差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2009年10月22日木曜日 0:12
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 梅の湯(板橋区仲宿)

ナカムラです。

今日(10/11)は、「梅の湯(板橋区仲宿)」に行ってきました。 板橋区役所前駅(都営三田線)から、0.5キロ、6分くらいです。

谷中の店舗や展示スペースが連携するアートイベント、谷中芸工展を見ながら界隈を散策する。

不忍通りに面する、いなり寿司屋「いそ貝」を見つけることができない。枯れている店なので、 営業中でも通り過ぎてしまうような潮時が近い店。定休日だったかどうかは定かではない。だ とすれば、なおさら、発見するのが難しい。。。

芸工展の人出はさほどではなかった。しかし、休憩を目論んでいた根津の喫茶店は満席で入れ ない。日比谷のアマンドで休憩し、山形県のアンテナショップで、かなり久しぶりに出会う、 くじら餅や、のし梅、玉こんにゃくなどを調達。

そして、太宰治を描いた映画「ヴィヨンの妻」を観る。映画の出来は分からないけど、これぞ 日本映画という人生の一断面を描いた、湿度の高い映画。上映の1時間も前に最前列の切符し か残っていなかった。映画の印象とともに首の疲れが残った。

さて、五反田のレトロ洋食屋のグリル・エフで食べ過ぎて、宵も更けてきたので、梅の湯へ。

旧中山道から少し入った住宅地の中、銭湯の周りだけが明るくなっている。小判ザメ商法のコ インランドリー、「こしひかり」という紺地の暖簾を下げる一杯飲み屋など何軒かの店の灯りに よるものだ。

そんな一角からさらに同湯へのアプローチを分け入る。傍らには積まれた廃材。後方に油井型 の煙突。ファッサードは白を基調とした千鳥破風と大振りの唐破風が連なる伝統的木造銭湯だ。

昭和30年代の終わり頃の建物か。懸魚が簡素なことや、建物全体を見渡しても、大きさだけ で、余り重厚さや歴史的な深みは感じられない。

松竹錠の下足箱に靴を放り込んで中へ。番台は、新建材を張った前面がカーブした素っ気ない もの。ついでに、番台氏も素っ気ない。

脱衣所は、幅3間強、奥行3間ほどと広い。干からびてはいるものの天井は折上げ格天井。天 井扇もある。横に並べられた木製ベンチで通せん棒されているけど、その向こうには石灯籠と 石像がある庭池がある。鯉も泳いでいる。

役者は揃っているのに、潤いがなく、やや落ち着かない。。。

浴室は、幅3間強、奥行4間半ほど。天井は濃淡ピンクで塗り分けられた2段型。梅の湯だか らか、天井だけでなく、床、壁、カラン周りも、果てはお湯までも薬湯でピンク色になってい る。

島カランは1列で、カラン数はセンターから6・6・6・7。浴室の大きさから、スペース的 にはゆったりしている。しかし、近くの「花の湯」もそうだけど、薄ピンク色に塗り込められ た奥壁にペンキ絵はない。広い空間があるだけにその欠落感も大きい。

浴室は深浅2槽。間にある仕切を取り払っているので実質1槽で、偶然なのか毎日なのか、「ワ イン」というピンク色の薬湯が注がれている。そこにバイブラと8点座ジェットが2機。湯温 は42度くらいで入りやすい。井戸水かどうかは分からないものの薪で沸かしたお湯は心地い い。

土曜日の21:30から22:15に滞在。相客は数人。この広さにしては寂しい人数だけど、まぁま ぁの入りなのかも知れない。

暖簾を出れば、湯前街の灯りは落ちている。人声が大きかった「こしひかり」も看板を過ぎた ようだ。天気予報は雨ではなかったはず。ぱらぱらと雨が落ちてきた。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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