。

外側の1間分は増築されていて、そこにテーブル、ソファ、乾式サウナが設置されている。
95年の石崎の奉燈祭のポスター。ここの経営者も石川県の出身なんだろう。

浴室は、幅5間、奥行3間半とこれまた、横に広い構造になっている。
天井は2段型。ペンキはそこそこくたびれている。

島カランは2列。カラン数はセンターから4・4・4・4・4・4。
カランは角型の取っ手が茶色のもの。すべてにWaguriのシャワーが付いている。
外壁側に冷温の立ちシャワーが1つ。
幅が5間もある銭湯につき、島カランと島カランの間がかなり幅が広くなっている。

浴槽は、幅3間半はあろうかという超ワイドサイズの浴槽。こんなのは初めての遭遇。
外壁側はバイブラ、センター側に座ジェット×2になっているけど、真中の静かな湯面の部分が広い広い・・・。
温度は44度くらいか。失念したけど、水の蛇口はあったかなぁ。少しの水を投入したくらいでは温度が変らない気がする。

釜場への通路を隔てて、ガラスケースの中に石造りの浴槽が設えてある。
湯は実母散の湯。温度は43度くらい。熱気浴もできてなかなか快適だった。

脱衣所に作られたサウナ。最近更新されたのか、ここは「新築」といった感じ。
10人は入れる大きさといい、テレビ有りとなかなか快適だった。水風呂がないのが残念である。

ビジュアルは、ワイドな奥壁一杯と外壁にはみ出すかたちのオリジナルの貼り絵的なモザイクタイル絵。茜空の下にベイブリッジが描かれている。
デザイン的には大味かなという感じがしないでもないけど、なかなか迫力がある。一見の価値はあると思う。

人生の行きがかりで、この町には時々足を運ぶ。
あまり期待しないで訪れた銭湯だったけど、ボロさ、昭和中期的なレトロさ、斬新なタイル絵、新しいサウナとなかなか充実してた。