差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2003年9月20日土曜日 22:34
宛先: 銭湯ML
件名: [sento-freak:04377] 弥生湯(川崎市幸区塚越2丁目)

ナカムラです。

今日(9/20)は、川崎市民ミュジアムで写真家森山大道の写真展を見た後に、帰路バスで川崎駅へ向かう途中、「一乃湯」か「弥生湯」に入るべく途中下車。

「一乃湯」は外見があまりに普通だったので通過。
塚越東栄会という商店街の外れにある「弥生湯」に決定。
最寄駅は南武線矢向駅。歩いて10分くらいかな。

商店街の外れのため、両サイドが旧店舗建物の廃屋と空屋。
何だか、ここの銭湯の立場を表している。

入口の前に目隠しのように3本の大きな棕櫚の木。
昔流行った時期があって、古い家には今でも大きな棕櫚の木があったりする。
入口は千鳥破風。特徴的なのは棕櫚の木と入口の間に、円筒形のかなり太い威圧的な門柱がある。

入口の両サイドは緑&白のよくあるタイル張り。暖簾は牛乳石鹸。
正面は松竹錠が付いた傘を横に突き差す式の傘入れ。
しかし、鉄板錠がついて赤いアクリル板が付いているのは小数しかない。
小生初めてこの方式の傘タテ、いや、傘イレを使用。今日は雨が降っている。

下足箱は松竹錠。入口の下には「男湯」という表示箱と電球のホコリを被った空ソケット。
昔は、「男湯」という表示箱が電球の明かりで照らされていた模様。

番台にはかなりご高齢のお爺さん。
「いらっしゃいませー」と声は大きいものの、すぐ眠りに入ってしまった。
なかなか鍛え抜かれた条件反射ではあるが・・・。

脱衣所を囲むように5本の蛍光灯が付いているのだが、入った第一印象は何だか薄暗い。
隣の女湯は脱衣所に明かりが点いていない。こんな経験は初めて。
漆喰の白壁もだいぶ黒ずんでいる。

天井は折上格天井。青い鉄柱が天井から番台の前に降りている。これはあまり見ない感じのもの。
ロッカーは道路側と庭(といっても雑然として物置きと化している)側にある。松竹錠のシリンダタイプのもの。
ロッカーの上には漫画が並べられ、ロッカーのいくつかには無造作に古新聞が詰められている。なんか、ゆるい感じが・・・。

入口の脇に脱衣籠が3つほど積まれている。
脱衣所の真ん中には古い木製のテーブルと汚い灰皿といろんな店のマッチ箱が菓子の空き缶に詰め込まれている。その周りにソファー。
コイン式のサウナボックスが2つ。今は使われている感じはない。こんなの初めて見た。
旧式のマッサージ機。

辺りは「静寂」が支配している。女湯には人がいない。ややアルツがかった?番台の爺さんは相変らず寝ている。
テレビはなく、置いてあるラジカセも付いていない。外の雨音だけが聞こえてくる。

浴室は脱衣所のユルさとは異なり、白いタイルは清潔。
島カランは1列。センターから、7・5・5・6。
センターと壁側にシャワーがついている。
島カランには鏡のみ。

浴槽は浅・深の2つ。
浅い方が2穴のジェット。深い方が床から泡がブクブク。

ペンキ絵は富士山と湖。自信はないけど、湖に浮かぶヨットの描き方や富士山の感じから中島師のものかな。
ところどころペンキが剥げかけている。
そう、脱衣所に「浴場広告の事なら佐野塗広社へ/川崎・鶴見浴場組合公認」なるワープロ打ちの張り紙があった。

見るべきものはタイル絵。
4×40枚のタイル絵が女湯との仕切りに据えられている。
湖で魚を取る様子。中国風の寺院?。川と滝が描かれている。
鈴栄堂/福二画との銘。

先客が出てから客は小生のみ。やはり静寂が支配している。
今週前半の暑さがウソのようで、浴室の中でもほんの少し肌寒い感じすらする。

上がって、発泡酒を持って番台に向かう。
相変らず、爺さんは寝ている。
すみません・・・と、3回言ってようやく起きてくれる。
160円。酒屋で買うのと同じ値段。

ソファーで、風呂に入らない小学生が漫画を読んでいる。
どうやらここの子供のよう。しばらくして女湯へ通路を抜けていった。

浴室は清潔だし、静かで居心地は悪くなかった。
ただ、客の入りから考えて、長くはないのかなという感じがひしひし。

帰りは廃屋の一軒隣の中華屋(「好来」)でチャーハンを食べて矢向駅へ。
ラーメン450円。チャーハン550円。
川崎プライスなのかな、安くて、味もマズマズでした。






栄湯(矢向)


矢向駅