差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2005年10月2日日曜日 14:54
宛先: 銭湯ML
件名: 報徳湯(横須賀市公郷)

ナカムラです。

今日(10/1)は、「報徳湯(横須賀市公郷)」に行ってきました。
衣笠駅(横須賀線)から、0.8キロ、15分くらいです。

報徳湯は、長らく廃業したものと思っていた。しかし、インターネット・タウンページから削除されないので、電話してみると。20:00までだけど、営業していることが分かった。

今日は、東京・世田谷の駒沢給水所の配水塔の見学会に参加し、同地の温泉銭湯「栗の湯」にでも入るかと計画してたけど、予想よりも早く終わったので、戸塚を通り越して横須賀・衣笠へ。横須賀・遊廓跡の柏木田や佐野銭湯群の入口の駅。この駅で乗降するのも何度目になるだろうか・・・。平作川を公郷橋で渡って、しばらく進んで左手に油井型の煙突が見える。

トタン張りの外観。しかし、横須賀銭湯としては規模が大きい感じがする。
暖簾をくぐると、「報徳湯」と屋号を記した扁額。外から見たときは、下足錠は冨士錠かなと思ったけど、よりレアな末広錠だった。「天神湯(横浜市磯子区)」と「竹の湯(横須賀市船越)」に次いで3回目の遭遇。かなりレアな錠だと思う。

入口の戸は木戸だし、大きくはないけど整った印象を受ける。
ドアを開けると、番台。カーテンの向こうから女将が現れた。木組みの低い番台には映りが悪いテレビが鎮座していので、使われてはいないようだ。

脱衣所の広さは、幅3間弱、奥行は3間。天井高は2間強。煤けた白い天板と天井扇がある。床は年季の入った板の間になっている。
やはり横須賀標準よりは大きい。2本の蛍光管のみなので、やや暗い印象がある。

外壁側には、おしどり板鍵の旧型の錠がついたオール木製ロッカーがあるけど、脱衣籠が主力のようだ。島ロッカーがない、脱衣籠が並ぶ、銭湯の原風景がある。

ガラス戸、上方の窓ともに、簡素な造りながら木桟にガラスを嵌めたもの。昭和20年〜30年代くらいのものか。
その他、TANAKAのアナログ体重計とビニール張りのソファ、幅の狭いテーブルというか「台」があるだけ。初秋のさわやかな風が流れている。

浴室は、幅2.75間、奥行4間と大型。天井はウィング1間の2段型で、高天井は緩やかながら弧を描いている。ペンキがくすんで、剥離も多少でてきた。そして、脱衣所同様、照明が少ない。

島カランはプレーンなものが1列で、カラン数はセンターから6・4・4・6。センターにのみシャワーが付いている。床のタイル使いが、黄緑の小さな正方形のタイルと、白の8角形を組んだもの。古いながら、平滑で強固なものだ。

浴槽は深浅2槽。浅槽は、バイブラに緑の赤外線ランプ。温度は43度くらい。
深槽は1穴ジェットが2機。温度は43度強といったところ。湯は井戸水を沸かしのか、柔らかい湯だ。

ビジュアルは、奥壁に富士山のペンキ絵。「江の島 92.10」と記されている。一見して、新世美術のものでもないし、東京の現役3師によるものでもない。写実的な風景画という印象のもの。現役を退いた絵師のものなのか。

土曜日の18:50から19:30に滞在。相客は3人だった。19:30に外に出ると軒灯が消され、女将が入口の木戸を半分閉めた。風情ある木戸。もう、入場できないよという合図なのかも知れない。しかし、入口が木戸というのは、初めての遭遇かも知れない。

「みどり湯(横須賀市逸見町)」や「千代の湯(横浜市保土ヶ谷区)」も20:00閉店だったけど、銭湯の閉店時刻としては例外的に早い。みどり湯は昨年廃業してしまった。同湯についても、かなり厳しい中での運営を強いられているんだろうと思う。

帰りは、衣笠十字路からバスに乗り、佐野町を経由して平坂上で降りる。
当世館浴場の灯りが付いていない。9/28から10/5の休業の貼り紙。

久し振りに向かいの「末広食堂」に入る。女将さんは美人だし、大将の食事は美味しい。
ここを出る時は、いつもおなかが苦しい。

横須賀中央駅(京浜急行駅)から、上大岡駅経由で帰館。




遭遇3回目の末広錠








横須賀線・衣笠駅
暗い感じの駅だったけど、オリジン東秀と
コンビニが入って明るい感じになった
余剰スペースを商業スペースに転化する
JR東日本の戦略が横須賀にも浸透している


衣笠のレトロな感じを演出する?散髪屋


大瓶スーパードライとチキンカツ定食で、1,522円
女将さんは美人だし、大将の味はいい
暖簾を出る時はいつも苦しい


「当世館浴場」向かいの上町・末広食堂