差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年8月22日日曜日 21:51
宛先: 銭湯ML
件名: 鶴の湯(富山県魚津市緑町)

ナカムラです。

今日(8/19)は、「鶴の湯(富山県魚津市緑町)」に行ってきました。
魚津銭湯めぐりの第2湯目。魚津駅(JR北陸本線)から0.5キロ、5分くらいです。

魚津駅前には自噴井戸「うまい水」があって、「長生きしたけりゃ魚津においで うまい空気に水がある(池田弥三郎)」という碑がある。
片貝川の扇状地の湧水は無論、水道水のレベルも高い。
名水百選の選には漏れたものの、それに値するとの位置づけにあったとされる。

さて「鶴の湯」。確認できた魚津の銭湯のうち唯一の木造銭湯。
東京銭湯にアウトラインは近いけど、ずいぶん違う構造。

入口は破風造りのようだけど、その屋根の下は乗用車が4台くらい停めることができる駐車場。
入口はその奥にある。
脱衣所棟も破風屋根なんだけど2階建て、明らかに東京銭湯とは構造が違う。

暖簾のない入口を入ると、日本画のジグソーパズルが掛かっている。
富士山の図で絵としてはいいんだけど、こんなのは初めてだな。
その上に招き猫と福助の置物。
その間に屋号の由来の鶴が太陽と波と一緒に板に描いた額が掛かっている。
ピンク電話を見るのも久し振り。

下足箱はツルカメ。
番台がデカイ。高さは普通なんだけど長さが普通の番台の2倍はある。
テレビ、監視モニター2・3台、大型オーディオアンプ等の装置に囲まれている。
番台というより、「コントロールセンター」といった感じ。

脱衣所の広さは、幅2間半、奥行3間半くらい。
外壁側の一部が外へ増築してあって「折鶴」錠のロッカーがある。
天井の高さは1間半でクロス張りになっている。

男女境の上に魚津の風物が透明なアクリル板に白で描かれている。
貼ってある平成4年の新聞記事によれば、当時の価格で30万円、電飾で綺麗に輝くとある。
今は壊れたのか電気は点いていない。

浴室が凄い。東京ではあまり見ないタイプ。
幅は2間半、奥行3間半、天井は逆V字型で高くはない。
別にどおってことはない空間・・・。

島カランは1列で、カラン数はセンターから7(&水飲み)・3・3・4と普通。
島カランは日の丸扇の角型でステンレスの取っ手。それ以外は角型でピンクとブルーの取っ手。

しかし、男女境はデカイ鶴の装飾が2つ。
それ以外の部分も白と黒で派手な意匠になっている。
外壁側も窓がアーチで上部にステンドグラス。入口上部にもステンドグラス。
照明も昔商店街にあったような笠付の水銀灯がドンとあって、外壁側には電球色のレトロな照明器が3つ並んでいる。
なんか、コテコテ。

風呂がまたコテコテ。
構造的に深浅2槽。浅槽がバイブラ。深槽が2穴ジェット×2。
双方ともに赤御影石の風呂で縁から湯がザブザブとオーバーフローしている。
その下にそれを受ける部分があるので循環させているんだろうけど、旧来型の銭湯でこの構造はお目にかかったことがない。

それとビジュアルが凄い。
湯船の奥に半間ほどのスペースがあって、そこに大きな石灯篭、ロダンの「考える人」、石造りの民家、蛙などがぎっしり並んでいる。
ロダンの台座には、ご丁寧に「身体ほぐして考える人」と彫り込まれている。
正面には「銭湯は人と人とのふれ愛 銭湯は言葉と心のふれ愛なん也 主人」と黒御影石に彫り込まれている。

ここも乾湿サウナが無料。
12個のノズルがあるボディシャワーがあったりと、350円、普通のスペースにコテコテのてんこ盛り。

魚津で唯一巡り会えた木造銭湯は、鄙びた雰囲気とは対極にある銭湯だった。
湯質ももちろんいいんだろうけど、余りに激しく循環しているので良く判らなかった。