目次へ

ナカムラです。

今日(10/11)は、「藤の湯(杉並区天沼)」に行ってきました。 荻窪駅(中央本線等)から、0.7キロ、8分くらいです。

大正15年創業の老舗。だいぶ改装されているものの現在の黒瓦を載せた建物は昭和28年築。しかし、オリジナルのエントランスは撤去され、潰されただろう前栽とともに白いタイル張りのロビースペースの増築部に置き代わっている。コンクリ煙突の先にロケット型のキャップを乗せた煙突。付近には整理された薪が積んである。

同じ一角に「トレンディーシャワー1号店”本店”」という古いコインシャワーがある。バブル時代の設置なのだろうか。きっと2号店は無いんだろうなぁ。小豆色の看板には”ファミカ風呂”という文字が踊る。初めて見るファミカ風呂。どんなものなのだろうか。

入口は建物の左端。Sakura-G錠の下足箱に下足を預け、自動ドアを通り、絨毯敷きで雑然として、少々埃っぽい感じのロビーへ。相方が2人分の風呂銭をボサボサ頭の大将に渡す。

脱衣所の広さは、3間四方。元々は伝統的な脱衣所ながら、高い天井は新しい白と紺色の材料で蓋をされ、チープな天井扇付の照明器具が下がっている。壁はレリーフ状の模様がある白い壁紙がそれなりに煤けている。昭和の終わりのバブルの時代に、大がかりな改装を行ったようだ。

ロッカーは、男女境側と外壁側に松竹シリンダ式のもの。その他、Yamatoのデジタル体重計、大きな新しいマッサージ機、樹脂製の白いベンチなどがある。

浴室は、幅3間、奥行4間。天井は2段型ながらプラ板張りで、それなりの経年変化で汚れている。床のタイルは星形模様のベージュ色のもの。

えんじ色のタイルが張られた島カランは2列で、カラン数はセンターから7・6・6・5・0・5。カランやその周りには白い付着物が目立つ。井戸水を使っているというものあるけど、清掃も少し不十分な印象を受ける。

浴槽は、深浅2槽。深槽は40度を割るくらいのかなり温い備長炭湯。浅槽は水枕付の寝湯、座ジェット。さらに壁から赤外ランプを浴びる感じのバイブラで42.5度位。飲用可能な井戸水を薪で沸かしたお湯は悪くない。

主浴槽の座ジェットで独り言を言いながらお湯に潜る爺。40度を割る温い備長炭湯で何故か丸くなって長湯するスキンヘッドの若者など、なかなかユニークな客が多い。

ビジュアルは、ちぎり絵調の夕陽の残照の海原をヨットが走る絵柄のモザイクタイル絵。横浜根岸の建て替え前の大盛館など何カ所かで見た記憶がある。

金曜日の19:45から20:35に滞在。昭和中期的な改装が、だいぶ緩い感じで古くなったという印象の銭湯。相客は10人は超えていた。看板にあった”ファミカ風呂”って何だったんだろうか。最後まで分らなかった。