差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2011年6月15日水曜日 23:07
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 松の湯(新宿区西早稲田)

ナカムラです。

今日(6/10)は、「松の湯(新宿区西早稲田)」に行ってきました。 早稲田駅(東京メトロ東西線)から、0.6キロ、6分くらいです。

会社を出て、大手町駅から東西線で”都の西北”早稲田駅に向かう。馬場下の交差点を過ぎ、 さらに早稲田通りを進む。同湯は早稲田通りに面している。前はバス停「早大正門」。

創業は大正時代という。現在の建物は昭和43年築。ガス焚きに替わったためコンクリの煙突は 無くなり、オリジナルのエントランスは撤去されて直方体の薄桃色のタイル張りの増築建物に 替わったけど老舗の風格十分な伝統的木造銭湯だ。

小生、高校が高田馬場で、さらに大学が目白だった。早稲田大学周辺や山手線内最高峰の箱根 山は、高校山岳部時代のランニングコースやボッカ(歩荷)訓練の場。大学時代は現代詩研究 会なんかにも所属し、少しだけ文学かぶれのフリをしたりもした。

神保町に比べ格下の西早稲田の古本屋街に出入りして”写真が熱かった時代(その昭和40年代 前半がまだ10年くらい前にすぎなかった)”の写真評論や作家論などを漁ったり、主に絶版に なった古い私小説を探索したりしていた。最近まで西早稲田の古書店のシールが貼ってある古 本がいくつも残っていた。

いつの間にか、気取りゼロ、ヤニと油が染みたいかにも学生街という雰囲気の店が消え、あり ふれた普通の店が並ぶ街に変わってしまった。良く見ると、ほんの少しだけ、昔からの懐かし い建物が残っていた。

さて、松の湯。「ワセダグランド商店会」という商店街のようだ。入口を入ればかつてのエント ランスにあった懸魚が飾ってある。唐破風だったのだろうか、幅広のかなり立派な懸魚だ。

3段ほどの階段を昇れば松竹錠の下足箱。自動ドアを抜ければよくある感じの絨毯敷きのロビ ースペース。同湯にはサウナもあるけど、新宿区につきプラス550円というかなり割高なカル テル価格。450円だけを払いサウナはパスする。

脱衣所に進めば、フロント部とサウナ室の侵食はあるもののオリジナルは3間四方の広さ。天 井は長方形が縦横に並ぶ変則的な格天井。古い色合いが同湯の歴史を示している。折上部は鎌 倉・清水湯と同様な、折上げ部の肘木が丸棒というような簡素な造り。

ロッカーは入口方壁などに松竹シリンダ式のもの。その他、籐張りの幅広の縁台、自販機、デ ジタル体重計、20円の旧型マッサージ機などがある。

浴室は、幅3間、奥行4間。さらに、庭を潰したのか外壁側に1間幅の増築がある。天井は2 段型でブルーと白に塗られたペンキにくすみはない。明るく清潔な銭湯だ。

島カランは2列で、カラン数はセンターから4・5・5・5・5・0。床のタイルはユリ模様の白。 カラン周りは淡い桃色系の大理石紋様もの。昭和の終わり頃に中普請をしているようだ。

浴槽は奥壁に接して3槽。センターから、深槽の気泡湯で42度くらい。中央がボディーマッサ ージと座ジェット×2。外壁側がバイブラになっている。湯温は双方とも42度弱。多少の濁り と色付きがある恐らく井戸水。ガスで沸かしたお湯は円やか。かなりいいお湯だ。

さらに、外側の増築部に、ノズルが2つの打たせ湯×2の浴槽と、やや深い水風呂槽が縦置き にある。

やや温めの温度設定の円やかなお湯とそれなりに冷却された冷たい水風呂。解放感のある金曜 日の夜。くたくたになるまで各浴槽を往復する。極楽極楽。。。

ビジュアルは、奥壁に男女湯に跨る幅6間の大きな切り絵調のモザイクタイル絵。夕陽とそれ に照らされた茜空の風景が渦巻くように壮大に描かれ、その中を数羽の丹頂が雄大かつ優美に 羽を広げて飛んでいる。確か、C級演歌銭湯の下赤塚・栄湯で見たものと同じだと思う。いい タイル絵だ。

上がりは、久しぶりに20円の旧型マッサージ機で肩の凝りをほぐし、250ミリリットルの小さ な缶ビールを頂いた。

金曜日の19:40から20:35に滞在。今時「風呂なしアパートに住む早大生」なんていうのは絶 滅危惧種だろうけど、若い客も多く、繁盛している感じだった。

そう、同湯の先300メートルくらいの所に安兵衛湯(新宿区西早稲田3-4-8/平成2年廃業)が あった。あの、かぐや姫が歌った「神田川」のモチーフになった銭湯。NSPが歌った「面影橋」 もすぐ近くだ。懐かしい。。。

帰りは先月廃業した「さくら湯」を見てこようと思っていた。ここは山岳部の部活後に水分を 補給した「チェリオ屋」と呼んでいたパン屋の向かい。何年か前に通った時には高校生で繁盛 していた「チェリオ屋」がだいぶ寂れていたのが気になった。さくら湯の廃業には間に合わな かったけど、廃業して間もない姿を見ておきたかった。

しかし、生憎にも雨が降ってきた。駅から遠ざかるので諦め、そのまま十条に戻って、斉藤酒 場と同じ小路の「お功楽や」へ。芋焼酎の水割りを2杯。いつもより効くなと感じていたけど、 松の湯で缶ビールを飲んだことを忘れていた。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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