差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2005年1月25日火曜日 23:58
宛先: 銭湯ML
件名: 弥坂湯(足柄下郡箱根町湯本)

ナカムラです。

今日(1/22)は、「弥坂湯(箱根町湯本)」に行ってきました。
急坂があるけど、箱根湯本駅(箱根登山鉄道)から、0.9キロ、15分くらいです。

観光協会を侮るなかれという、先達のアドバイスを思い出し、まずは観光案内所へ行くことにする。
みやげ物店で聞くと、「湯本町」と「箱根町」の観光案内所があるとのこと。
経路途中にある、「箱根湯本観光協会」を訪ねるけど、名称だけでは「湯本町」と「箱根町」を区別できんなぁ・・・。
でも、丁寧な説明と便利な案内図を頂くことができた。

泊まってもいいかなという気になり、尋ねたけど、1人で泊まれて1万円程度の旅館というのは箱根にはないらしい。
素泊まりならば「天成園」と「弥次喜多の湯」が該当するらしい。

「天成園」・・・。懐かしい名前だなぁ。
30年前、動物園にも連れてってもらったことも、家族旅行にも行ったことがない不遇(?)な小学生であった小生。
文句でも言ったのかな、父はロマンスカーの先頭部の席を取り、天成園に連れて行ってくれた。
池に面した離れ風の部屋で、高級旅館という記憶だけど、今では素泊まり客も取ることに驚いた。

湯本橋で早川を渡ると正面に旅館「萬寿福」
昭和8年築の箱根湯本ではNO.1のレトロ旅館。
値段は高いけど、立ち寄り湯もやっているよう。そのうち、レトロな浴室を実査しなければなるまい。

弥栄橋で早川の支流を渡って、いよいよ弥坂を上る。
この急坂の登り降りを避けるために、弥坂湯が造られただけあって、急坂。
同湯の名前の由来でもある。

坂を上がると箱根の旧道に出て、直ぐ先に同湯はある。

古い商店のように正面はモルタルの大きな看板になっていて、温泉マークと屋号が大きく書いてある。昭和26年築。
暖簾は紺のシンプルなもの。白抜きで屋号が入っている。
洗いざらしという風合い。年季を感じる。

暖簾をくぐると、コンクリの広いタタキがあり、横に古い下足棚、正面に湯屋番の部屋。
炬燵、テレビや冷蔵庫が置かれた三畳間。管理人室といった感じ。

風呂代は450円。さらに、箱根町は50円の入湯税がかかる旨の丁寧な説明。
ここは共同組合の浴場につき、出資者は250円、地元者は350円と、小生のような外来者とは価格差がある。
湯屋番も、申し訳なさそうに、やんなっちゃうんだけどね・・・と。

脱衣所は、幅2間、奥行間半。外壁側に縦3個×横6個の木製の棚があるだけ。
鍵どころか扉すらないシンプルなもの。
しかし、湯屋番の部屋から見通せる構造になっている。

浴室は2間四方。天井は1間と少しと低い。
カランが2つとシャワーが1つしかない。
そんな小さなスペースの真中に円形の湯船が掘り込まれている。
縁が濃いブルー、2段になっている湯船は薄い水色のタイルになっている。

湯に浸かる。第一印象は温い・・・。そして、掛け流しながら、湯にさほどの鮮度を感じないというもの。
源泉の投入量が少ないので、寒い日は快適な温度を保てないようだ。
盲目の相客も今日は温いと言っていた。
1時間滞在したけど、それくらい居ないと、身体が芯から温まらないというもの。

驚いたことに、9:00から20:30の営業で1日の客は30人ほどしかいないらしい。
出資者は180人いるけど・・・。
箱根の湯は高価なので、少量の湯しか引けない。
少量でも高い。相場観はないけど、値段を聞いてそんなに高いの、というものだった。
客数は1時間で男湯・女湯各1人程度の30人。
湯屋番はボランティアだよって言ってたけど、そうでなければ成り立たないのだろう。

テレビの温泉番組で、湯が溢れている温泉の映像を見ると、羨ましくなると言っていた。
なかなか厳しい運営を強いられている、箱根の数少ない共同浴場だった。

湯屋番に箱根の他の共同浴場を尋ねると、塔ノ沢にあるというので、16:30、「上湯共同浴場」へ向かった・・・。







湯屋番の部屋


張り出しているのは休憩室(だと思う)


弥坂





塔ノ沢・上湯温泉浴場