差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2007年8月11日土曜日 10:04
宛先: 銭湯ML (sento-freak@kt.rim.or.jp)
件名: 海水湯(品川区東品川)

ナカムラです。

今日(8/10)は、「海水湯(品川区東品川)」に行ってきました。 新馬場駅(京浜急行線)から、0.6キロ、7分くらいです。

この駅は、高架にする際に、旧北馬場駅と旧南馬場駅をホームでつないで1つの駅にしたので、 やたらホームが長い。本当は横浜側の改札を通れば近かったけど、反対側の改札を出たので やや遠回りになってしまう。

途中で、レトロな天神湯の前を通る。この通りは戦災で焼けていないようで、同湯の隣の化粧 品店は洒落た店ながら、建物は重厚な商家建築がベースになっている。そんなこんなを眺めて いる間にも、天神湯は客の出入りがそこそこ多い。レトロな古い銭湯だけど、清潔で、冷房も効 いていたという記憶がある。今も繁盛しているようだ。

旧東海道だった北品川商店街を越えると同湯は直ぐだ。明治時代まで、この旧東海道は、ほぼ 海岸線だった。同湯は現在地よりやや海沿いに位置していたらしいけど、いずれにしても、品川 の海水を汲み上げることが可能だった立地だ。

海水を沸かすというのは、汲み上げるパイプやボイラーに負担がかかるので、コストのかかる行 為だ。屋号に「海水」を冠していることからして、まさに昔日の同湯の看板商品だったのだろう。 先日、大阪・泉佐野の「永佐湯(休業中)」が汐湯だった話を伺ったけど、「佐野の商工業1 風 呂屋(泉佐野の歴史と今を知る会 資料集70集)」によれば、汐湯を求めて遠くからも客が集ま ったとある。最初は、節約のため海水を沸かしていたと思ったけど、それは違うようだ。

さて、現在の海水湯。いかにも「海に通じる細道」という風情の小道にある3階建てのビル銭湯。 1階が店舗になっていて、台湾料理店、居酒屋、海水湯治療院が入っている。

浴場スペースは、階段を上って2階にある。最近のこの手の施設には2階であってもエレベータ ーがあるので、奇麗に整備された施設ながら、改築してからそれなりに時間が経っているんだ ろう。

下足スペースの前に2台の自販機があって料金はここで払う。入浴料430円とサウナ代がプラ ス400円でバスタオル付き。隣の大田区はサウナが無料の所も多いので、この地域では珍しく、 やや強気の価格設定になっている。同湯は、男・女湯が、デイシフト制になっていて、今月は奇 数日が、(左側)女/男(右側)とある。

フロントスペースでは、生ビールやかき氷が供されるらしく、緑のテーブルクロスを敷いたテーブ ルが2つほど並んでいてゆったりしている。ただ、飲食している人は居ない・・・。

脱衣所もまたゆったりしている。籐敷のゆったりしたスペースに松竹シリンダ錠のロッカー。ブル ーの壁紙もこの雰囲気に効いていて、なかなか清潔感がある脱衣所だ。飲料の自販機、デジ タルの体重計、アナログの身長計、最新型のマッサージチェアなんかがある。

浴室は、幅3間、長さ5間ほど。天井高さは1間と3/4。3階が居宅になっているようで天井は 高くない。このスペースの一部が、露店風呂とサウナ室になっている。

浴室に足を踏み入れると、このスペースにしては大きな円形の掛け湯槽があって、真中の石玉 から湯が注がれている。

洗い場は向かって右側に、島カラン1(3・3)。周囲の3方の壁にカランが5・4・4。カラン台、桶 を載せる台、浴槽のヘリ、1段ある踏み込み段が無光沢の白い人造大理石になっている。銭湯 でこの素材に出会うのは初めてだ。ただ、無光沢ゆえに、タイルよりも経年変化による黄ばみ が目立つようだ。

浴槽は、主浴槽とデンキ、寝湯×2が一体となったもの。湯温は42度程度。

サウナは10人くらいは入れる大型のもの。400円取るだけあってもちろんテレビ付き。「はだし のゲン」を映している。小生のご贔屓の石田ゆり子が出ている。あまりテレビを見ないせいか、 久し振りに遭遇する感じだ。

水風呂は1.5人用くらいのものがサウナ室の前にある。みんな、隣の立ちシャワーで汗を流し て水風呂に入っている。なかなかマナーがいい人たちが多い銭湯のようだ。

露店風呂もタイル&人造大理石張りなので雰囲気も何もないけど、2間×2間弱の大きなもの。 今日はラベンダー&カモミールの紫色の湯で、湯温も42度と思いのほか高い。

上がりは、缶ビールが350円と高いので発泡酒200円にする。栓を開けてから気がついたけど、 生ビール500円を置いているので、缶ビールが高めの設定になっているようだ。生ビールの方 が良かった・・・。

20:30から22:00に滞在。時間的に波があるけど、混んでいる時間はカランの8割が埋まる ほどに客が入っている。サウナは高いけど、銭湯としては、清潔でいい銭湯だ。

同湯を出たら、居酒屋は既に閉店していた。中華屋に入ろうかなとも考えたけど、昼が冷やし 中華で、夕方は幸楽苑でラーメンを食べている。中華系の食べ過ぎの嫌いがあるので、止めに した。

帰路は、缶チューハイを飲みながら旧東海道の北品川商店街を北品川駅まで歩く。古い建物 が多かったけど、かなりビルに置き換わってしまっている。途中で「吹上湯」を状況視察。向い の「落武者亭」という凄い名前の居酒屋とセットで、そのうち訪問しなければならない。

しかし、「落武者亭」とは凄いネーミングだ。落武者のようなサラリーマンが、クダ巻いているよう で、なかなか興味がそそられる。 そりぁ、お前だろって・・・。一気にその場の雰囲気に溶け込めそうな、溶け込めなさそうな・・・。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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天神湯








吹上湯