差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2005年12月12日月曜日 19:43
宛先: 銭湯ML
件名: 梅の湯(横須賀市久里浜)

ナカムラです。

今日(12/10)は、「梅の湯(横須賀市久里浜)」に行ってきました。
最寄駅は、京急久里浜駅(京浜急行)で、0.1キロ、1分くらいです。
今日は、JR久里浜駅から行きました。こちらからは0.4キロくらい

同湯は、だいぶ以前は久里浜中央自動車学校近くにあったけど、道路拡幅のため昭和18年に現在の場所に移転した。小振りかつトタン屋根なので、重厚感はないけど、入口棟と脱衣所棟とに入母屋屋根が重なる、由緒正しき居住まいをしている。

浴室棟は改築されているけど、脱衣所はその頃からのもの。
新しい煙突は5年前に新調。しかし、その翌年から、都市ガス焚きに移行したため、煙突としては手持ち無沙汰になっている。

暖簾を潜ると、小さな靴脱ぎスペースがあって、両サイドに松竹錠の下足箱。サッシの戸を開けると、菅原文太風の男前のご主人が男湯側に立っている。木組みの低い番台があるけど、ご主人は使用しないのだろう。400円、サウナ代が100円でバスタオルを貸してくれる。

脱衣所は、幅2間、奥行2間半。天井は平格天井で、高さは1間半強とやや低い。男女境の上には、3枚羽の小振りの天井扇が残されている。
天井と板壁には、昔の小学校の木造校舎のように、モスグリーンのペンキが塗られて、懐かしい雰囲気がある。伝統型銭湯にしては、男湯、女湯ともに、天井に埋め込み型の空調が付いているのが珍しい。

脱衣所最大の特徴は、ロッカーが1つも無いこと。外壁側に脱衣籠を収納する棚があるものの、常連の風呂道具の置き場所に占有されている。そのため、床に脱衣が入った籠がいくつも並んでいる。客もそこそこ入っているので、小さな脱衣場で、籠を避けて進む必要がある。

そういえば、昔、銭湯が混雑していた子供の頃、籠を避けたり、跨いだりした。
そんな記憶が30数年振りに蘇ってくる。

明るくて、いい脱衣所だ。客もそこそこ入っているので活気もある。新型のマッサージ機、デジタルのヘルスメーター、飲み物が詰まった冷蔵庫が2本ある。冷蔵庫は男湯のみのようだ。男女の入口側の上にそれぞれ、亀の剥製が架かっているのが、珍しいといえば珍しい。

浴室は、幅2間、奥行3間弱。ウィング1間幅の2段型の天井。
あれ、ペンキ塗りの天井ではない・・・。
先月に入りに来た際、塗装業者が工事中だったので、てっきり塗り替えと思ったけど、カビ落としだったようだ。

小さい浴室ながら、男女境の男湯側だけに蛍光管が3本、外壁側に2本。照明にアクセントを付るためか、外壁側に電球の照明器もあって、清潔な浴室を明るく照らしている。奥壁の男女境の上に水銀灯を思しき大きな照明器があるけど、不要らしく、点灯していない。

島カランは1列で、カラン数はセンターから、5・3・4・4・4(プラス冷のみのシャワー)。奥壁はモスグリーンとグリーンの装飾タイルが張られ、ビジュアルはない。

浴槽は、深浅2槽。ともに2から3人くらいでいっぱいになる小振りなもの。深槽は2穴ジェットで温度は42度強。浅槽は2穴ジェットとバイブラでやはり42度強といった温度。
ここ何週間か、銭湯での話題はどこでも「姉歯事件」。女児が殺害されるの事件も多いけど、住宅問題の方が身近なようだ。

サウナは、脱衣所に一旦出て、外壁側に付いている。戸が小さいので軽く頭をぶつけ、おまけに躓く。無理して4人程度。
しかし、清潔で気持ちがいい。砂時計と汗を拭う雑巾が置いてある。みんな、それで座った場所を拭っていく。客のマナーもいい。

過熱器は、石が載っている本格的なものと同じだけど、見たこともない小ささ。ガスではなく、電気式のようだ。サウナは、雑誌・新聞の持込を規制しているところが多いけど、同湯では漫画本を持ち込んで読んでいる客が多い。インクが蒸発して匂うのでどうかと思うけど、真似てみる。漫画を読むのは久し振りだなぁ・・・。

上がりは、スパードライ250円。ご主人の菅原文太風に、戦前の同湯の来歴を尋ねる。しかし、ここに移転してきた昭和18年は、ご主人もまだ小学校3年生。父親は出征して帰らなかった。その年頃では、先代と仕事のとこを話すこともなかったろう、分からないとのことだった。同湯も一時は、担い手がなく、人に貸していた時代もあるらしい。戦争はやはり不幸なことだ。

久里浜の銭湯は、ピーク時に8軒。しかし、現在は4軒に減っている。
銭湯料金の値上げが検討されているらしい。
ユーザーから見れば現在の値段が限界だろうとの見方で、値上げすれば客が減るとのことだった。

横須賀の銭湯では、第3土曜日だったかな、大人1人に対し、子供2人までを無料としている。しかし、同湯には、全く子供が来ないという。そういった需要は、万葉湯に行っているのかも知れない。

夕飯は、北久里浜の居酒屋「ん(横須賀市根岸町)」。
大鵬と同時代の元幕下力士のお店で、魚系のメニューが充実していて美味しかった。
既にご高齢になった無骨なご主人。美人で笑顔の素敵な女将さん。いい店だった

それにしても、インパクトのある店名だ。
帰り際に、女将に尋ねると、いろんな仕事をしてきたから、今度こそ最後にするという決意が込められているとのこと。
ツブシが利かなかっただろう元力士。でも、開店してから、それなりに年月を経ているお店と見受けられる。主人の決意はここに結実しているのかも知れない。
焼酎のお湯割り、高清水の熱燗2本、焼牡蠣、ほっけ焼、いかげそ揚げで3400円くらいだった。

JR衣笠駅までのバスは1時間に1本。生憎にタイミングが悪く、トボトボと衣笠駅まで2キロほど歩いて、衣笠駅経由で帰館。

衣笠駅までの途中に「旅館 瓦斯温泉 長寿館」という旅館があった。
日帰り入浴はやっていないらしい。泊まりは22:00から、どういう機能の旅館なのか・・・。
ガス温泉って何だろう・・・。