御幸湯（川崎市川崎区小向仲野町）

差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2006年12月24日日曜日 14:46
宛先: 銭湯ＭＬ (sento-freak@kt.rim.or.jp)
件名: 御幸湯（川崎市川崎区小向仲野町）

ナカムラです。

今日（12/23）は、「御幸湯（川崎市川崎区小向仲野町）」に行ってきました。
川崎駅（東海道本線）から２．３キロくらいです。

川崎駅の地下に、バス停を入力すれば、出口、乗り場、系統、発車時刻を表示してくれるパネルがあって、最近はよく利用している。今日も使ったけど、年末、週末、クリスマスのトリプルパンチで道路は大渋滞･･･。バスは来ないし、普通は５分くらいの道のりが３０分ほども掛かる。都合１時間ほどかかって到着する。

小向は東芝の工場城下町。その反対側に県営小向住宅が広がっている。さほど古くない建物に建替わっているけど、昔はこれらの住宅の風呂の機能をも担っていたんだろう。県営住宅の後ろには、川崎競馬の小向厩舎が更に広がっている。

銭湯マップでは、｢多摩川大橋のすぐそば。マクドナルドの裏。｣とあるので、小向交番からマクドナルドの看板を目印に進もうとするけど、無い･･･。マックも不採算店舗をスクラップしているからなぁ･･･。暗い中で小縮尺の地図を開いても判り辛いので、携帯のGPSで検索し、難なく到着する。

奥にコンクリの独立煙突が見える。昔は賑わっていたんだろう、商店がちらほら残る道路に面している。同湯の建物は、この道から、さらに１０メートルくらい奥に引っ込んで建っている。そして、その傍らにいかにも川崎的というか、庶民的なモツ焼屋がある。表の丸椅子には幼稚園生や小学生がつくねなどを食べている。なんか、ものすごく郷愁を感じるいい光景だ。

この光景を見て、瞬間的に、帰りはこの店に寄ることが決定した･･･。

同湯の建物は昭和３０年代くらいの建物か。屋根はトタン屋根で、全体的にチープな造りだ。暖簾を潜っての靴脱ぎのスペースもやや狭い。下足の錠は松竹。番台への扉は自動扉になっている。

番台は前面がカーブしている茶色の新建材が張られたもの。番台の親父に｢サウナとで｣と言って１０００円を渡すと２７０円のバックで、バスタオル付き。神奈川の組合は、昨日がゆず湯だったけど、同湯はポスターの２２日を２３日と書き換えて掲出している。昨日入りそびれたゆず湯に入れるようだ。

脱衣所は幅３間半、奥行３間、天井高は２間半くらいか。壁も天井も柄は違うものの白系統のクロスが張られている。男女境の上には大きな液晶テレビ、真中にはテーブルと向かい合わせのベンチ。その傍らにエアロバイクがあったりする。

茶色のロッカーは、外壁側と入口方の壁にあって、錠は松竹シリンダ錠。新･旧マッサージ機にTANAKAのアナログ体重計。観葉植物がいくつか置かれ、外壁ロッカーの上には綺麗に整備された金魚が泳ぐ水槽があったりする。外の縁側の池に水がないのは残念だけど、清潔だし活気があっていい脱衣所だ。

テーブル脇のダンボールに蜜柑が入っていて、ゆず湯とともにサービスのようだ。モツ焼屋でのビールの前に１個頂くこととしよう。

浴室は幅３間半四方。白とブルーのペンキ塗りの天井は３段型。曲線を描くウィングの最後が水平に１間弱伸びる。高天井には井桁マーク。あまり見ないタイプの天井だ。塗り重ねられたペンキの襞からして、存外に古い建物なのかも知れない。「一乃湯（川崎市幸区古川）｣のご主人もここで修行していたことがあったと言っていたなぁ。

金曜日の１８：４０。この浴室に１２、３人に人が居る。かなりの繁盛銭湯のようだ。幼稚園、小中高生といった子供や若い層も入っている。まさか今日がゆず湯だからということではないだろう。これだけでいい銭湯だと感じる。

島カランは２列で、カラン数はセンターから７･５･５･５･０。カランは日の丸扇の角型のもの。外壁側には立ちシャワーブースが２つ。

浴槽は３つで、深槽は８点ジェット×２。真中の主浴槽が赤外線＆バイブラでガリウム石を積んだ格子状の焚き出し口から湯が出ているというもの。外側が通常は薬湯槽なのだろう。今日はゆずが入った布袋が２つ投入されている。

ゆず湯に浸かって思ったけど、去年も一昨年もゆず湯には入っていない。自宅でやったことはあるけど、銭湯でゆず湯に入るのは久しぶりか、初めてかなぁ。

サウナと水風呂は、外壁を更に張り出させて、元の庭に設置している。１４インチのテレビが観られるようになっていて、なかなか快適だ。途中で親父が替えのマットを運んできたりする。(←小生が敷き替えた。)

ビジュアルは、奥壁は基本的に白いタイルで、６枚一組の藤の花の絵が描かれていたりする程度。男女境もまた別の花がワンポイントで入っているだけ。昔はペンキ絵があったんだろう。

上がりは、ジュースは控えて、蜜柑を１つ頂く。一人暮らしだと蜜柑を食べる機会が少ない。今シーズンは初めてだ。

番台は美形の若い娘に代わっている。同湯の看板娘なのかな。ガムを噛みながら、男湯の裸客を意識しているということなんだろう、液晶テレビに視線を集中させている。風呂屋で育ったとして、やはり年頃となれば恥ずかしいのかな。

土曜日の１８：４０から１９：４０に滞在。洗い場には絶えずず数人の客が居る。客が多い銭湯だ。ゆず湯に蜜柑サービス。看板娘も美人だ。古い設備ながら、がんばっている。なかなか優れた銭湯だ。

直ぐにモツ焼屋へ直行。３つのテーブルは、湯上り客や、川崎競馬の厩務員の若者で一杯だ。獣医への愚痴をこぼす若いアンちゃんが隣を空けてくれた。千数百円の勘定割りで揉めているご高齢の男女。その他の客もかなりの特濃･川崎人。狭い中、飼い猫が歩いていたりする。あまりに濃い空間でわくわくする。

大将は４５歳、女将は２７歳らしい。幼い兄妹が氷入りのジョッキとホッピーを運んでくれた。危なかしくてハラハラするくらいの可愛い子供たち。お菓子のおまけが当たったとか、ツクネが食べたいとか、マイペースで騒いでいる。

ホッピー、缶ビール、煮込み、串焼き５本ほどで１８５０円。味と値段は普通だけど、あまりに川崎的で楽しかった。

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ナカムラ　（Masayuki Nakamura）
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ （風呂屋の煙突）
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