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桜湯
(京都府京都市上京区俵屋町456) 2015.04.11.

差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2015年7月12日日曜日 11:47
宛先: 銭湯ML (sento-freak@freeml.com)
件名: 桜湯(京都市上京区俵屋町)

ナカムラです。

今日(4/11)は、「桜湯(京都市上京区俵屋町)」に行ってきました。神宮丸太町(京阪本線)から、0.4キロ、5分くらいです。

祇園甲部花街の都をどりを観るために2月に続き京都にやって来た。桜は既に七分ほどが散ってしまったけど、驚く程に外国人観光客が多い。この日は、北山の国際会議場で日本医学会が開催されていることもあって、どこのホテルも一杯だった。やっとのことで古いビジネスホテルに潜り込むことが出来た。しかし、アベノミクス前と比べると何処を旅行しても宿の値段が上がった。正確に言えば安値の宿が無くなってしまった。

今回は”和服で都をどり”が旅のコンセプトだったけど、東京が雨だったので無理はしなかった。

最近、抹茶に凝っているので干菓子を求めたり、散策の途中でイノダコーヒ、乙女喫茶のソワレでお茶したりする。その後、登録有形文化財で銭湯の建物の親玉のような、祇園甲部歌舞練場で芸舞妓の都をどりを観る。華やかな中にも、いくつもの日本の伝統芸能が組み込まれていて楽しく、興味深く観させてもらった。

観劇の後は、寺町通りを桜湯まで歩く。アーケードが途切れると、古本屋、家具、調理器具などの専門店が集まるエリアがある。村上開進堂で焼菓子、柳桜園では抹茶、辻和金網では野菜の干し網、豆政では豆菓子などを買い求める。

丸太町の錦湯(廃業)の建物は無くなってしまったようだ。御所南小学校が児童の増加で一杯になり、旧春日小学校の校舎が建て直されたうえで復活するらしい。趣ある戦前校舎がまさに解体中だった。このまま消失するのは残念だけど致し方ない。

さて、桜湯。京都のレトロ銭湯といえば、十指に入るであろう。油井型の煙突を持つ大正時代築の京都的町家の外観の老舗だ。入口には鉄材で組んだエントランスが造られている。しかし、鮟鱇のように古い軒灯を付け、古い門柱には”サウナ”と書かれたトンガリ帽子の行灯が載せられている。町家にはやや冒険過ぎる造作なのだけど、不思議と周囲の古い町並みに馴染み、溶け込んでいる。

後方から黒煙が昇り、懐かしいコークスを燃やす匂いが立ち込めてくる。しかし、よく見ると同湯の真裏にある、東洋亭のコークスを燃料とする調理用レンジの煙だった。同湯は既に20年ほど前から重油に替わり、深井戸から汲み上げた水を沸かしている。

幅の狭い脱衣所には下足箱と兄弟のKING錠にガラス窓がある古風なロッカー。中には角形の籐編みの脱衣籠が入っている。天井には古い天井扇。体重計は亀岡式。明るく清潔な室内だけど、それぞれに歴史的な物が並んでいる。

カマボコ型天井の小ぢんまりした浴室。男女境には自慢の大きな水槽が設えられている。近年、復元されたものらしい。

スチームサウナと水風呂を往復。ここのスチームサウナは、マットで蒸気の噴出を避けて入らなければならないことを思い出す。数年前にご常連に教えてもらったことだけど、そうしなければ腿の裏側にスチームが当たって熱いことになる。

さらに、同湯の水風呂は非冷却だけど強烈に冷たい。地中の温度がそう違うとは思えないけど、同湯の水脈は何でこんなにも冷たいんだろう。非冷却の井戸水としては記憶に刻まれる冷たさだ。

上がりは寺町通り一保堂近くの海鮮系居酒屋。「夷川燕楽」のおでん屋も気になったけど、予約で一杯だった。相方は、人を呼ぶ不思議な能力を持っている。がらがらの店がたちまち満員になった。こんなことが日常茶飯事である。

《前回訪問:2006.11.17.》

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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河原町・築地






河原町・ソワレ





三条・イノダコーヒ