船橋湯(世田谷区船橋)

船橋湯（世田谷区船橋）　2007.4.14

東京屈指の古銭湯との話を聞く。その船橋湯が廃業するというので、３年ぶりに再訪する。

亡くなる２週間前まで、９６歳でまで番台に上がった、あの大女将の三回忌を終え、釜の火を落とす。銭湯マップでは｢千歳船橋０分｣、至便な土地は、マンションに変わるようだ。

６７年前。亡くなった大女将は居抜きで経営を引き継いだ。銭湯の経営経験が無いので、前任の番頭さんから釜焚きを教えてもらったという。

大正末か、昭和初期の建物だろう。エントランス部、脱衣所、浴室と、これでもかというほどのレトロな世界が広がる。

金沢･九谷焼の古いタイル絵。中島師のペンキ絵。ビジュアルも古典的で正統なものだ。

湯船にはジェット等の仕掛けはない。清澄この上ない薪焚きの熱い湯が、一杯に満たされているだけだ。

《2003.11.1訪問レポート》

循環設備を持たない浴槽。しかし、清澄な湯が満たされている。


往時は、閉店後にどうしても入りたい客が入ってきて、喧嘩になったりもしたそうだ。






駅を出ると煙突が見える。駅も近代的なものに変わっていた。