差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2012年1月18日水曜日 23:00
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 千代の湯(江戸川区平井)

ナカムラです。

今日(1/6)は、「千代の湯(江戸川区平井)」に行ってきました。平井駅(JR総武本線)から、0.7キロ、8分くらいです。

4日から仕事始め。外出先から不帰社遁走。そして、ようやく今年の初湯、平井・千代の湯へ。。。

一昨年の10月に、平井の花街の探索とセットでやって来た。しかし、旧銭湯マップ(2007年版)記載の定休日が土曜日に変更になっていて入ることが出来なかった。同湯向かいの廃業スナックとともに、見事な唐破風を有する大型の東京銭湯が強く記憶に残った。

大型の銭湯ゆえに釜場も大きいのか、コンクリ煙突も建物からやや離れた位置に屹立している。エントランスホールも広い。左右にたくさんの旧型さくら錠の下足箱が並んでいる。

男女に分かれた扉を入ると元番台のあった場所に最も簡便な構造のフロント。脱衣スペースとは衝立を立てて仕切っている。

さらに進めば、オリジナル幅3間、奥行4間ほどの脱衣所。天井は手斧による削り跡を残したような茶色の桟にフラットの天板を填めている。

ロッカーは外壁側と島ロッカーが1つ、いずれもSakura2錠のもの。その他、Hokutowのアナログ体重計、飲料の冷蔵庫だけでなくアイスが入ったケースなども置かれている。

同湯には、木製建具の扉と濡れ縁を介しての庭がある。溶岩の築山と池がしつらえられている。どこを取っても正統的な東京銭湯だ。

聞けば昭和40年築という。大黒柱の”職方一同”から寄贈された黒いゼンマイ仕掛けの時計からすると、唐破風の宮造りの銭湯を数多く手がけた飯高建設の施工のようだ。

浴室の広さは、幅3間半、奥行5間ほど。天井は2段型。印象に残る大型の空間だ。

正面のペンキ絵を見て驚いた。丸山さんの「丹沢塔ノ岳(22.6.5.)」。初めて接する絵柄だ。高校山岳部育ちの小生、近郊では珍しい標高差1,000メートルという大倉尾根(通称馬鹿尾根)をトレーニングで何度登ったことか。

1日に2往復半したり(目標は3往復だった)、夜景がきれいな冬の晩に一人で登るなど、当時の経験からすれば少し無謀なこともやった。途中の駒止め茶屋で高橋時次郎爺さんと丹沢のいろんな話をしたことも印象深い。。。

登山を介して体力と根性を培った場所。大袈裟に言えば、ここで身につけたものは不肖・ナカムラのその後の人生に大きな影響を与えていると感じている。

いつものことだけど、話が逸れた。。。

島カランは2列で、カラン数はセンターから9・7・7・7・0・7。床のタイルは長方形のパール色のタイルが煉瓦積みのように並べられている。

浴槽は、センターから、深槽、7点座ジェット、寝湯、1穴スーパージェット、電気、コーナーの湯滝、熱い湯と、小さく仕切られたものが数多く並ぶ。湯温は、熱い湯槽を含めてすべて42度くらい。井戸水を薪で沸かしたいいお湯だ。

ビジュアルは、奥壁の丸山さんのペンキ絵だけでなく、男女境には金沢の名勝兼六園のモザイクタイル絵。幅が5間もある大絵巻で、池の鮮やかな紺色を基調として、背景には四季折々の色を配置した簡素ながら印象的なものだ。奥壁のペンキ絵の下にもモザイクタイル絵があって、湖を中心に白樺林と五色の森という絵柄。この絵も紺色と抑制しつつ華やかな色使いの完成度の高いものだった。

今年の初湯。金曜日の19:50から20:45に滞在。相客は5、6人といったところ。銭湯としての基本性能も高い、いい東京銭湯だった。

上がりの一杯は、帰り道に適当な惹かれる酒場を見つけることができずパワーも乏しかったので、餃子の王将でレモンサワーを頂く。

また、新しい年が始まった。今年も、幾つもの郷愁銭湯に出会いたい。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ (風呂屋の煙突)
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