第二天狗湯（大田区大森西）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2007年3月31日土曜日 13:50
宛先: 銭湯ＭＬ (sento-freak@kt.rim.or.jp)
件名: 第二天狗湯（大田区大森西）

ナカムラです。

今日（3/30）は、「第二天狗湯（大田区大森西）」に行ってきました。
平和島駅(京浜急行)から、０．６キロ、６分くらいです。

金曜日の夜。いつも通り、やはり仕事はメドが立っていないけど、２１：００にえいやっと会社を出る。

今のオフィスからは、周りがビルばかりで、樹木が視界に入らない。地価が高いので、高層的に利用しなければならないんだろうけど、何か異常な光景で、精神衛生上好ましくないなぁと感じている。。。街では、桜が満開に近いらしいけど、桜も無いので実感が湧かない。同僚も同じような感想を言っている。でも、今週からコートを着ていないので身軽だし、風が心地いい季節になってきた。銭湯探検のこの時間には、夜風は少し肌寒いけど。

競艇場のある街、平和島駅は、降りると直ぐなかなかディープな風景があったりして好きな場所だ。蒲田のように風俗店はないけど、かつては「大森新地」という花街があった地域でもある。

同湯は、環状７号線を北上して、一筋奥の細い道沿いにある。環七の歩道は落ち着かないほどの騒音だけど、一筋入るだけで、静かな住宅地だ。周辺にはいくつかの店があるという、銭湯があるべきエリアという感じの、小さなＴ字路に建っている。

かつては前庭だっただろう土地に直方体の箱が増築され、コインランドリーとフロントスペースになっている。しかし、その奥の脱衣所は、黒瓦を載せた伝統的木造銭湯だ。

入口脇には大きな温泉分析表がある。階段を２段ほど昇って、スリ硝子に｢天狗湯｣とある下を通ると靴脱ぎ。下足箱の錠はSakuraG。札は少数派の小振りの木札だ。自動ドアを通るとフロントスペースがある。ビールはないようだけど、２つの冷蔵庫にいろんな飲み物が詰まっている。中型のテレビは世界水泳を映している。脂肪肝なのに、先ずビールを探す自らの姿勢には問題があるが、それはともかく、なかなか居心地がよさそうだ。

サウナを使う人は下足札を出して下さいとある。４３０円に、サウナ代はプラス２００円。バッグに入った大小タオルと１５番の引っ掛けキーが渡される。

脱衣所は、オリジナルは３間四方。フロントスペースのご主人が座っている部分が食い込んでいるのと、浴室方から立ちシャワーブース２つ分がやはりオリジナルのスペースを侵食している。でも、狭いというほどではない。

天井は、昔は格天井だったんだろうけど、大柄の格子模様のクロスが貼られている。壁は白いクロス。全体的に、明るく、白い感じの清潔な感じがするいい空間だ。床は籐敷きで、白いロッカーは松竹シリンダ錠。大黒柱には黒柱時計。その他、躯体の大きなTANAKAの古いアナログ体重計、新型マッサージ機がある。

茶色のビニール張りのベンチ２つと、昭和中期調の木目印刷のテーブルの２つが、何故か調和を乱す感じでボロいというか、懐かしい感じで置いてある･･･。渋谷･並木橋の｢さかえ湯｣で、マッサージ機の横に｢ここで眠らないで下さい｣という張り紙があって苦笑した。同湯のマッサージ機にも、熟睡したトドみたいな感じで、睡眠中の御仁が居る。気持ちいいんだろうなぁ･･･。でも、風邪引かないだろうか。

浴室は、幅３間、奥行４間。天井は２段型で、大半は白とブルーのペンキが塗られている。しかし、大黒柱や主要な梁は白木で維持されている。それ以外、中普請で古い物は残っていない。しかし、足を踏み入れた瞬間で、いい銭湯だなぁと感じる空間だ。

浴槽は、奥壁から外壁、ほぼ脱衣所近くまで、Ｌ字型で延びている。洗い場に比して、風呂が充実した構成だ。

島カランは墓石型のものが１つで、カラン数はセンターから９･５･５。カランは銀色の取っ手のWaguri製のもの。

浴槽は、奥壁センター寄りから、縦に２穴のスーパージェットバス、ボディーマッサージ、電気風呂、白湯槽。これらが一体で、温度は４１度を少し下回るくらい。最初は身体がなかなか温まらないなぁと感じるほどの温度だ。時々、焚出し口から熱い湯が吐き出されるので、平均すればもう少し湯温は高いかも知れない。

外壁側の真中が天然温泉槽。焚出し口には、析出物がこびりついているので、それなりの成分が含まれているのが見て取れる。しかし、湯の色や香りに特徴はない。浴感が少ない、いわゆる｢井戸水温泉｣だ。特長が少ないお湯だからか、壁には温泉分析表を大きなアクリル板にリライトしたものが掲示されている。これがなければ、確かに、温泉とは判らないだろう。温度は４２度くらい。でも、天然温泉は、たとえ浴感が少なくとも、やはり有り難い。

温泉槽よりも、何故か、その隣の水風呂の方が明らかな淡黄色の色付きがあって、源泉の様相を呈している。これを沸かしたり、ろ過したりすると、淡黄色の色が消えてしまうのか･･･。

白湯も温泉も源泉水風呂もそれぞれに快適だ。とても気に入ったし、思わず長湯になってしまう。

サウナは、外壁の外に増築されている。１０人は入れる大きさで、テレビ付。プラス２００円を払っての相客も３人ほどいた。サウナ客以外も、この時間にしては多い感じがする。

サウナ室のテレビは、７年続いた最終回らしい、｢にんげんドキュメント(NHK)｣の｢のっぽさん７２歳の冒険｣という番組が映されていた。水風呂との往復で細切れだけど、４５分、ややフラフラになりながら見入ってしまう。

｢みんなのうた｣の「グラスホッパー物語」の続編、『ハーイ！グラスホッパー』の制作のバックステージを撮ったものだ。ノッポさんは、「お年寄りが学校帰りの子どもに声をかけられないような世の中は悲しい｣。こんな時代だから、子供たちに｢勇気｣と｢優しさ｣を伝えたいと、作詞に没頭する。最終回で力も入っているんだろう、なかなか骨のあるドキュメンタリーだった。

サウナ室の横に１間四方の涼み場所があるのもいい。椅子すらなく、足ツボを刺激するタイルが置かれているだけだけど夜風が心地いい。

奥壁が、ベージュの素焼き模様タイルになっているくらいで、ビジュアルがないのは残念だ。
しかし、こんな銭湯が近くにあればなぁと感じる、優れた銭湯だ。

金曜日の２１：４５から２３：００に滞在。相客は２０人は超えていただろう。

花見客も混ざっているのか、京急の特急はかなりの混雑で、数分遅れでの運行。
横浜で乗り換えた東海道線も遅れていた。

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ナカムラ　（Masayuki Nakamura）
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