Masayuki Nakamura
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2024/04/21 15:44

ナカムラです。

今日(4/13)は「松の湯(品川区西五反田)」に行ってきました。

不動前駅(東急目黒線)から0.6キロ、7分くらいです。

白金高輪駅で降りて、直ぐ傍らの旧三田松坂町、旧三田豊岡町辺りの戦災非焼失地域を細かく歩く。古くからのラーメン屋と味の素提供の「芝区豊岡町」のホーロー製の住居表示を掲げる長屋や銅板張りの旧商家などを見ることができた。

路地の奥に住友不動産の再開発事務所があった。張り紙を見ると、昨年10月に再開発の都市計画決定がなされているようだ。既に周りは新しいマンションが林立していて、その谷間のような感じになっているこの「三田五丁目西地区」も谷間から再開発タワーマンションに変るようだ。

古川を渡ると四の橋から北里通りの間に白金商店街がある。規模は大きくないもののそこそこ現役感がある商店街だ。しかし、商店街の真ん中にに大きな日本郵便の白金宿舎(退去済)があって、周囲も再開発間近という印象だった。人口は減っているし住宅は余ってくる。価格も下がってくると考えているけど、都心で高規格の住宅(再開発物件)が継続的に供給され続けると価格は下がるのかと考えてしまう。日本人の懐も二極化しているし、海外の投資家もこれまで以上に入ってくる。そう考えると利便性の高い住宅は価格が上がり、そうでない住宅は流動性もなくなり、価格も下がっていくのではないか。タウンウオッチングしながらそんなこんなを考え北里通りを白金高輪駅まで歩く。

ここも新しい建物ばかりだけど、駅前の一角に古い「老増町公衆便所」という古い建物があった。この建物が唯一、狭い町域だった旧三田老松町の名前を冠しているものようだ。

白金高輪駅から東急目黒線の不動前駅は3駅先。大昔、どういう経緯か忘れたけど日本酸素の旧大崎工場の赤煉瓦の建物が記念館として残されていた頃、年末もかなり押し迫った夕暮れ時にきた記憶がある。開けっ放しで会社の人を含めて誰もいなく電気も点いていなかった。不思議な印象だったののでよく憶えている。1999年、不動前駅の改築による影響を機に山梨県高根町の同社事業所に移築されたようだ。日本酸素ホールディングススは合従連衡と欧米企業のM&Aで世界第4位の工業用・医療用ガスのサプライヤーになっている。しかし、未だに不動前に本社を構えている。縁あって何度も足を運んだことがある。そういう会社は同社だけではないけど、世界的な企業ながら本社は極めて地味でそれはそれで好感が持てる。そう、サーモスというアメリカの魔法瓶メーカーも同社が買収して日本でも幅広く家庭用品を提供している。

松の湯はそんな同社にも近い住宅地の中にある。商店街からも離れている坂道の途中で銭湯の立地としては少数の部類だと思う。

ファッサードは千鳥破風&唐破風のこれぞ銭湯という堂々としたもの。ガスに変ったのかコンクリの煙突は1/4ほどの高さのものが後方に残っているのみ。坂道ゆえに数段の階段を昇る必要がある。

松竹錠の下足箱に靴を入れ解放された木製枠の扉を通るとカウンターがこっちを向いている。520円を払い脱衣所に入る。同湯は濡れ縁を介した前庭があって池に魚が泳いている。石灯籠が置かれ周りには苔生えシダが茂る。庭木を含めた風景はなかなかの風情がある。

浴室内部のペンキ塗りにもくすみはない。浴槽は奥壁に沿って3槽。深槽、渦巻く円形浴槽、何ら仕掛けのない浴槽が並んでいる。湯温は42度くらいか丁度よい心地いい温度だ。

同湯ではメンテナンスに手間の掛かる木桶のみを使っている。清掃も行き届いているけど、以前のような迫力というか完璧さがなくなった感じがする。何ら不足感はないけど、経営者とともに歳を取ったのかもしれない。

奥壁は中島さんの富士さんのペンキ絵。男湯とともに女湯にも富士山が見える。令和5.12.18.に描かれている。東京の銭湯でペンキ絵を毎年描き替える銭湯は五指に満たなかったと思う。同湯もその一軒だったけど、今もそれは続いているようだ。

土曜日の17:20から17:55に滞在。脱衣所で入れ替わりの相客はあったけど、浴室は終始、小生だけだった。最近はどこの銭湯に行っても相客は多い。たまたまだけど、久し振りのゆったりとした入浴だった。

上がりは脱衣所にあった明治牛乳の瓶牛乳の自販機で150円の牛乳をいただき、フロントで頂いた

「品川銭湯マップ(2024年版)」を眺める。品川区の銭湯は22軒。まだ結構残っている。旗の台の錦湯も頑張っている。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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                旧三田豊岡町
三田五丁目の戦災非焼失地域の、旧三田松坂町、旧三田豊岡町を散策する。
芝区は昭和22年に赤坂区、麻布区とともに港区になっている。
狭い一角だけど、人しか通ることのできない路地に数十軒の家が密集している。
一軒が再開発組合の事務所になっていた。昨年、再開発の決定がなされている。




                           旧三田松坂町







                   旧三田松阪町



                          旧三田豊岡町
三田五丁目西地区、旧三田豊岡町、旧三田松坂町。再開発事務所他、住友不動産のマークを見かける。
同社は三田界隈で幾つもの大規模な再開発案件を手掛けてきた。土地を創るという発想で、モーレツな開発展開を進めている。
REITを手掛けていないのもひとつの見識を感じる。




                旧三田松阪町
人だけが通ることができる狭い路地に数十軒が建ち並ぶ。
もうすぐ消失する風景。



                   旧三老増町
旧三田老増町。本当に狭い一角だけの町名だった。
しかし、白金高輪駅前の公衆便所に名を残している。




                  白金
港区白金。小さな町工場と住宅が混在したエリア。
高層マンションの谷間に白金商店街が残っている。







                     白金











                   白金商店街




                  不動前



                            不動前

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