差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年7月9日日曜日 23:06
宛先: 銭湯ML
件名: 越の湯(川崎市幸区古市場)

ナカムラです。

今日(7/7)は、「越の湯(川崎市幸区古市場)」に行ってきました。
鹿島田駅(JR南武線)から、1.0キロ、15分くらいです。

先週は夜なべ仕事で銭湯に行けず。今週もタフな一週間。今日も、手持ちの仕事は山程あるけど、終わらなくても、うっちゃって、銭湯に行くと朝から宣言・・・。何となく許される感じだった。世の中、あいつは仕方ないと諦められることも大切だ。

さて、吉野家で夕飯をかき込んで、いざ鹿島田駅へ。川崎駅から南武線で北上し、3つ目の駅。古い街に高層ビルがいくつか建ち並び、やや安定感を欠く町並みとなっている。

途中、下平間の多賀良湯を通るけど、何か変だ・・・。良く見ると無い!
設備老朽化により5月一杯で営業を止めて、改築中のようだ。同湯は主要道に面しているので、容積率等の関係で大きな建物が建てられる。客もそこそこ多いようだったので、銭湯を併設しての改築が可能なんだろう。

多賀良湯からの道は、「古市場銀座」という商店街。21:00も回っているので、少しの飲食店だけが灯りを付けているだけ。今は、やっていない店も多いようだ。

しばらくして古市場の交差点に「越の湯」。2階建ての古いビル銭で、1階が「栄光」という地元スーパー。その上が同湯になっている。2階建てだけど、3階建てに相当する大きさのビルだ。

昭和中期的で、いかにもスーパーの階段という雰囲気の階段を上がる。まさにスーパーの2階という雰囲気のスペースに自販機、ベンチ、傘立てそしてコインランドリーがある。古いながらも、明るく清潔な感じを受ける。

入口には茶色のオリジナル暖簾とその上に蛍光灯が仕込まれた「ビューティ&ヘルシー」と大書きされた行灯型の看板が載っている。靴脱ぎのスペースもゆったりしていて、松竹錠の下足箱も100数十個並んでいる。一番上段の111番に靴を入れる。

自動ドアを通ると、独立したフロントスペースが広い。冷蔵庫とテレビ、ソファ、テーブル、グッズのショーケースくらいしかないので、赤絨毯のスペースは余計に広く感じる。貴重品のロッカーがフロント脇にあったけど、銭湯では珍しいかも知れない。

フロントの女将に400円とサウナ代300円を払う。「一の湯(幸区古川)」と「御幸湯(幸区小向仲野)」の経営者のお姉さん。どこか、一の湯の大将と似ている感じがする。そんなことを考えていると、オレンジ色の「サウナ こしのゆ」と書かれたバスタオルとナイロンのリストバンドが渡される。

フロントから脱衣所の間にも、マルに越、と書かれた簡素なデザインのオリジナル暖簾が掛かる。脱衣所は入ると、明るくて、一見して清潔な空間が広がっている。幅2間半ほど、奥行3間。ただ、サウナ室がフルに外壁側を侵食しているので、広いという感じはない。また、弟さんの一の湯もそうだったけど、女湯の方が3間幅と男湯よりも広い。昔は、女湯の客が多かったということか。

天井高さは、2階3階ぶち抜きの高さ。伝統銭湯の天井高に引けを取らないだろう。天井のデザインが、金属製の金色っぽいブリキの型押しで、円を組み合したもの。少し独特だ。また、フロント方の上には、巨大なアナログ時計が掛かっている、畳一枚分くらいはある。

ロッカーは松竹のシリンダ錠。Yamatoのアナログ体重計。麻の敷物といった拘りもある。珍しいものとしては、流しの下にゴキブリホイホイが置かれている。なんか、久しぶりに見る気がする。

それにしても、男女境に大型のテレビが置かれているけど、かなり高い位置に設置されている。高さという点ではマイベストワンかも知れない。何もテレビをそんなに高々と掲げなくても・・・。

浴室は、幅2間半程度、奥行4間。脱衣場同様、天井高さは十分で板模様のアルミ板がV字型に張られている。

島カランは1列。カラン数はセンターから、8・9・3・4。カランは日の丸扇の刻印がある取っ手が茶色のもの。シャワーが変っている。プラスチックのスケルトンタイプ。VITAMIC SHOWERとあり、中に入っている、白い石みたいなものに何か薬効があるということなんだろう。

浴槽は、浴室の3割近い面積を占めているのではないだろうか。奥壁センター側に釜場への通路を挟んで、実母散湯の副浴槽。電気風呂とは知らずに飛び込んで、激驚く。電気は苦手。気になったので、苦痛を覚悟で確かめると、やはりかなり強烈な電気風呂だと判る。

奥壁からセンターに白湯槽で、座ジェット×2、寝風呂×1、肩たたき×1などが並ぶ。そして、外壁の中心には1間四方のガラス室の「森林浴」槽。熱気浴に、時折、芳香が混じる噴霧がかかる。

薬湯は41度くらい。白湯槽、森林浴は思いのほか湯温があって43度くらい。埋めすぎないようにとの注意書きもある。ここに、古くからの川崎の銭湯という感じが残る。

外壁側脱衣所方には、18度位の快適な水風呂。その隣にはテレビがある8人用くらいのサウナ室。21:30から小一時間くらい滞在したけど、サウナ客は小生のみ。テレビでは、森光子の一代記をやっていて、水風呂との往復でコマ切れだけど、大女優になるまでのの苦労を知って興味深かった。

ビジュアルは、奥壁の切り絵調のモザイクタイル絵。絵柄は青地の宇宙に複数の惑星を描いたもの。宇宙物にしてはシックで悪く無かった。女湯は虹空の明るい風景が見えた。

バスタオルとリストバンドを返却して、下足札を受け取らないと帰れないけど、女将はかなりぐっすり居眠りされている。ビール類が見当たらなかったので手にしたマウンテン・デューも早く飲みたい。

驚かさないように。声をかける。
ご高齢だし、きつい仕事。居眠りは、仕方ないだろう。まして、同湯の清掃は行き届いている。苦労は大きいだろう。

金曜日の21:30から22:30で相客は10人くらいか。いい銭湯だった。
帰路は、鹿島田駅を通り過ぎて、南武線と平行して走る横須賀線の新川崎駅へ。
やはり、途中でビールを買って、飲んだ。



鹿島田駅


鹿島田駅近く




多賀良湯が無くなっているのには驚いた。
でも改築らしい。