差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2004年5月5日水曜日 14:54
宛先: 銭湯ML
件名: 鶴の湯(渋谷区千駄ヶ谷)

ナカムラです。

今日(5/4)は、「鶴の湯(渋谷区千駄ヶ谷)」に行ってきました。

大学時代の同窓から17:30新宿駅集合という召集が・・・。
とりあえず、レトロ系の銭湯(昭和24年築)で一風呂浴びてということで、鶴の湯へ。

千駄ヶ谷駅(JR総武線緩行)から、0.5キロ、5分くらいです。
近くには鳩森神社(富士塚や能舞台がある)、国立能楽堂があります。

同湯の入口は千鳥破風の黒瓦。
屋号を記した紺地のオリジナル暖簾。やはり紺地のオリジナル暖簾は伝統的銭湯に似合う。
脱衣所棟も黒瓦。屋根の名称はわからないが、単なる切妻ではなく、立体的で風格がある。
妻面には赤で温泉マークが描かれている。こんな都心に、なかなかのレトロ銭湯だ。

コンクリの煙突はブルーがかった白色に塗られている。
先を削ったのかな、やや不自然に長さが短かい。
エントランスは、小さい盤目の格天井。下足箱の錠は松竹錠。

暖簾の前で、茶髪を濡らした若い娘が携帯で電話している。
そういう中で、風呂道具を抱えた、これまた茶髪若い娘が入って行く。
あまり見ない光景だな・・・。

番台への戸は、茶色のアルミサッシの半自動ドア。
番台の女将は、江戸っ子という感じの佇まい。応答もハキハキしている。
番台は、全面がカーブしている昭和中期的な新建材が貼られたもの。

一見して木製のオリジナルにこだわっている銭湯と感じる。
脱衣所の広さは3間四方。天井は折り上げ格天井。しかし、折り上げ部は漆喰で埋められている。
天井からは、3枚羽根の扇風機が下がっている。3枚羽根の天井扇風機としては新しいタイプのよう。

窓枠、外壁側の庭へ通じるガラス戸、塀も茶色に塗られた木製。
木製のオリジナルの建具が丁寧に維持されている。
鍵も真鍮の棒を差し込んでねじるもの。昔はどのの家にもあったけど、サッシになって消えていった。

大黒柱には、「式田工務店一同」とある黒い柱時計が、今の時間を指しながら振り子を揺らしている。
外壁と板塀の間の庭には、池があり、そこそこ緑もある。やはり緑がある庭はいい。

島ロッカー(20個)が縦置きに2つ。入口側にも36個のロッカー。
錠は松竹の板鍵、シリンダ錠(埋め込み)、シリンダ錠(外付け)とマチマチ。

その他、マッサージ機、表にコインランドリーが併設されているが洗濯機2台、HOKUTOWのアナログ体重計、あまり見なくなった横型の冷蔵庫などがある。

浴室は、幅3間、奥行4間。
天井は2段型で、高い部分が大きい体育館型。白いペンキが丁寧に塗られている。

タイルは改修されていて、清掃は行き届いている。
大黒柱、梁、柱は白木。丁寧にメンテナンスが施されていることが窺われる。

島カランは1列、三角の鏡が付いている。センターからカラン数は、5・5・5・6。センターに立ちシャワーが1つ。
角型のカランの製造者は判らなかったが、ピカピカに磨かれていて気持ちが良かった。
両サイドのみシャワーが付いている。

浴槽は深浅槽。深槽は全く何もなく、底まで見渡せる。温度は44度くらい。
浅槽は2点ジェット×2、バイブラバス&緑ランプ。温度は43度くらい。

ビジュアルは丸山師の富士山、その前に川が流れている。
昔、広告が置かれていた場所にまで、ペンキ絵が伸びている。
男女境にはモザイクタイル絵。

湯上がりに、年配者が牛乳2本を買って、庭に出て奥へ歩いていった。
空の牛乳瓶を持って、すぐ帰ってきた。
この銭湯で飼われている2匹へのおやつのようだ。
板塀との間にそんなのどかな空間がある。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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