差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2005年7月17日日曜日 9:30
宛先: 銭湯ML
件名: 金春湯(中央区銀座8丁目)

ナカムラです。

今日(7/11)は、「金春湯(中央区銀座8丁目)」に行ってきました。
新橋駅から、0.3キロ、5分くらいです。

屋号は、寛永4年(1627年)、この界隈に幕府直属の能役者だった金春太夫の屋敷があったことによる。
同湯の創業は、文久3年(1863年)に開業。昭和32年に今のビル銭に改築された。

「夜の銀座」の中心がどこかは知らないけど、同湯が面する金春通りもクラブなどが多い。
客とともに営業中の女性の往来も多い。さすが銀座だけあって、はっとする美形も多い。
同湯は、「銀座湯(銀座1丁目)」よりも、はるかに銀座らしい光景の中にある。

改修されているけど、やはり築48年の古参ビル。
かなり草臥れた外観ではある。

ライトブルーの「金春湯」の看板。紺地に白で屋号を染め抜いたオリジナル暖簾が下がっている。
暖簾をくぐると、自販機が数台ならぶ通路があって、その奥に同湯のエントランススペースがある。

下足箱の錠は松竹。何ら普通の銭湯と変らない。
番台の出っ張りの横に入口。入口の戸は、トイレの戸といったら失礼だけど、「男湯」というプレートが張られた素っ気ないものだった。

番台は、全面がカーブしているもの。新建材が張られている。
脱衣所の広さは幅2間半、奥行2間強と小振りの銭湯。天井には3枚羽根の天井扇が付いているが回ってはいない。
天井の高さは2間強の格天井。ビルの後方部分の1階と2階のブチ抜きで、銭湯スペースが組み込まれているようだ。

その他、メーカー不詳のブロック型のシリンダ錠が付く島ロッカー、ヘルスメータ、小型の扇風機があるだけ。
しかし、大黒柱前に鎮座する巨大な神棚が眼を引く。
この地は関東大震災で焼けたけど、戦災にはあわなかったらしい。関東大震災直後のものらしい。もう80年以上前のもの。
80歳に近いだろう番台の女将は「アタシも生まれてなかったからよくわかんないけどネ」とお茶目に笑ってた。

浴室の広さは、幅2間半四方。しかし、男女境側に1間弱四方の巨大な柱がある。男湯だけが狭くなっている。
天井は、2間強。天井と側面上方が板張りにペンキ塗り。
木造銭湯のようになっているのが眼を引いた。あまり他に記憶にない仕様だ。

島カランは1列で、カラン数は、5・4・4・5。
カラン、タイル類は改修されて新しいものに置き換えられている。

浴室は「熱い」「ぬるい」の2槽。温度にさほどの差はなく、どちらも42度くらい。意外に低いんだと思った。
「熱い」が狭く、浅槽。「ぬるい」が真中が深くなっていて、座ジェットのようになっている。

ビジュアルは、浴槽上に縦4枚×横20枚の章仙画のタイル絵。池に鯉の図。
12匹の鯉が悠然と泳ぐ30年代前半の画風。12匹の鯉は、いつも(12ヵ月)客よ来い(鯉)という意味らしい。
男女境にも銘等はない春秋花鳥の古風なタイル絵。背景を池に赤い菊、桜、魚を咥えたカワセミ?、メジロが描かれている。

月曜日の21:15から21:45に滞在。
出る頃になると客が増えてきた。

狭いので飲み物は置いていない。
まぁ、戸を開ければ自販機が並んでいる。
自販機の前は椅子になっていて、休んでいる料理人を複数見かけた。