若の湯（京都府舞鶴市字本）

差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2006年12月23日土曜日 10:25
宛先: 銭湯ＭＬ (sento-freak@kt.rim.or.jp)
件名: 若の湯（京都府舞鶴市字本）

ナカムラです。

今日（11/15）は、「若の湯（京都府舞鶴市字本）」に行ってきました。
西舞鶴駅（ＪＲ舞鶴線）から、０．９キロ、１０分くらいです。

遊郭跡の東舞鶴･竜宮町、宮津･新浜町、魚屋町などを散策して、夕刻に今日の宿泊地、西舞鶴に到着。駅前のホテルにチェックインして、夕方の西舞鶴の街に出る。

東舞鶴は、海軍の要塞として明治期以降に発展した町。西舞鶴が古くからの城下町。規模はほぼ同じくらいになっている。

駅前からの商店街があり、アーケードが途切れた辺りに同湯はある。商店街の中心と言っていいロケーションだ。角地である隣が、｢ＷＡＫＡＫＩ｣というコインランドリー。｢若の湯｣と関係があるのか･･･。

同湯は明治２６年の創業で１００年以上の歴史がある。現在の建物は昭和の初め頃に建てたれた洋風建築だ。間口が広く、奥行きがないという、敷地の関係で横に広い建物。真中の脱衣所の左右に、男女の浴室が独立してある。洋風のファッサードの左右の屋根に湯気抜きがある。少し特徴的な構造だ。煙突は、後方に油井型の煙突が見える。

暖簾を潜って、アルミサッシのドアを開けると、コンクリのタタキがあって木組みの番台がある。第一印象は、外観から受ける感じと違って、意外に広くないんだというもの。良く考えれば、地方銭湯としては大型なのかも知れない。女将に３９０円払う。下足箱は反対側にあって、スチール製でグレーのもの。

手摺が増設された２段ほどの階段を昇ると、幅２間半、奥行２間ほどの脱衣スペース。天井は高さ２間強と十分な高さながら、素っ気ない新建材が使われている。縦長の窓が、天井で不自然に切られていることからして、おそらく、以前は２階部分がなくて、天井がもっと高かったのかも知れない。

ビニールのゴザが敷かれた脱衣所の奥壁側に、漢数字が記されたオール木製ロッカーとスチール製の湯道具を置く棚。建った時からのオリジナルだろう、欄間彫りのある男女境が古風だ。その他、タイル張りの大きな流しと、１０円で稼動するフジの旧型マッサージ機、Ｙａｍａｔｏのアナログ体重計、冷蔵庫がある。

脱衣所の左にある浴室は、幅３間、奥行２間半。背の高さくらいまでは壁に白タイルが張られ、その上は水色のペンキを塗り重ねた板張りになっている。天井も四角錘の板張りで、間中に正方形の湯気抜きがある。

カランは浴室入り口方に、１＋２、道路側に５、奥壁に２。カランは｢宝｣の赤･青のレバーを向こう側に押し込む式のもの。ケロリン桶は関西仕様の一回り小さいものがある。

浴槽は、奥壁に接して１間半四方の浴槽が真中で仕切られて深浅２槽になっている。左右に仕切られているのではなく、手前に浅槽があって、その「浅瀬を渡る」感じで奥の深槽へと繋がっている。浅槽は何も仕掛けのないもので湯温は４１度くらい。深槽は１穴ジェットが１機で温度は４３度くらい。

シンプルで明るく清潔なのが特徴かな。井戸水のを沸かした湯は、思いのほか柔らかく、肌触りが優しいと感じた。

ビジュアルはない。奥壁に｢清浄の心得｣というのが掲げてあった。湯を綺麗に保つ注意というよりは、湯で身体も心も清浄にするという、やや修身も入った珍しいものだ。

上がりは森永フルーツ９０円を頂き、１回１０円の旧型マッサージ機を２回ほど使う。

舞鶴には、かつて東舞鶴に１３軒、西舞鶴に９軒の銭湯あったという。今は東舞鶴が１軒で、西舞鶴が２軒。同湯にも後継者はいない。８０歳前の女将はそろそろ仕舞いの頃かなと、いつとはなく店仕舞いを見据えている感じだった。

水曜日の１７：３０から１８：３０に滞在。相客は４人ほど。
建物はもちろんのこと、清潔な浴室と、柔らかい湯が印象に残る銭湯だ。

夕ご飯は古い建物を改造した居酒屋で一杯。
地元舞鶴の酒は無いらしく、宮津のハクレイ酒造の｢酒呑童子｣というブランドの酒で、秋刀魚の塩焼き、キムチ味が効いた豚の角煮などを頂く。

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ナカムラ　（Masayuki Nakamura）
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ （風呂屋の煙突）
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