四谷浴場（一宮市栄）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年5月13日土曜日 16:33
宛先: 銭湯ＭＬ
件名: 四谷浴場（一宮市栄）

ナカムラです。

今日（5/4）は、「四谷浴場（一宮市栄）」に行ってきました。
尾張一宮駅（東海道線）から、０．６キロ、８分くらいです。

同湯の前座は、岐阜･金津園、尾張一宮･花岡園という、旧女性街散歩。
どちらもかつての遊里跡であるとともに、現役の風俗街。いつものことだけど、「何しているの･･･」と声がかかる。｢商品｣を守るためにしは仕方のないことだろう。

金津園では、出勤途上のソープ嬢が綺麗なことと、知り合いのボーイに挨拶しながら街路を堂々と歩くその姿に、かつての遊廓のおいらんの姿がだぶる。「ナカムラさん、金津園では『入浴』しないの？」と知人に冷やかされたけど、同じ公衆浴場だけど、こちらは｢特殊｣で、金津園に｢普通公衆浴場｣はない。無用の路銀が財布にあったら、本能と本性に抗えたか自信がない。

岐阜も一宮も繊維で栄えた町。｢繊維｣の文字が多い。そして、今はどちらも衰退しているようだ。

さて、四谷浴場。基本は木造モルタルの脱衣場棟のようだけど、入口周りにスクラッチタイルが張られ、それ以外の部分は、石組みを模していたりと、簡素ながら拘りが見て取れる。銭湯としての歴史は古いけど、戦争で焼けたので、脱衣所は昭和３０年くらいのもの。浴室部分は昭和のはじめの頃のものとのこと。

暖簾を掻き分け、モスグリーンの木枠の硝子戸を開けると、コンクリのタタキに番台が立っていて、７０半ばは過ぎているだろう、居眠りのいい風貌の爺を起こして３８０円を払う。下足箱は肉抜きした金属扉のもの。

脱衣所は、幅２．２５間、奥行きは一体となっている入口部のたたきと浴室側の緩衝地帯を合わせ５間超はある広々としたもの。天井はモスグリーンの平格子天井。ただ、天板が幅１０センチ程度の普通の板で組んでいるところが珍しい。ＢＧＭもテレビではなく、ラジオというのも同湯の雰囲気に合っている。

ロッカーは、扉が新建材のもので昭和中期製のもの。錠は｢Ohidori｣の刻印があるブロック状のシリンダ方式。小さな板鍵を捻って開閉する。籐敷きの上には脱衣籠もある。

その他、天井扇、デジタル体重計、旧型マッサージ機がある。特徴的はのは、緩衝地帯の上に明かり撮りの天窓があること。

浴室は、幅２．２５間、奥行３．２５間くらい。天井は最高部が２．５間で、外壁側が２間になっている。壁のタイルは白無地のいにしえ度の高いもの。ビジュアルはない。浴槽、床のタイルは更新されたものだろう、クレーを基調とした厚手の新しいものだ。

カランは、外壁に７、男女境に６、奥壁に１。カラン台はベージュと茶の長方形タイルが張られている。名古屋系銭湯につき、洗い湯を流す溝はカラン台がすぼまった奥に通っている。そして、同湯の流儀なのだろう、カランの前にそれそれ緑椅子が予め置かれている。

浴槽はセンターに、白湯槽とデンキ槽がおかれ、センター側奥壁に接してバイブラ槽がある。温度はいずれも４２度くらい。内側は古いのかブルー形の小石型タイルが張られている。

上がりは、再び、居眠りしている爺を起こして、デカビタ１２０円。
掃除をして、午前中から湯を沸かしているんだろう。番台に座ると眠くなる。ご高齢の身には堪えるはずだ。銭湯を回っていると、番台で眠っている人が多い。

かくいう小生も、商店街の｢ミウラ｣という、地元民が寛ぐ喫茶店で遅い昼飯を食べた後、デジカメのデータをハードディスクにコピーする間ほとんど眠っていた。風が心地いい季節だし、休日の居眠りは、本当に気持ちがいい。

開店直後の１６：００～１７：００に滞在。相客は１５人くらいとまずまずの客が入っている。

帰りに、同湯の暖簾とレトロな入口を撮影していると、中から若い女性が出てきて驚いた。
レトロな銭湯だけど、そんな若い人も通う現役の銭湯だった。