差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2009年5月17日日曜日 14:51
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 梅の湯(青森県八戸市小中野)

ナカムラです。

今日(5/4)は、「梅の湯(青森県八戸市小中野)」に行ってきました。 小中野駅(八戸線)から、0.2キロ、3分くらいです。

大湊線の野辺地駅行の2両編成のディーゼルカーは、連休の観光客が多く座ることができなか った。運転台の横に立って、単線の線路の風景が流れて行くのを眺めていた。海が見えたり、 風車が立ち並ぶ風力発電所の脇を通ったりと、車窓の風景は案外に変化に富んでいる。

降りた北野辺地駅は野辺地駅1つ手前の小さな無人駅。駅舎は趣きに欠けるものだったけど、 老木からの新緑とスイセンの黄色い花が咲き広がる。透明な色彩に富んだいい風景があった。

野辺地の市街は、漁港に近いこの北野辺地駅から野辺地駅までの間に縦長に位置する。そして、 2軒の銭湯と野辺地遊廓跡がある。銭湯は地図上にその位置をプロットして来た。遊廓は出発 前に位置を特定できなかった。

とりあえず腹ごしらえ。近くのスーパーでサンドイッチとコーヒーを調達してパクつく。する と、軽トラを運転する超が付く年輩者が通る。地元の方かを確認し、趣旨を説明して、遊廓の あった場所を聞く。「金沢山口屋」だけが手がかりだったけど、漁港から県道につながる道がそ れだったと教えてもらう。横浜から来たことを告げると、「かなりのスキモノ」と呆れられる。

金沢町。この地名を探していたけど、現在は変わってしまったのだと諦めていた。しかし、ス ーパーは「金沢店」だったし、現在も使われている地名のようだ。

気候が厳しい土地ゆえ、木造建物の寿命は短い。あまり期待はしていなかったけど、2軒のそ れも大きな妓楼風の建物が残っている。大萬旅館(旧大萬楼)という廃業旅館の建物は2階に 舞台を思わせる洋風のバルコニーが張り出す見事な建物だった。

付近の方に聞けば、外見以上に内部もまたすばらしいらしい。地元の人は「見せてもらえば」 というけど、真に受けて行っても、見知らぬ他人を家に上げるかというと難しい。もう一軒も 大楼でオリジナル度が高いもの。玄関に置かれた衝立や、内部の階段の造りなど、ただの旅館 のものではない。

ひとしきり野辺地の遊廓跡を徘徊した後は、2軒の銭湯の探索に移る。ただ、青森市、八戸市、 野辺地町などの伝統的銭湯は、律儀に、一斉に、月曜日に店を休む。そして今日は生憎の月曜 日・・・。たとえ落涙物のイニシエ銭湯に出会っても、入ることはできない。。。

そんな諦めの気持ちを持ちながら、「若葉温泉」、「雁乃湯」と回る。幸か不幸か、外観を眺める だけでこと足りる、新しい感じの銭湯建物だった。

今日の宿泊地は、八戸の大遊廓跡の「新むつ旅館(旧新陸奥楼)」。明治時代の妓楼をそのまま 引き継いだ旅館だ。遊客名簿など和紙に綴られた貴重な史料を手に取って閲覧することが可能。 貴重な旅館だ。

さて、前置きが長々になったけど、いざ銭湯・・・。 やはり、ここ小中野もレトロ系は定休日。からくも店を開けている「梅の湯」という銭湯に向 かう。

表は3階建ての建物で、その後方に三角屋根の大きな浴舎が連なっている。脇には20台は優 に駐車可能な駐車場がある。屋号は古めかしいものの、その出で立ちはスーパー銭湯系列と言 っていい。

ただ、スーパー銭湯にはない紺地に屋号を染め抜いた暖簾が架かる。自動ドアじゃないっての もフェイントだ。入れば、小生にとってはレアな大日之出錠の下足箱。入浴料420円也は自 販機で払う。本当に、伝統的銭湯とスー銭の中間をまったりと行っている。。。

フロントは潤いがある感じじゃないけど、それなりに広く、アイスや飲料の販売が充実。しか し、駐車場併設銭湯の常としてビールの販売は自粛しているようだった。

脱衣所は2間半四方で、2階が乗っているので天井も高くない。床も塩ビのシートで潤いに欠 ける。ここも大日之出錠のロッカーに脱衣籠。眼を引いたのは貴重品用のコインロッカー。デ ポジットが100円というのはよく見るけど、ここは500円。500円リターン式のロッカ ーというのは銭湯にかかわらず初めの遭遇だ。

浴室は、幅2間半、奥行は5間はあろうかという大型。天井はへの字型の三角屋根で、高さも 大型の東京銭湯の上を行く。独立した大型の入浴舎という点も、伝統的東京銭湯と同じ構成だ。

島カランは1列。カラン数はセンターから7・5・5・5。大型銭湯の割にカランは少ない。 その分、奥の浴槽群は、奥行きが2間はある広いものだ。それが、スチームサウナ、デンキ、 バイブラ、仕掛けなしの主浴槽と幕の内弁当のように仕切られている。

湯温はいずれも42度弱の入りやすい温度。そして、水風呂の水だけ色付きがあった。浴槽と 異なって井戸水を使っているのかも知れない。

ビジュアルはないものの奥壁全面がガラス張りになっていて植木を植えた庭が見通せるように なっている。

他の銭湯が定休日である月曜日、20:00から20:40に滞在。相客は数人程度。この大 型の銭湯にしては少し寂しい感じがした。

ビールの販売はなかった。外を歩いても居酒屋的な店は見あたらない。困った。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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