差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2013年2月11日月曜日 8:39
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 梅の湯(新宿区上落合)

ナカムラです。

今日(1/26)は、「梅の湯(新宿区上落合)」に行ってきました。下落合駅(西武新宿線)から、0.7キロ、7分くらいです。

新宿に買い物に出て、さて風呂はどこにするかと考え、西武新宿線の新宿駅から下落合駅に向かう。駅前一帯は水道施設が広がっているので、街としての広がりに欠けるのか、周囲は閑散としている。駅前には、お決まりの松屋などのファーストフードの店も見あたらない。夕飯時が過ぎたということもあって、同湯に向かう途中、灯りが点いていたのはコンビニ1軒と同湯隣の”食酒処たかはし”という居酒屋兼とんかつ屋だけ。都心近くとは思えない。。。

さて、梅の湯。表に長方形のタイル張りの増築があるけど、コンクリ煙突を有する、黒瓦を載せたダブルむくり破風の伝統的木造銭湯だ。昭和10年に経営を引き継いだ当初の建物は戦災で焼失。現在の建物は、昭和20年代前半に再建されたものだ。

エントランスにL字型におしどり錠の下足箱が置かれている。熱帯魚とテレビなどが置かれた、明るい通路兼ロビースペースを進めば、脱衣所をパーティションで仕切り、正面中央にカウンターを置いている。

サウナがあるけど、今日は何となくパス。昔は美形だったんだろうなぁという容姿端麗な女将さんに、相方が2人分の風呂銭900円を渡す。

脱衣所の広さは、オリジナルは3間四方。半間ほどフロントスペースに取られている。天井は伝統的建物なので高い。しかし、壁は白いクロス張り、天井も白い石膏ボードの天井に替わっていて、古銭湯の趣を感じることはできない。

ロッカーは、外壁側と入口方の壁にブロック状で筆記体で”Ohsidori”の刻印がある小さなアルミ板鍵をロータリー式に使う古いもの。一部、新しい物に置き替わっている。

その他、テレビ、デジタル体重計、籐敷きの幅広の縁台があるくらい。しかし、同湯全体的に言えることだけど、言い表せない居心地の良さがある。同じ感覚を持つのか、テレビの前の爺は、小生が上がって出るまで、ずっとテレビの前で気持ち良さそうに眠っている。暖かいので風邪を引く心配もないだろう。

浴室は、幅3間、奥行はオリジナル4間ほど。さらに、幅が半間ほど天窓付きで増築されている。目測よりも実際はかなり小振りの印象を受ける。小さな銭湯が好きな小生としては、かなり惹かれる空間がある。

”マッチ棒”のように先端が正六角形に膨らむ、変わった島カランが1つ。カラン数はセンターから、6・5・5・3。左右に立ちシャワーが計3機と、少し小振りの銭湯にしては、シャワーにスペースを割いている。タイル類は、全て新しいものに更新されている。床のタイルは、滑り止めの突起が周囲にある長方形の白いものが、煉瓦積みのように張られている。

浴槽は、奥壁センター側から、円形浴槽で43度弱、主浴槽に3点ジェット×1、一部分掘り込み7点座ジェット×1、42度強。外壁側にはL字型に回り込んで、掛け流しも可能な一人用の水風呂。更に半間ほどの狭い増築部分にすっぽりはまるように、電気&寝ジェット×1。電気が苦手な小生でも、ショックを感じない程度のものだった。

サウナは、この細い増築部分の通路を通り、奥壁の後ろに5人用くらいの乾式サウナがある。誰も入っていなくて、電気が点いていなかったけど、稼働はしていた。

釜場への扉の上にある行灯型の写真のビジュアル(雪岩山、草原の斜面、山小屋)は色褪せてしまっていた。しかし、男女境に広がる、京都嵐山の渡月橋を描いた絵付けタイル絵の大絵巻きは見応えがある。

その他、奥壁をくり貫いたウィンドウがあって、子蛙を背負う親子蛙の石像が2つ飾られていた。何か、由来がありそうだけど、聞きそびれてしまった。

土曜日の20:55に21:45に滞在。1日の全てを終え、みなそれぞれに寛いでいて、時間がゆったりと静かに流れている。そんな居心地の良さがある。

上がりの一杯は、となりの”食酒処とんかつの高橋”。ここが、面白い店だった。名前の通り、居酒屋兼とんかつ屋。小上がりと、L字型のカウンターのある明るい店内。そこに、コック服の大将と居酒屋女将然とした奥さん。さらに、宝塚の男役という感じの、場末スナックのホステス風が詰めている。

長居した訳ではないけど、いつの間にか、隣のテーブルのご常連のおごりで、女将、大将、場末のホステス風が一同に会して酒盛りが始まった。「これは…事実上のオーダーストップ?」と相方が聞くので、頷くしかない小生。

夕食には遅すぎる時間だったので、腹八分目で切り上げた。すると、女将から「あら、もういいの? 後でお腹空いちゃうわよ」と明るく声がかかる。確かに、周囲にあるのは、斜め向かいのファミリーマートだけ。。。都心とは思えない、田舎の雰囲気を漂わせる楽しい店だった。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp  
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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