差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2011年3月10日木曜日 23:08
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 泉湯(横浜市中区北方町)

ナカムラです。

今日(3/5)は、「泉湯(横浜市中区北方町)」に行ってきました。 山手駅(根岸線)から、1.6キロ、25分くらいです。

久しぶりに横浜。赤煉瓦倉庫でシャツや靴などを購入。野毛界隈や、宮本町の風俗街を散歩し て、1年後にはマンションになることが決まっている日ノ出町駅(京浜急行)裏の「竜宮美術 旅館」へ。

駅のすぐ近くにあって、気になっていた古い旧木造ホテルが期間限定で美術館になっている。 独特の意匠は進駐軍専用の連れ込み旅館として建てられたことに由来するようだ。しかし、残 念ながら今日はカフェのみ。展示イベントをやっていなかったため、1階の一部、カフェのス ペースしか見ることができなかった。でも、想像以上の建物だ・・・。計画を練り直して、再 度アタックをかける必要がある。

さらに、やはり日ノ出町にある、意匠も構造も独特の古いアパート。何度も眺め、写真も撮り、 飲んで時に何軒目かで1階に入るスナック&カフェに流れ着いたりもした。

しかし、さる方に教えてもらうまで元々が連れ込み旅館だったことには気が付かなかった。目 を凝らせば、モルタルの外壁に”逆さクラゲ”とHOTELという文字が塗りつぶされて輪郭だけ が残る。知らなかった・・・。遊所跡探索者としてはまだまだと痛感。。。

さて、日も暮れてきたので、泉湯へ向かう。数年前、確かハシゴし図らずも同湯が100軒目の 銭湯となった。200軒目以降のキリ番は記憶に残っていない。銭湯駆け出しの頃、小生にとっ て思い出深い銭湯のひとつだ。

港の見える丘公園から続く尾根筋の下。クルマは見晴トンネルで抜けるような場所だ。夜なの で、小銭湯の奥にはただ黒い森が広がる。

戦前から同地には銭湯があった。その銭湯が戦災で燃え、東京から流れ来たご主人が、昭和23 年に焼け跡に今の建物を建てて、銭湯を再開した。

カラン20機に満たない小銭湯。しかし、奥壁には丸山さんの手による「瀬戸内海(22.10.26)」 がある他、男女境にも幅がある2幅の絵付けのタイル絵が並ぶ。

4年振りの3訪目。もう亡くなったけど、折しもバブルの頃、近所の大工が廃棄される高級な 材料を拾い出して、15年に渡って少しずつ同湯の手直しを行ってきた。木製のテーブルや椅子 もそんな高級材木の再利用。男女境の欄間も元々はどこぞかの和風の建物にあったものだ。

そして、釜場の扉は旧大森警察署の天井の板を削り直して再利用したものだという。大森警察 署は戦時下に迷彩色に塗られた名残でかなりくすんでいて、その独特の不気味さが印象に残っ ている。そんな建物の部材と時を経て横浜で再会することに驚く。

上がりは森永牛乳。値段を聞けば「100円で」と・・・。120円の所が多いので、かなりのサー ビスだ。そのせいか冷蔵庫の飲料の数はそこそこ豊富だった。

相方とは同湯の評価が分かれたけど、小生は、小ささと横浜の「奥地」というロケーションで、 横浜銭湯の中で好きな銭湯だ。

上がりの一杯は、元町を通り抜けてとぼとぼと中華街まで歩き、四川料理の「京華楼」に入っ た。想像はしていたものの、美味しいけどチャーハン以外は結構辛く、小生にはやや持て余す 辛さだった。

帰りは、横浜駅経由で、湘南・新宿ラインで赤羽駅へ。横浜駅のホームが拡幅されていること に驚き、武蔵小杉停車の電車に乗るのも初めて。横浜を離れて1年半近く、少しずついろんな ものが変わって行く。。。

《前回訪問:2007.04.28.》

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