差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2008年3月22日土曜日 1:58
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 亀の湯(墨田区本所)

ナカムラです。

今日(3/21)は、「亀の湯(墨田区本所)」に行ってきました。 本所吾妻駅(都営浅草線)から、0.6キロ、6分くらいです。

江戸川橋の浴場熱海が3/23で廃業する。そっちにも行きたいが、居酒屋「牧野」を再訪してゆ っくりと杯を傾けたい。そんな悩みの中、牧野に向かう。

その前に、銭湯マップで「クリーン。レトロ。サイレント。」をキャッチコピーにする亀の湯へ。 途中のもつ焼き・稲垣も何やらクサい(美味しそう)。吾妻橋袂のアサヒビール本社のオブジェ も見えたりするなかなか楽しい場所だ。

さて、亀の湯。 暗い路地裏にひっそりとある。戦前からの銭湯で、戦災で焼けて再建後、昭和30年代に現在 の建物にリプレースされている。千鳥破風の黒瓦のエントランスを持つ、典型的な伝統的木造 銭湯だ。

松竹錠の下足箱に靴を納める。正面の傘を付き差す式の傘入れの奥では木彫りの招き猫がおい でおいでをしている。番台への扉は自動ドアだ。前面がカーブしているグレー木目調の新建材 が張られた番台の女将に430円を渡す。なかなか上品な感じの細身の素敵な方だった。

脱衣所は幅3間弱、奥行3間程度。天井は材はさほどのものではないけど、見事な折り上げ格 天井。そして、天井には古風な天井扇。大黒柱には黒柱時計がゆっくりと振り子を揺らしてい る。

男女境のテレビは付いているけど、脱衣所には小生のみ。コピーに偽りはなく「サイレント」。 本所は都心からも近い。隣に7階建のマンションができたせいで、地盤がズレてトイレは壊れ るし、外壁側のロッカーは扉が歪んで開閉不能になるなどの弊害が出ている。大規模な開発を するとお隣さんは大きな影響を受けるようだ。

浴室は幅3間弱、奥行4間半ほどとやや縦長の浴室。天井は2段型。島カランは1つでやはり 「サイレント」。

奥壁は板にブルーのペンキが塗られ、かつてあっただろうペンキ絵はない。袂の深浅2槽には 淡い入浴剤が入った湯が満たされている。どちらもジェットなんていうものはなく、入口方を 除く3方に気泡が上がってくるのみ。シンプルこの上ない浴槽だ。

最初はかなり浴感が強い井戸水だとおもった。モール泉的な香りもある。思わず、入浴中に女 将に確認しに行く始末。。。結果は入浴剤とのことだった。なかなか自然な入浴剤だ。そして、 自分の目利きの無さにやや落胆する。

男女境は大振りの白タイルだしビジュアルはない。塗りつぶされた奥壁の立ち上がりに小さな ミッキーマウスなどのディズニーの絵が貼られていたのが印象的だった。相客2人は高齢者ば かり。たまにはミッキーマウスで喜ぶ子供が来るのだろうか。同湯のお孫さんなのかなと思っ た。

同湯のすぐ傍らに本所中学校がある。王貞治の母校で、相客は王の1年後輩だという木工職人。 王は「五十番」という中華屋の出身ということを思い出し、この辺りだったのかと問うと、店 は押上近くだったという。

亀の湯。シンプルでサイレント。何が優れているという銭湯ではないけど、トータルで悪くな い秘湯だった。

上がりは本日のメーンイベントの居酒屋・牧野。 昭和16年創業の老舗居酒屋だ。高くはないけど安くもない。しかし、出される料理の質は高 い。

「二級酒 280円」という古風な表示が残っている。その燗酒2合に、こはだ酢、肉豆腐、焼 たらこがぎっしり詰まったおにぎりで2600円だった。

マグロがウリだけど最近はかなり高いようだ。「時価」で3000円。今日はパスした。しかし、 この「牧野」には、また来ることがあると確信している。年配の女性2人が伝統を守っている。

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隣湯の荒井湯