都湯（大田区下丸子）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年10月14日土曜日 8:58
宛先: 銭湯ＭＬ
件名: 都湯（大田区下丸子）

ナカムラです。

今日（10/13）は、「都湯（大田区下丸子）」に行ってきました。
下丸子駅（東急多摩川線）から、０．３キロ、３分くらいです。

大船の｢ひばり湯｣が、新装オープンの日なので、予定していた。しかし、工事の遅れで一度フラれているので、念のため電話する。すると、案の定というか、オープンは１５日に延期になったとのこと。仕方がないので、サウナと水風呂のある銭湯は・・・、という視点で下丸子の「都湯（大田区下丸子）」に向かうことにする。

下丸子駅は、駅横の大田区民ぶらざで｢下丸子演劇ふぇすた(９０年から９５年)｣が行われていた時に、度々訪れた。

小生、西島三重子の｢池上線｣という歌にかなり思い入れがあって、この下丸子駅周辺の風景が、歌われている情景に合っているなと思っていた。しかし、まぁそんなもんなんだけど、１０数年を経てその光景は残っていない・・・。しばし、時の流れに感慨を覚えた後、都湯へと向かう。

同湯は、伝統銭湯ながら、サウナと水風呂がある。週末のお寛ぎモードにはいい。
下丸子商店会という飲み屋が目立つ商店街を抜けると、程なくして到着する。

角地の同湯の隣は駐車場。コンクリ煙突とともに建物全体が見渡せる。同湯は、銭湯マップで｢破(破風屋根)｣のマークが付いている。しかし、脱衣所は千鳥破風だけど、入口部分の入母屋屋根＆破風があったと思しき部分は、モルタル直方体のフロントスペースに置き換わっている。確かに伝統銭湯だけど、脱衣所の千鳥破風を目立たせているだけに、伝統的な入り口部分がないと違和感がある。まぁ、脱衣所の千鳥破風を隠してしまうのが一般的で、旧来の入母屋の入り口を、横に移築して活用を続ける宿河原浴場のようなパターンは少数派なんだろうけど・・・。

松竹錠の下足箱に下足を預け、フロントに入る。ビール専用の自販機などもあり、広く余裕のあるスペースだ。風吹ジュン似の女将さんに｢サウナとで｣というと、｢ウチは無料でやっています｣と。小生、４３０円を渡す。

脱衣所は、外壁側にサウナ室がフルに食い込んでいるけど、オリジナルは３間四方。材はさほどではないものの、天井は折上格天井。鏡板は白ペンキで塗り込まれている。大黒柱には、あまり古そうではないけど、柱時計もある。

松竹シリンダ錠のロッカーは、衝立を兼ねて入口方とさらに外壁側に少しある。客が多いので、隣客とぶつかりながらの更衣となる。スパー銭湯以外では、最近はあまりこういうことは無くなった。

変っているのは、外壁の一部が幅の狭い床の間が設えられ、風景画の掛け軸と木彫りの置物がある。床の間がある脱衣所というのは、初めての遭遇だ。

浴室は、幅３間、奥行４間。天井は２段型。建物が傾いできたのか、戸塚・矢部の湯のような無粋な支柱まではないけど、男湯のウィング部の梁に、物々しい補修がある。

しかし、早川師のペンキ絵・伊豆海岸の日付が｢平成十八年八月七日｣になっているので、その頃にペンキを塗り替えたんだろう。浴室全体が、一点の曇りもない、神々しい空間になっている。

ピンクの大理石模様タイルの島カランは１列で、カラン数はセンターから６・５・５・４。カランは、日の丸扇の刻印のある、取っ手が銀の八角形のもの。出る湯は熱く、勢いもかなりのものだ。

床のタイルは４枚１組で模様を構成するパール色に輝くもの。壁のタイルは、かすかに地紋がはいる白のシンプルのもの。浴室全体が、白く、明るく、清潔さを感じさせるもの。いい浴室だ。

浴槽は、奥壁に３槽。外壁側が宝寿湯で奥がデンキ風呂になっている。真中が主浴槽で、格子の焚出し口がある。センターに８点座ジェットと縦２穴のスーパージェットがある。シンプルだけど、いい構成だと思う。

外壁方、脱衣所側には１人用と小さいけど、バイブラかつ冷却された水風呂がある。その奥には６人くらい入れる乾式サウナ。有線放送が流れ、砂時計がある。敷物のコンディションもまぁまぁだ。ユーザーが地元系という銭湯にしては、サウナを利用している人が多いのに驚かされる。もちろん、それに呼応するいいサウナだということだと思う。無料だと、メンテナンスに気合が入らないのか、イマイチの銭湯が多い。この優れたサウナが無料というのは、評価できる。

金曜日の２１：２０～２２：４５に滞在。洗い場にはピーク時に１５人くらいの人が入っていたし、それ以外でも、客の途切れはない。それだけの価値がある銭湯だと思う。

上がりは、入る時にチェック済みの自販機で、キリン・一番搾り２５０円。今日は、浴室にポカリスェットを持ち込んで水分補給をしてしまったので、あまり美味しくなかった。オフィスで仕事をしていても、適時の水分補給は極めて大切だと考えている。しかし、今日は、湯上りビールの美味しさを殺いでしまったかも知れない。

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ナカムラ　（Masayuki Nakamura）
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