差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2019年8月20日火曜日 20:50
宛先: 銭湯ML (sento-freak@freeml.com)
件名: 改栄湯(台東区三ノ輪)

ナカムラです。

今日(7/26)は、「改栄湯(台東区三ノ輪)」に行ってきました。三ノ輪駅(東京メトロ日比谷線)から、0.3キロ、4分くらいです。

仕事を終え、ラウンジで缶コーヒーでひと息ついて三ノ輪へ向かう。同湯のある一角は、吉原遊女との縁も深い浄閑寺もある戦災非焼失地域。同湯への途中にも銅板張りの長屋が残っている。

戦前から陸屋根の建物が建っているものの航空写真からは銭湯かどうかまでは判読出来ない。昭和30年代の中頃に2段型の天井を持つ伝統的木造銭湯に変わっている。そして、バブル期に現在のコーポラス三ノ輪に入るマンション銭湯になっている。

建物には四角の高い煙突が聳え、1階の駐車場には整然と薪が積まれ、その傍らにはやはり整った釜場がある。ペットボトル片手に首にタオルを巻いた女将さん風情の方が道に出てきて額の汗を拭っている。

コインランドリーだけでなく、ロビーの窓がフルオープン。道行く人とロビーの人とが話出来る感じ。蚊遣りの香りが流れている。

花王石鹸の暖簾を潜れば、松竹錠の下足箱。ビル銭だけど木札は摩耗して丸くなっている。一昨日梅雨明け。

明るく畳敷きの小上がりが広いロビーは少々暑い。アジア系の女性がフロントに詰めている。相方が2人分の風呂銭を渡し、小生はスタンプ帳を差し出す。

脱衣所は、幅3間、奥行き2間程。ロッカーは島ロッカーが1つと外壁側に松竹錠のシリンダー式のもの。旧型マッサージ機とYamatoのデジタル体重計、家庭用の扇風機が置かれている。シンプルな脱衣所。弱くエアコンが掛かっている。団扇を手に取ると、チーバ君が描かれた2012年の千葉国体のものだった。

浴室は、幅3間奥行き3間半位。天井高は2間程。島カランは1列でカラン数はセンターから5・6・6・5。カラン台は赤御影石と豪勢。床のタイルはベージュ色の星形紋様のもの。ただ、埋設の配管を交換したため、所々がパッチワークのようになっている。

浴槽は、奥壁に深浅2槽。お湯の温度は41度強とぬるめ。井戸水を薪で沸かしたいいお湯。少なくなったけど、界隈の銭湯はお湯がいい。1度掘り直したという井戸は、ふんだんに自然の恵みを与えてくれるという。

ビジュアルは、奥壁にちぎり絵調のモザイクタイル絵。ユーモラスに描かれた動物たちが大きな神輿を担ぐお祭りの絵。ゾウが大うちわで先導し、クマにキツネ、タヌキ、ネコ、トリなどが勢揃い。出来が良いとは言い難いイラストだけど、祭りが盛んな土地柄を表していて思わず笑いを誘う。

金曜日の20:05から20:45に滞在。相客は4人程。お湯の良さと整った印象が残るいい銭湯だった。

梅雨明けたばかりなのに小雨が降ってきた。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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                      上野駅



     上野駅6番ホーム。古い人研ぎの昇降口の枠が残っている。

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