差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年10月2日土曜日 13:33
宛先: 銭湯ML
件名: 吉の湯(川崎市川崎区貝塚)

ナカムラです。

今日(10/1)は、「吉の湯(川崎市川崎区貝塚)」に行ってきました。
川崎駅(JR東海道本線)〔東口〕から1.2キロ。15分くらいです。

繁華街を越ええ、第一京浜(国道15号)を渡り、貝塚本通り商店街を抜けたところにあります。
この前、3月に来た時は臨時休業だった。

同湯は、コインランドリーともう一つの建物の間の数メートルの路地の奥にある。
戦後すぐの建築、その後の区画整理で入口が道路と接面しなくなったらしい。

入口棟は、黒瓦を載せた伝統的なもの。
左右の窓の下のタイルが、光沢のある普通のタイルではなく、スクラッチタイルなのが特徴的。
パンダ5匹の5房の暖簾が掛かっている。

正面に傘を突き差す式の傘入れ。
大半は松竹錠だけど、膝より下の高さの錠が古い「FUJI」錠になっている。
下足箱の錠は松竹錠。

番台は全面がカーブしているもの。
昭和中期的なグレー木目調の新建材が張られている。
脱衣場の広さは、3間四方。
天井は、煤けてる白い平らな天板が張られている。

ロッカーは、島ロッカーが縦置きに2列。
松竹のロータリー錠だけど、ロッカーが縦長で、内側が上下2段になっている。
初めての遭遇。

その他、マッサージ機、TANAKAのアナログ体重計、2枚扉の旧型の冷蔵庫などがある。

驚いたのはトイレ、外壁側が幅1間ほど増築されていて洗濯機3台とその隣に縦長の小便器がある。
サッシは透明だし、開け放たれている。
つまり、番台の女将に背中を見せながら、用を足すことになる。
なんか、脱衣所の光景としても違和感があるし、使ってみての感想も馴染めないなぁ。

庭はそこそこのスペースがあるものの、小鳥の餌台が立っているのみ。

浴室への戸は自動ドア。
いつも思うけど、素足で濡れたゴムマットを踏むのは、感電しそうで落ち着かない。

浴室は幅3間、奥行3間半。
天井は2段型。曲線部分は無く、すべて直線で構成されている。
構造もそうだけど、ペンキもそこそこ剥がれて、年季を感じさせる。

鏡のみの島カランは1列で、カラン数は6・5・5・6。
カランは日の丸扇の刻印がある旧型の丸味を帯びたもの。

床はパール色のもの。
カラン周りのタイルも緑の模様タイルに白のツートンカラー。さほど古いものではない。

しかし、ビジュアルは瞠目するものがある。
男女境のタイル絵が大きい。縦7枚×横62枚。
東海道五十三次の「箱根湖水図」が超ワイドに描かれている。

「広重画」の下に「保呆堂■(読めず)」???とあるが、「堂」以外全く自信がない・・・。
鈴栄堂ではないのかな。
女湯は地元川崎宿らしい。

奥壁は中島師の河口湖のペンキ絵。
地名が明記されているのは珍しいし、湖面に逆さ富士が描かれているのも少ないかも。

川崎銭湯マップでは、同湯は設備的に無印だけど、確かに何もない。
深浅2槽。双方とも浴槽の底がはっきり見渡せる静かな湯面。
深槽は43度、浅槽は42度くらい。

浅槽にはバイブラの設備が底に見えるけど稼動していない。
壊れているのか・・・。
真中に単なるパイプの焚き出し口があるものの、ジェット等はない。

金曜日の22:15。相客は一人。
浴槽の音も無いから、実に静か。まさに静寂。
相客は浅槽で半身浴。ずっと目をつむっている。
風体もどことなく禅寺の雲水のごとく。

女将曰く、23:00を過ぎると客がめっきり減る。不景気を感じると。
今までカメラの取材は断ってきたけど、明日、東映の薗田賢治監督が来てOKになれば、哀川翔は宇津井健が出演する東映映画に使われると。

スタッフが「富士山のペンキ絵」の銭湯がないと言ったので応諾したと・・・。
「ない」っていうのはちょっと言い過ぎではある。

帰りは、髪を濡らしたまま、ソープ街の南町の傍らを通り川崎駅へ。
人の流れと逆だし・・・。
ちょっと変なシチュエーションではある。