差出人: Masayuki Nakamura 送信日時: 2019年7月15日月曜日 12:40
宛先: 銭湯ML (sento-freak@freeml.com)
件名: 亀の湯(江東区北砂)

ナカムラです。

今日(7/6)は、「亀の湯(江東区北砂)」に行ってきました。
西大島駅(都営新宿線)から、1.9キロ、20分くらいです。

アリオ北砂を出て、有名な砂町銀座の北側に並行する稲荷通り商店街を歩く。歴史ある商店街の中ほどに竹の湯を発見する。

江東区には3軒もの竹の湯がある。森下と中の橋商店街の竹の湯に入ったけど、この北砂の竹の湯は意識していなかった。商店街の名前の由来だろう北砂治兵衛稲荷神社の入口近くの玉垣に同湯の屋号が刻まれている。

稲荷通りから南下して、砂町銀座を横切り、さらに進むと清洲橋通りに出て、同湯はそこにある。大きく言えば砂町銀座界隈の銭湯。近くに金魚を養殖する大きな池などもあった。

昭和38年の航空写真等で水路を渡ってアプローチする伝統的木造銭湯の姿を確認出来る。大将によれば築47年(1972年)という。建物を見れば確かにそんな感じ。

戦後のどの時点かで開業して、その後改築されたのかも知れない。ガス焚きに変わって煙突こそ無くなっているものの、モルタルの簡素な建物の中に半世紀前のオリジナルな姿が多く残っている。

清洲橋通りからのアプローチは20メートル余り。かつては水路を渡る橋が架かっていただろう。

両サイドにガラスブロックが積まれたエントランス。暖簾はなく、ガラスにスリ硝子で“亀の湯”と記されている。番台裏には一幅の紫陽花の掛け軸が下げられ、紅葉などの侘び寂び系の鉢が2つ置かれている。

両側には旧型さくら錠の下足箱。幾つかは新しい松竹錠に替わっている。

番台への扉を開ければ、簡素ながら木組みの番台。細身の大将が詰めている。天井と壁は色鮮やかな木目調のプリント合板でこれでもかという程に覆われている。

広さは3間四方だけど、何故か横長に感じる。ロッカーは島ロッカーが横置きに1つと、外壁側にアルミ板鍵のSakura2錠のロッカー。アルミ板鍵のロッカーも時折しか出会わなくなった気がする。

庭には低木が置かれているくらいだけど、濡れ縁を介した庭から入る風が清々しい。同湯では山野草の鉢がポイントポイントに飾られている。侘びと寂び。それが新鮮で、他とは違っている。

浴室は幅3間、奥行き3間半ほどとやや寸詰まり。天井は木板にペンキ塗りの2段型。ウィング部が湾曲した堂々としたものだ。

島カランは2列で、カラン数はセンターから6・5・5・5・4。床のタイルはイニシエの3センチ角の白タイル。日の丸扇の刻印がある古いカランと、カラン台周りの白と燻んだブルーのタイル使いも懐かしい。

浴槽は、深浅2槽。いずれもガス焚きの42度くらい。ぬる目の温度になっている。

ビジュアルは、奥壁に「天草五橋」のモザイクタイル絵。男女境は海と富士山。天草五橋は駒込のえびす湯の方がコントラストがあって引き締まって見えるかな。

小雨混じりの土曜日、19:40から19:20に滞在。相客は数人ほど。内装のオリジナル度が高いのと、山野草の侘び寂び系盆栽がある雰囲気がなかなかだった。

上がりの一杯は向かいの沖縄風料理屋の「かじゅまる」。塩が効き過ぎだけど、安くて味も良かった。

帰路はバスで西大島駅まで。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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                 簡素だけど風情がある銭湯だった



                 紫陽花の掛け軸



                   沖縄風家庭料理のかじゅまる

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