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日付: 2023/12/10 11:15
件名: 熱海湯(新宿区神楽坂)
送信元: gmail.com

ナカムラです。

今日(12/3)は「熱海湯(新宿区神楽坂)」に行ってきました。
飯田橋駅(総武線他)から
0.2キロ、3分くらいです。

銭湯に入るのは2020年2月以来、実に3年9ヵ月振り。コロナ禍があって、だいぶご無沙汰してしまった。

復帰はどこかお気に入りのレトロ銭湯がいいと考えていた。思い描いていたのは別の銭湯だったけど、相方が神楽坂に用事があるというので熱海湯を選んでくれた。この3年余りの間に同湯の前を何度も通った。通ったというよりは神楽坂を訪れた際には同湯の息災を確認しに来ていた。

神楽坂の通りから見番横丁へ入り、料亭などがある石畳の細道を抜け石段を降れば同湯の脇に出る。類い稀な秀逸なロケーション銭湯だ。そしてこれほどの風情。加えて同湯は未だに薪でお湯を沸かしている。斜面に屹立するコンクリートの煙突も健在だ。

W千鳥破風のファッサード。洗い晒された紺地に屋号が力強い白抜きで書かれている。暖簾を潜れば狭いながらも平格天井のエントランス。カナリア錠の52番の下足箱にスニーカーを入れる。

ガラス戸を開ければ親父が男湯側に立っていた。1,020円を渡して釣りを受け取る。3年前は470円だったかな。その後、複数回の料金改定があって、勝手に目安かなと思っていた500円をあっさり超えてしまった。

日曜日の15:30。明るい時に銭湯に入るのは何よりの贅沢だ。同湯を訪れるのは9年振り。何も変わっていない。東京にしては中型かそれより小振りの銭湯だ。それゆえに落ち着いていてとても心地良い空間だと思っている。

浴室はシャワーと鏡がないプレーンな島カランが残っていることや、浴槽は奥壁に接する深浅2槽のみ。奥壁には中島さんのペンキ絵。何もかもが昔ながらだ。

同湯のお湯はやや熱め。銭湯通いしているうちに体感で湯温が分かるようになったけど、だいぶブランクがあるので”はて?”という感じだった。42度と43度の間くらいだろうか。想像していたよりも熱くはない心地良いお湯だった。

バイブラがモーターの関係だろうか不規則に噴出の強弱が混じる。意図したものではないと思うけど、とても心地よかった。
湯船に3、4回浸かり、ゆっくりと垢を落とした。あまりに久しぶりなので、何かマナーに反したことをしていないかと少し気を使う。

あがりは、最近ほとんど飲むことがないコーヒー牛乳を頂いた。4月に価格改定があったようで160円だった。風呂銭だけでなく、牛乳も高くなっていることに少々驚いた。

15:30から16:15に入浴。延べで相客は10人余り。のんびりとしていて久し振りにとても寛ぐことができた。

神楽坂では福井のイベントをやっていて小浜のへしこや焼き鯖寿司が売られている。
用事を済ませた相方と合流して、途中、スーパーに立ち寄って、バスで帰路に就いた。

銭湯ってやっぱり良いなぁ。
遠くなくとも非日常に身を移し”旅”を味わうことができる。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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神楽坂、明治7年創業の『和田写真館』。
82歳になる4代目は出版社の仕事で川端康成や五木寛之などの作家の写真を撮ってきた。
赤城神社が改築されるまでは赤城神社の境内にもスタジオを構えていた。
レトロなスタジオ設備に昭和を感じる。

老写真師とともに写真館も歳を取っているようだ。



2020.12.12撮影



神楽坂、熱海湯への坂の途中のBarなどが入る小さなビル。熱海湯階段あるいは芸者小路と呼ばれる坂道。
神楽坂は迷路のように入り組んだ坂と多くの袋小路が傾斜地に複雑に折混ざっている。
狭い地域だけど多彩な印象を受けるのはその地形のせいだろう。
熱海湯のある立地もなかなかに複雑だ。




鳥料理の鳥茶屋



神楽坂のメインの通りから見番横丁へ入る角にある古い靴屋さん。
小売店というよりはメーカーのようでだ。
独特の雰囲気があって通る度にカメラを向けることになる。



自転車修理の店。新車を並べていないので工房の趣だった。



登録有形文化財のアユミギャラリー。後方のビルの建築事務所の敷地に取り込まれている。



「清水」の柚子餅。神楽坂からは少し外れた矢来町にある。
値段は観光地の神楽坂の和菓子屋の半値近い。地元の和菓子屋なのだろう。
柚子の香りが効いて、スコブル美味しかった。
包み紙も包み方も古風だった。

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