差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2011年10月26日水曜日 23:16
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 第二香藤湯(墨田区押上)

ナカムラです。

今日(9/23)は、「第二香藤湯(墨田区押上)」に行ってきました。 押上駅(京成押上線)から、0.8キロ、8分くらいです。

今日は秋のお彼岸。生田まで墓参りに出かける。数少ない家族が集まる年2回のイベント。父の供 養と毎月墓参する高齢の母への親孝行。なるべく欠かさないようにしている。

そんな午前中のイベントを終え、新宿での買い物と打ち合わせ。それが終われば既に風呂が恋しい 夕方になっている。新宿の喫茶店「ピース」を後にして、押上駅に向かう。総武線を浅草橋駅で都 営浅草線に乗り換えれば、新宿駅と押上駅は案外に近い。

押上駅の構内は広く、各所に「東京スカイツリー(建設中)」という黄色の表示板があって驚かされ る。来年2月の竣工前にこの表示が必要になるほど、にそこに向かう人が多いようだ。

なるほど、地上に上がれば老いも若きもみな携帯のカメラを上に向けている。写真的には建設中の 東京スカイツリーよりも、いろんな恰好で携帯を向ける群衆の写真の方が面白い。多少ひねくれて いるけど、そっちをスナップする。

さて、敬愛すべき東京一の郷愁系ボロ銭湯。第二香藤湯に向かう。

脱衣所の折上格天井は、雨漏りで波打ち一部に綻びもある。しかし、豪華な照明器があって華やか だった名残もある。もっともホコリを被って何十年も点灯はしていないのかも知れない。。。

浴室には富山市の観光支援で、立山のペンキ絵が描かれている。第1弾の5軒だったか、同湯に立 山のペンキ絵が描かれたと聞き、短期的な廃業はないんだなぁと、少し安堵したことを憶えている。

観光支援の”立山のペンキ絵”は、丸山さんと中島さんで手分けして描いている。同湯は中島さん。 海から立山連峰を仰ぎ見る絵柄の「立山(20.8.1.)」。

浴室は、床が小石状のタイルというレトロなもの。浴槽はミネラルの付着で黒くなっている。前が 円弧を描き少し膨らんだ深浅2槽。浴槽の底に大きな熱帯魚の”モザイクタイル絵”がある。小さ な鯉は時折見かけるけど、同湯のものはまさにモザイクタイル絵の大きさ。。。

小さな岩を設えた焚出し口から流れ入るお湯の音を聞きながら、じっくりと浸かる。音、温かさ、 井戸水のいい香り。ボロを纏ってはいるものの、ここには何ともいえない癒しがある。

ビジュアルは、奥壁のペンキ絵の他に、男女境にターナーの夕陽の絵が思い起こされるモザイクタ イル絵がある。夕陽に燃える、森、港、船、風車。。。洋風の夕陽のモザイクタイル絵は極めて珍し いと思う。

日曜日の夕飯前の時間。かなりの郷愁系銭湯だけど、案外に客が入っていることに驚かされる。

こういう風呂屋でこそ洗われる心もある。 実にいい銭湯。実に満足。

機嫌が良くなってしまったので、久し振りにB級呑みの聖地、立石まで足を延ばしてしまった。蘭 州の魅惑の水餃子でビールを頂く。。。

腹七分ほどに抑え地元十条に戻り、今月で廃業する「久保の湯」にたまたま訪れていた同行の士と 合流。「斉藤酒場」の先の居酒屋でまた一杯。

かなり密度の濃い一日だったな・・・。

《前回訪問:2004.2.7.》

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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            立石・呑んべ横町



       立石・旧遊所跡