差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2013年4月10日水曜日 21:54 
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 月の湯（北区西ヶ原四丁目）
ナカムラです。
今日（3/22）は、「月の湯（北区西ヶ原四丁目）」に行ってきました。 西ヶ原四丁目駅（都電荒川線）から、0.4キロ、4分くらいです。
坂道が多い西ヶ原にあって、いかにも銭湯が似合うというロケーションにある。昭和38年の航空写 真には、はっきりと伝統的木造銭湯の2段型の建物が見える。戦後派の銭湯のようだから、今の建 物は二代目だろうか、油井型の煙突を有するマンション下駄ばきの古いビル銭湯だ。
隣のお屋敷には煙突と肩を並べるほどの桜木が満開。坂道から野良猫が降りてきて、同湯の周りで 追いかけっこをしていたり、同湯の客に”にゃぁ〜”と愛嬌を振り舞いている。
暖簾を潜れば狭いエントランス。左右に松竹の下足箱が並ぶ。そのすぐ先に、番台を反対にしたよ うな、小さく狭いフロント。痩身で柔和な大将が、看板猫と詰めている。相方が二人分の湯銭900 円を渡す。
脱衣所の広さは、幅3間、奥行4間くらいと大型。天井も高く、木目調の化粧板を使った梁のよう な十字形の装飾が施されている。鈴和建設が手掛けたようで、いわゆる鈴和調だ。
島ロッカーはなく、外壁一面だけに松竹錠シリンダー式のロッカーがある。その他、テレビ、Yamato のアナログ体重計、テーブルと椅子があるくらい。
男女境の上にあるテレビでは、明日で下北沢駅などが地下化されると報じている。開いている時間 が極端に短い踏切が9カ所廃止されるものの、周辺の再開発で街の雰囲気は大きく変わるだろう。 シモキタ育ちの小生、駅周辺に様々な思い出がある”昔ながら”が消失することに一抹の寂しさを 感じる。
それにしても、この脱衣所はかなり暗い。蛍光管9本で照らす設計になっているけど、何と8本が 外されている。いくら何でも少し無謀だし、場合によっては危ないかも知れない。せめて、3本位 にして、電球色の蛍光管を使えばいい雰囲気になると思うのだけど。。。
浴室の広さは、幅3間、奥行4間。天井は脱衣所よりやや低い高さ2間、水平に近い、極々緩やか な円弧を描いている。
島カランは1列で、カラン数はセンターから6・5・2・3。大きな空間にゆったりとしたカラン配置 だ。そして、島カランの湯道具を置く部分がステンレスの棚になっているのが珍しい。
床のタイルは4枚1組で模様を構成するパール色に輝くもの。カラン周り、男女境、壁など、いず れも白い無地の中判タイルが使われている。カラン台に青いタイルが使われている程度でほとんど 装飾らしい装飾がない。
照明は、蛍光管が9本のうち3本だけが填められている。ただ、脱衣所の暗さで目が馴れたのか暗 くは感じない。殺風景と言えなくもないけど、清潔に清掃された快適で居心地がいい浴室だ。
浴槽は、奥壁に接する、手前に膨らみのある主浴槽が、実質1槽。センターから2穴縦並びのスー パージェット×1、3穴ジェット×2、バイブラ＆赤外線ランプというラインナップ。井戸水が豊富 そうな地形に違わず、やはり井戸水。重油で沸かしているけど、ピリピリした感じはしない。42度 くらいの清澄なお湯はなかなかのものだ。
折しも東京は本日、桜花が満開になった。薬湯槽には、狙い定めたようにマゼンタの色鮮やかな” 春爛漫さくらの湯”。しかも、傍らには手折った桜花が添えられている。ぬるめ天然水の水風呂と、 季節感あふれる薬湯を何往復もして、金曜日の夜を満喫！
ビジュアルは、奥壁に鈴和の十八番の”新緑の白樺林”の写真。まぁ、一切の装飾がない浴室なの でいいアクセントになっている。
上がりは、瓶入りの明治牛乳120円。最後の1本だった。
金曜日の19:35から20:25に滞在。相客は4人ほど。シンプルで清潔。良質の井戸水を沸かした清 澄なお湯も良かった。今日は内外に”さくら”があって、それも心地良さの1つに繋がったと思う。 帰路、寒くなく爽やかなのもいい。いい季節になってきた。
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ナカムラ （Masayuki Nakamura）
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp
URL: http://furoyanoentotsu.com（風呂屋の煙突）
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東京地方では、今日、桜花が満開になったと報じられた。
緩い坂道の途中の三叉路。いかにも銭湯が似合うロケーションに月の湯はある。
最寄り駅、都電荒川線、”西ヶ原四丁目”の電停
都電は、王子駅から暫くは併用軌道として明治通りに入る。
首輪を付けた野良猫。飼い猫だった時代もあって、にゃぁと話かけてきた。