差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2012年3月11日日曜日 21:39
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 鶴の湯(江戸川区北小岩)

ナカムラです。

今日(3/2)は、「鶴の湯(江戸川区北小岩)」に行ってきました。 京成小岩駅(京成本線)から、0.9キロ、10分くらいです。

京成小岩駅で降りるのは初めて。JRの小岩駅と違って住宅地の真ん中という感じ。駅前の小さなス ペースに亀戸行のバスが出発を待ち、正面には古い食品スーパーがあるだけ。チェーン店のコーヒ ー屋やファーストフード店などの明かりもない。霧雨の夜、ひと昔前の私鉄沿線の駅前風景が懐か しかった。

途中には元は茅葺きだったのではないかと思える家や納屋のある古い家などがある。昔は畑が広が っていたんだろう。道も案外と規則正しく走っている。さほど地図を眺める必要もなく同湯にたど り着いた。

豪壮で大きな銭湯だ。千鳥破風妻入りの脱衣所に、立派な鬼瓦を載せたやはり千鳥破風のエントラ ンス。それぞれが大きい。さらに、エントランス両サイドがの塀が城門のような造りで建物全体の ボリューム感を増している。

入口には前の歩道に被さるくらい波板で庇を増築し、「露天風呂」と染め抜かれた大きな暖簾が風で 揺れている。後方にはコンクリの大きな煙突のシルエットが浮かぶ。外からも人気の銭湯だという ことが分かる。寒い雨降りなのに、表には自転車が並び、客の出入りも多い。

暖簾をくぐり2段ほどの階段を昇れば広いエントランスホール。正面に傘を立てて収納するロッカ ー式の傘立て。左右にはSakura-G錠のプラスチック札の下足箱が並ぶ。

番台への自動扉を通れば木組のどっしりとした番台。左右の仕切には雲型の衝立があって荒削りの 彫刻が施されている。番台には素朴ながらも綺麗な女将さんが座っている。

脱衣所の広さは幅4間、奥行3間強。天井は、アールの部分が白く塗られた折上げ格天井。建築年 を聞いたもののよく分からなかった。昭和30年代後半か40年代初頭の建物のような感じがする。

外壁側1間ほどがオリジナルから増築になっている。ロッカーは、Sakura3錠の島ロッカーが1つ と外壁側にある。丸籠も10個ほど積まれ現役のようだ。外から「城門」に見えた塀は、実は内部に 空間がある脱衣所の増築部分。ロッカーや大型テレビが置かれている。かつては広い前栽だったの だろう。

野良猫なのか飼い猫なのか、島ロッカー横のソファに猫が寝ている。女将さんに”裏に行っておい で”とたしなめられていた。さっきは表に居た。自動ドアゆえ自在に出入りしているようだ。衛生 的に気にならくもないが。。。

その他、3ブランドのビールが一杯入った冷蔵庫、新型マッサージ機、デジタル体重計などがある。 黒時計はあるものの熊手に隠れて時は刻んでいないようだ。

島ロッカーの上には先月までの江戸川区のスタンプらりーの賞品であるゆすこいの”お湯の富士” が飾られている。景品の交換を行っている店のようだ。美大生によるデザインらしい。なかなか凝 った出来ではある。

浴室は4間四方という大きなもの。天井は木板張りの2段型。島カランは余裕を持った2列。カラ ン数はセンターから6・5・5・5・5・6。床のタイルは星形のパール色ものカラン台も小型の長方形 のパール色のものが使われて古いものは残っていない。

浴槽は奥壁に接した3槽。まずは41度くらいとぬる目の宝寿泉の薬湯。かけ湯を多めに浴びて、さ らに指先を桶のお湯で温めてから入ったものの最初は熱く感じる。中央とセンター寄りの深槽はい ずれも白湯で温度は43度くらい。後付けなのかそれぞれに金属製のボディマッサージ機が1機づつ 取り付けられている。もちろん井戸水だろう。しかし、いいお湯だけどカランのお湯を含めかすか なドブ臭が気になった。相方は気が付かなかったというから、本当に僅かなものだ。

ビジュアルは早川さんの中央に富士山を描いたペンキ絵(平成二十年四月二日)。定番の岩に波飛沫 が上がるものではなく、穏やかな海岸線とゴルフコースが描かれ、グリーン上にはピンも描かれて いる。絵柄としては珍しいものだと思う。女湯には子供向けに人参を抱っこしたウサギなどの絵が 見える。早川さんのおちゃめな絵も少なくなった。遭遇するのはかなり久し振りだ。

露天風呂は二重扉を通り浴室の傍らにある。幅は2間強で長さは浴室の奥行きと同じ4間ほど。広 いスペースに1間×2間強の石張りの大きな浴槽が堀り込まれている。横にはコンクリの煙突が吃 立。正真正銘、完全な屋外の露天風呂だ。さして明かりがないためほの暗い。最初はやっているの か疑ったくらい。

霧雨が頬にあたる寒い風が吹いている。この環境で41度の大きな露天風呂の温度を保つのは容易な ことではない。湯に浸かって、風に流れ舞う湯面の湯気を眺めていると、一瞬、自分は何処に居る のだろうかという思いにかられる。いい露天風呂だ。

霧雨が降る金曜日の21:15から22:05に滞在。相客は優に10人は超えていた。いい風呂だった。 時間が遅いのでコンビニで氷結を買って京成線で飲みながら帰館。上りの京成線ならいいだろうと 思ったけど、思いのほかきちんとしていて、車内で酒を飲んでいる小生は浮いていたかな。。。
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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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