第二清水湯（横浜市鶴見区汐入町）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2007年3月21日水曜日 8:37
宛先: 銭湯ＭＬ (sento-freak@kt.rim.or.jp)
件名: 第二清水湯（横浜市鶴見区汐入町）

ナカムラです。

今日（3/20）は、「第二清水湯（横浜市鶴見区汐入町）」に行ってきました。
弁天橋駅(ＪＲ鶴見線)から、０．５キロ、５分くらいです。

鶴見線は戦時下に国有化された。鶴見線の鶴見駅部分は、鶴見臨港鉄道㈱が旧国鉄鶴見駅に、苦労して漸く接続させた悲願の洋風の「終着駅」だった。今でも、規模が小さいながら、どことなく映画に出て来る終着駅のような哀愁が漂っている。小生の好きな駅の１つだ。

折り返しの電車のシートに座って１０分以上、ようやく扇町行の電車が発車する。
次の国道駅と鶴見小野駅で大半の乗客が降りる。鶴見線はここから工場地帯へと入って行く。夜に、工場地帯へ向かう空いた電車に乗っているのは、なんか不思議な感覚だ。車窓には夜間に操業する大工場が過ぎていく。

第二清水湯へは、３つ目の弁天橋駅で降りる。ＪＦＥと旭硝子の工場の狭間だ。夜は誰も歩いていない。そんな道を通り、同湯へと向かう。少しだけ、スラム的な街とは違った怖さがある。

同湯は、潮田神社の参道近くの清水湯の支店だ。全盛期には本店と同湯のほかに、末広町の方に第三清水湯や第四清水湯があった。今は駐車場になっているという。

コンクリ煙突に千鳥破風黒瓦の伝統的木造建築の建物。正面にフロント部分を増築している。
入り口は左側にあって、このタイプの銭湯では珍しく、券売機でプラスチックの入浴券を購入する方式だ。

千円札が使えないので両替機を使わなければならない。また、他の券種は使えないやや不便なものだ。同湯にはサウナがあるけど、追加料金は不要なようだ。それらしいボタンが無い。大人４３０円のボタンを押す。釣りが７０円余分にあった。前の客が７０円取り忘れたのだろう。

下足の錠はＳａｋｕｒａＧ錠のプラスチック札のもの。フロントは赤絨毯で自販機、ＴＶ、ソファ、マッサージ機などがある。余計なものはない。フロントのおばちゃんにサウナの追加料金が無いことを確認して脱衣所に向かう。東北訛りの年配の方だった。小生は東北訛りに郷愁を感じてしまうけど、関東の銭湯で、東北の方言に接することは稀だ。少し驚いた。

脱衣所は、広さ３間四方。かつて折上格天井だったろう天井や壁にはクロスが張られている。鶴見の銭湯は、やや荒れていたり、すさんだ銭湯がままあるので、同湯もそれを想像していたけど、先入観とは違った。本店の清水湯も清潔な繁盛店だったので、その目配りが同湯にもあるのだろう。

ロッカーはＳａｋｕｒａⅢのシリンダ錠。その他、Ｙａｍａｔｏのアナログ体重計に万能台。余計なものがない、やや殺風景という感じの脱衣所だ。

浴室は、幅３間、奥行４間。天井はウィング幅１間の２段型。天井高が４間弱というかなり高い大型の銭湯だ。木板の天井がそのまま残る伝統的な浴室だ。後から買収したのか、本店の建物よりも古い建物だという。

墓石型の島カランが２列で、カラン数は、センターから４･４･５･３･０。カランは日の丸扇の刻印のあるもので、取っ手がグレーの角型のもの。取っ手がグレーというのは珍しい気がするけど、工場地帯には合っている感じがする。

島カランはピンク系の大理石紋様のタイル。床は１０センチ角のパール色に輝くタイルで、４枚１組で一連の紋様を構成するもの。壁や奥壁は２０センチ角くらいの大型の白色系タイルに淡い地紋が入ったもの。一部に６枚１組で菖蒲のレリーフが入っている。ほとんどビジュアル的なものはない。強いて言えば、浴室と脱衣所を仕切る扉の上が、色付きのアクリル板で、小学生が作ったステンドグラス風になっているくらいかな･･･。

浴槽は奥壁の前に深浅２槽。深槽は、座ジェット×２になっている。後ろには、よくある裸婦のイラストが入った説明書きが掛っている。焚出し口に鉄格子が嵌った浅槽はバイブラ。その外壁側部分に｢うつぶせ風呂｣なる珍妙なものが･･･。カマボコ型の台で、そこにうつ伏せば、腹と膝小僧に気泡や噴出する湯が当たるというもの。比類ない珍妙な設備なのでトライしてみた。感触はまぁまぁだけど、きっと情けない姿だろう、トドのような自分の姿を想像すると、少し滅入るかな。まぁ、相客でこれを使う人もないので、から振りの設備には違いない･･･。浅槽の手前外壁側に扇形の小さな薬湯槽がある。

庭に増設されたサウナは、ガス遠赤外線の乾式のもの。敷物も清潔だし、いい感じだけど、温度がやや低いのがもの足りないかな。中に砂時計が３本だけあって、ラジオ放送の｢オールナイトニッポン｣が流れている。これを聴くのは何年ぶりだろうか。まだ、あるんだというほどの懐かしさだ。内容からして、時間に追われる者が聴く内容ではない。とめどない話が続き、時々、曲がかかる。小生が中学生の頃、聴いていた時と同じ構成だ。

銭湯マップには、水風呂の表示はないけど、センター脱衣所方にバイブラの立派な水風呂がある。

潤い皆無だけど、明るく清潔。いい浴室だ。１時間弱はいただろうか、サウナと水風呂があったので、思いの他、長湯した。

営業時間は１５時から２２時まで。閉店５分前に修行僧だろう、作務衣に手ぬぐいを被った雲水４人が登場した。みな、当然に青刈り。眼鏡をかけて、袋入りの安い使い捨て歯ブラシを握り締めているのが少しおかしい。

休日前の火曜日の２１：００から２２：００に滞在。相客は１０人ほど。ビール販売もないし、全く潤いがないのは寂しいけど、無料乾式サウナがあって清潔。実用的ないい銭湯ではある。

帰りは、再び、弁天橋駅経由で帰館。

《同湯の昼間の画像①》
《同湯の昼間の画像②》

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